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矢沢永吉、音楽との向き合い方について『関ジャム』で語ったこと 『Mステ』初出演にも期待

リアルサウンド

19/8/30(金) 7:00

 8月25日、テレビ朝日系音楽バラエティ番組『関ジャム 完全燃SHOW』にて矢沢永吉の特集が放送された。9月4日にはニューアルバム『いつか、その日が来る日まで…』のリリースを控えている矢沢だが、テレビで自身の音楽制作について語られることはあまりなく、その冷静な視点と緻密な計算がされた音楽への向き合い方に驚かされたとともに、番組を通して矢沢永吉がロックスターであり続ける“豪”を改めて感じた。

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 今年でソロデビュー44年を迎えた“世紀のロックスター”矢沢永吉は、これまでに40曲以上を作曲している。この日は番組の独占取材で矢沢の口から音楽制作の方法やメロディと歌詞の関係性などについてが語られた。また、スタジオでは、矢沢と20年来の付き合いだという横山健、矢沢のニューアルバムで作詞も担当したいしわたり淳治、作曲家/音楽プロデューサーの多保孝一の3人が出演し、音楽プロデューサー本間昭光を加えた4名が矢沢の楽曲の魅力を語るとともに、矢沢への質問もぶつけた。

 「20~60代に聞いた矢沢永吉の名曲BEST10」と題されたランキングでは、10位に「黒く塗りつぶせ」(1977年)がランクイン。同曲の魅力を本間は「イントロとBメロで鳴っているリフがとにかくかっこいい」、「8分のベースとこのギターのリフは、『Smoke on the Water』(Deep Purple)を彷彿とさせるアメリカンロックなサウンドに仕上がっている」と説明。

 また、多保は9位「YES MY LOVE -愛はいつも-」(1982年)、8位「いつの日か」(1994年)について「Aメロ出だし、2つ目のコードがオーギュメントコードになっている」と挙げ、これによって都会的な哀愁感が引き出されていると共通点を解説。さらに、7位「SOMEBODY’S NIGHT」(1989年)は「コードとメロディが“11th”のいわゆるテンションの関係になっていて、(いい意味の)違和感や引っかかりを生み出している」といい、本間は「ロックといえばギターサウンドのイメージだが、矢沢さんはキーボードをよく使われる」とし、これがポップスシーンでより受け入れられる理由だと語った。

 今回、矢沢はスタジオからの質問に独占インタビューで答えた。多保の「テンションコードはどこまで計算しているのか?」という問いには「(テンションコードは)入れなきゃダメ」だと答え、音色だけでなくコードを変えたりオーバーダブ(重ね録り)を加えてアレンジを組み立てていくことが重要だと話す。

 オーギュメントコードについては「augやsus4、7thコードが好きでよく使うけどそれは(感覚が)自然と身についていったもの」だという。また、キーボードを多く取り入れる理由について「(イギリスのミュージシャン)ジョージ・マクファーレンに出会って鍵盤を(曲に)入れた時に音の広がり方を感じた」といい、「鍵盤は(音の)スキマを調和で埋めますよね」、「ギスギス感を出したい時にはギターだけの世界に戻りたい」と楽器の使い分けについても語った。

 中学生の頃から矢沢のファンであり、約20年前に雑誌の対談で初めて共演したという横山は矢沢について「日本で初めて“ロッカーとしてお金を稼いだ人”」と表現。さらに、「矢沢さんは昔から音楽業界のことを誰よりも考えている。日本でレコードやCDが売れている時代から“音楽の著作権”を自分で管理するようになって、実に“先見の明”がある人です」と続ける横山。「そして、新しいことに対して圧倒的にハングリー。今から20年前、僕がインディーズレーベル<PIZZA OF DEATH RECORDS>を立ち上げたときに矢沢さんから質問攻めにあった。その熱さも凄いが、20も年下のミュージシャンに会って、自分の話もせず、ひたすら質問する矢沢さんは凄い」と当時を振り返った。一方、矢沢は横山について「レコード会社じゃなくて自分たちでアルバムを作るインディーズレーベルを作った人の走り。彼が予想していたかは分からないけどそれからCDの時代終わっていくんだから、先駆者ですよ」と語り、「この野郎、スゲェなと。かっこいいですね」と矢沢節で称賛した。

 そんな互いにリスペクトを送り合う横山から矢沢に対し「サブスクリプションが台頭し、音楽の聴かれ方が変わってきた今をどう思いますか?」と質問が。矢沢はこれに対し「日本だけじゃなく世界的な流れがそういうところに向かっていったし、(そんな時代が)来るべくして来た」とコメント。定額聴き放題については「そりゃアーティストからしたら……『俺たちの稼ぎ場荒らすんじゃねぇよ!』っていうのはありますよ。でもそれ言ったところで止まりますか? (サブスクリプションサービスが)世界的な流れだし、インターネットと共にそこにきたんだなと思う」、「ミュージックの世界だけじゃなく、どの世界だって淘汰されていっているから、消えていく産業、ビジネスなんていっぱい増えますよ」と冷静な視点で語った。

 その上で「でも、メロディ、音楽、ライブパフォーマンスは僕は不滅だと思う。やり方や場所、見せる所は多少変わるけれど、(音楽は)永遠だと思います」「指くわえて待ってねぇぞ! ってところで頑張っていくしかないじゃない」と、ファンやアーティストに多大な影響を与え続けて来た矢沢永吉の真髄とも言える、明確な音楽へのビジョンを力強い言葉で示した。

 また、ニューアルバム『いつか、その日が来る日まで…』で収録曲のうち5曲の作詞を手がけたいしわたり淳治。矢沢から歌詞に対するオーダーがほとんどなかったといういしわたりは、「歌詞のオーダーをしない理由」について矢沢に質問を投げかけた。普段は歌詞についての指定などをケースバイケースで行なっているとのことだが、今回はいしわたりからの歌詞を楽しみにしていたといい、「『魅せてくれ』のロックンロールは無条件(でOK!)」と絶賛。作詞を丸投げする面白さを「曲は、メロディだけが良すぎてもダメ、詞だけが良すぎてもダメで、詞とメロディのハマり方、重なり方がある」とも話した。

 そして、ランキングでは3位「止まらないHa~Ha」(1986年)、2位「ファンキー・モンキー・ベイビー」(1973年)、1位「時間よ止まれ」(1978年)と今も色褪せない名曲がトップ3を飾った。最後に横山は、インタビューを通して改めて感じた矢沢の魅力について、こんな言葉で締めくくった。

「緻密な計算とワイルドな言動やパフォーマンス全てを含めて矢沢さんなんだと感じましたが、矢沢さんだからできるんじゃなくて、やるから矢沢永吉なんですよね」

 なお、矢沢永吉は8月30日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に初出演。アルバム収録曲「黒く塗りつぶせ」「ヨコハマUo・U・Uo」の2曲を披露する予定だ。

※「ヨコハマUo・U・Uo」の「o」は本来マクロン付き表記

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