「SPECサーガ完結篇『SICK'S 厩乃抄』～内閣情報調査室特務事項専従係事件簿～」の完成披試写会が9月3日に東京・スペースFS汐留にて開催され、キャストの木村文乃、松田翔太、竜雷太、監督を務めた堤幸彦、プロデューサーの植田博樹が登壇した。

1999年のドラマ「ケイゾク」に端を発する「SPECサーガ」。内閣情報調査室にあるSPEC HOLDER対策の特務専従係、通称・特務（トクム）を舞台とする「SICK'S」では、IQ230の天才・御厨静琉と元警視庁公安部の高座宏世がSPEC HOLDERを巡る権力闘争に立ち向かうさまが描かれる。御厨を木村、高座を松田が演じ、特務の係長・野々村光次郎を竜が演じた。

「SICK'S」シリーズの最終章にあたる「厩乃抄」への思いを問われた木村は「まず、最終章だと思ってないというか……最終章かもしれないし、そうじゃないかもしれない」と含みを持たせ、堤から「それ言っちゃう？」とツッコまれる。松田も「位置付けとしては最終章かもしれないですけど、最後の撮影が朝5時に行われたのであまり覚えてないですね。でも、まだ終わってないんじゃないかなと思います」と意味ありげにコメントし、堤は再度「それ言っちゃう？」とツッコんで苦笑した。

「ケイゾク」から出演している竜は、「20年間こういう役ができるということは、俳優として人間として、なんとうれしく光栄なことだろうと思います。植田さん堤さんらスタッフの皆様、応援してくださる皆様のおかげだと思って、心から御礼申し上げます」と客席に向かって深々と頭を下げる。そして堤に向かって「でも、終わっちゃうと生きがいがなくなって早くどうにかなっちゃうので、よろしくお願いします」と熱望。可能性を問われた堤が「いーあるさんすー、ちいぱっぱです」と誤魔化していると、竜は「お願いします！」とじっと見つめる。堤は「皆様が続けろとおっしゃってくだされば。官製はがきを植田さんに送ってください。50枚超えたら続けます」とうそぶいた。

「厩乃抄」の見どころについて木村は「最後まで観たら、ん!?ってなってもう1回『恕乃抄』から見返したくなる作りになってます」と解説し、松田は「僕の役割がわかってくると思います。でも生身です！ SPECはありません」と述べた。竜は御厨、高座、野々村の特務チームを「家族のようですね。特務の部屋に入ると帰ってきたなーと感じます」と語り、絆の深さをうかがわせる。見どころについて質問されると「それはMHですね。まだ、早い」と“DAI語”で煙に巻いた。

「本作の演出ポイントは？」という質問に対して、堤は苦しげな表情で「言いたいけど言えないなー。でも『ケイゾク』からご覧いただいた皆さんにはたまらない方向に向かっていくと思います。過去作に散らばったさまざまなワードを回収・発展させることを念頭に置いてやっていました」と説明。撮影中に抱えていた思いを問われた堤が「思い？ 重いです」とダジャレを飛ばすと、竜は「しゃす、しゃす」とうれしそうに笑う。植田は「過去作を彷彿とさせるシーンもありますが、まったく違う作品になっているので、そこは演者さんが生み出してくださった命だなあと思います」と述べる。

この日、観客には入場者プレゼントとして木村が撮影で割った皿のかけらがプレゼントされた。植田が「美術スタッフが捨てようとしているのを『あー！』って言いながら集めました」と胸を張ると、木村は「もしかして撮影のときからこう使おうと思って集めてたんですか!? なんてせこい！」と驚く。最後に木村は「『厩乃抄』は20年間の歴史との出会いと別れの話でもあります。それと向き合う私たちは撮影中つらいこともあったんですが、広げた風呂敷はそのままにしないという堤さん、植田さんの愛情が詰まっていて、ファンの方が観たらちょっと涙腺に来る演出もあると思います。これが最後というよりも、走馬灯のような話になっているので、堤・植田ワールドをお楽しみください」とアピールした。

シリーズ第11話から第15話にあたる「SPECサーガ完結篇『SICK'S 厩乃抄』～内閣情報調査室特務事項専従係事件簿～」は9月14日24時からParaviで独占配信。なお、前抄「覇乃抄」は9月9日より6夜連続で地上波放送される。

SPECサーガ完結篇「SICK'S 厩乃抄」～内閣情報調査室特務事項専従係事件簿～（全5話）

Paravi 2019年9月14日（土）24:00配信開始
以降隔週金曜24:00に最新話更新

SPECサーガ完結篇「SICK'S 覇乃抄」～内閣情報調査室特務事項専従係事件簿～（全5話、第捨話は2夜に分けて放送）

TBS 2019年9月9日（月）25:03～放送
以降、9月12日（木）まで25:03～放送
9月13日（金）は24:55～、9月14日（土）は26:38～放送
※関東ローカル

(c)TBS