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SEKAI NO OWARI単独フェスは6万人動員 ライブの“テーマパーク”化が進むワケ

リアルサウンド

13/10/15(火) 21:28

 SEKAI NO OWARIが10月12日(土)から14日(月・祝)にかけてセルフプロデュースによる初の野外ワンマンフェスティバル『炎と森のカーニバル』を開催、3日間あわせて約6万人の観客を集めた。『炎と森のカーニバル』はステージセットから舞台演出、さらには場内のさまざまな仕掛けまでをもすべてSEKAI NO OWARIのメンバーが考案。メンバーのFukaseはバンドの公式LINEアカウントで「総製作費、驚きの5億円」と、大がかりなイベントだったことを明かした。

 SEKAI NO OWARIに限らず、ライブの演出にこだわり、その空間をトータルでプロデュースするミュージシャンは増加している。BUMP OF CHICKENが8月9日に千葉県QVCマリンフィールドで行った『ベストアルバム発売記念ライブ』では、来場者に次世代型のライブ用ライト「ザイロバンド」が配られたほか、team★Labが開発した「チームラボ・ボール」という光るボールが会場を彩り、煌びやかな空間を演出した。Perfumeのライブ演出では、真鍋大度らが所属するアーティスト集団、ライゾマティクスが最先端の技術を投入し、Perfumeならではの未来的なステージを作り上げている。EXILEのライブは、会場上空を埋め尽くほど大量の銀テープが降り注いだり、全長15m近いオブジェが登場したりと、派手な演出が人気だ。ほかにも、UVERworldやももいろクローバーZなど、ライブの域を超えた演出をしているミュージシャンはジャンルを問わず増加傾向にある。

 最近のライブはなぜこのように“テーマパーク化”しているのか。ライブ事情に詳しい音楽ライター、柴那典氏に話を訊いた。

「テクノロジーの発展がライブの現場を確実に変えてきていることが背景にあります。ただ音楽を聴かせるのではなく、ライブの一体感やそのバンドの世界観をより味わえるように、トータルで演出するミュージシャンが増えました。きっかけになったのは、コールドプレイが2012年にコンピューターと無線制御で光る“ザイロバンド”を初めてライブに導入し、世界中に広まったこと。SEKAI NO OWARIはSaoriを筆頭にメンバー自身が映像制作やステージ演出の企画に携わり、特にメジャーデビュー以降は4月の代々木体育館で次世代型ペンライト“シンクロ”を導入するなど新しい技術も意欲的に取りいれてきました。今回のワンマンフェスに6万人が集まったのは、リスナーが新しい音楽体験を求めているから、という側面もあるのではないでしょうか」

 また 音楽レーベルに長く勤め、ライブ業界に詳しいスタッフは次のように指摘する。

「ライブやフェスが流行って興業の数が増えた分、ただ大人数で音楽を聴くだけでは、お客さんが満足しなくなってきているのではないか。ミュージシャンたちもただCDを作っているだけで食べられる時代じゃないから、ライブにどうやってお客さんを呼ぶか、どうやってグッズを売るかを、すごく深く考えている。音楽だけやっていればいいというスタンスではなく、より『行って良かった』と思えるイベントにしようと、工夫を凝らしているミュージシャンは多いです。新しいライブの見せ方を考え抜き、演出で独自性を出そうとしている面もあると思います」

 ライブ活動を強化するミュージシャンが増える昨今の音楽界。他のイベントでは味わえない“体験”を観客に提供するためには、演奏力だけでなく、セルフプロデュースを含めた演出力が不可欠となりつつあると言えそうだ。
(文=編集部)

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