Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

奥田民生「ひとり股旅」有観客&配信で届けたツアー完走、最後は視聴者とシンガロング

ナタリー

20/11/26(木) 12:00

奥田民生(Photo by Kenji Miura)

奥田民生が11月に東京、福岡、広島、大阪の5会場で弾き語りツアー「ひとり股旅 2020」を開催した。この記事では昨日11月25日に東京・Zepp Tokyoで行われた最終公演の模様をレポートする。

「ひとり股旅」は奥田がギター1本で歌う弾き語りスタイルのライブ。2018年の「ひとり股旅スペシャル@日本武道館」以来約2年ぶりの開催となった今回は、新型コロナウイルスの感染予防対策ガイドラインに沿った有観客ライブとLINE LIVE-VIEWINGでの生配信の2本立てで実施された。

会場の客席にはソーシャルディスタンスを保つために1席ずつ空席が設けられ、その空席にはグッズ付き配信視聴チケット購入者分のイラストパネルが、来場が叶わなかった観客の分身のごとく置かれていた。開演時刻を迎え奥田の主宰レーベル・RAMEN CURRY MUSIC RECORDSのマスコットキャラクター“ヘロ・ディギン”による愛嬌たっぷりのオープニングムービーが流れたあと、キャスター付きの椅子が準備されたステージに頭にタオルを巻いた作務衣姿の奥田が登場。奥田は登場BGMが1フレーズ流れる間に無言でギターのチューニングを済ませ、グラスの飲み物を口にすると、1曲目に「近未来」、2曲目に「解体ショー」を披露した。今回のツアーでは初の選曲となった両曲の演奏にさっそく盛り上がる観客たち。そんな盛り上がりをよそに奥田は「今年はいろんなことがありまして。このツアーも本当は別名義でツアーをする予定でしたが(新型コロナウイルスの影響で)こんなことになったので弾き語りでやっております。普通のツアーだと同じ曲を演奏してもまあ大丈夫なんですけど、今回は配信もあるので全部バレバレなんで、一応1曲目だけ全公演変えました。そしたら変わった感じがするでしょ? 今日はこの後どうなるでしょうね」と気負うことなくまったりと語り、会場の観客とライブを見守る視聴者たちをリラックスしたムードで包んでいった。

次に選曲されたのは「何と言う」。この曲の演奏後には、開演直後から存在感を放っていたエアーで大きく伸縮する最前列の空気人形が“ハバレロくん”という名前であることが明かされた。奥田は「今回は会場の皆さんは声が出せないですし、立って暴れることもできないんで、こいつが代わりに」とハバレロくんを紹介。そして「こっちのほうが、さっきのギターより優しい音です」とギターを持ち変えると、「羊の歩み」「股旅(ジョンと)」でよく伸びる歌声を響かせた。さらに「今日は最終日なので好きなようにやります」と前置きし「カイモクブギー」をパフォーマンス。「この曲は地味な曲扱いを受けてきたけど、ここにきてこのご時世にも合ってるかも」と意外な手応えを語った。

「俺、iPadで自分の曲をピピピってプレイリストにして選曲してるんですけど、多分押し間違えてあの曲が入ってて。せっかくだからやった日があったんですけど、俺がやったら著作権上怒られるやつだよ。あいつのだから」と話すと、EBIの50歳を記念して作られた楽曲「TAIRYO」をこぶしを効かせて歌ってみせた奥田。続けて曲中のリフレインが印象的な「私はオジさんになった」や「車も電話もないけれど」を披露する。会場の観客はうれしそうに体を左右に大きく揺らし、配信の観客は興奮をチャット上でシェアし合った。

配信では奥田が司会者に扮してライブグッズを紹介する通販番組風の動画を休憩中に挟み、ライブは後半戦へ。ステージの右半分に用意された“バーチャル背景命”のミュージックビデオ企画「カンタンバーチャビレ」の配置になると、奥田は自ら下ろしたグリーンバックを使い、バーチャル背景の前で「悪い月」をエレキギターで演奏した。この日のバーチャル背景は、会場が東京であることにちなみ、お台場の観覧車、豊洲市場、東京タワー、そして「権利の関係で撮れなかったんだけどこの向こうにヤツがいます」というビルの写真や、マキシマム ザ ホルモンからの祝いの花輪が候補に挙げられた。

「次はテレビで流れてたやつやります」とテレビアニメ「ハクション大魔王2020」のオープニングテーマ「サテスハクション」を歌ったあとは、「トキオドライブ」や、本人曰く「やるたびに下手になる」という東京スカパラダイスオーケストラ「Paradise Has No Border」をホイッスルでカバー。そして「カンタンバーチャビレ」形式での最後の楽曲として「最強のこれから」をエモーショナルに歌い上げた。

この日のライブ前に、全国ツアー「MTRY TOUR 2021」を2021年1月31日にスタートすることを発表した奥田。「この先ツアーも決まりましたけど、何があるかわかんないですからね。またいろいろ考えてやろうと思います。皆さんも覚悟していただいて、またよろしくお願いします」と意気込みを語り、「KING of KIN」を1番のみ演奏すると、そのまま「すばらしい日々」に突入。観客の興奮冷めやらぬ中、さらに「さすらい」を畳み掛ける。「さすらい」では「どーなった」の大合唱が配信のチャット欄に巻き起こった。そしてアンコールとして「イージュー★ライダー」をセレクト。「会場ではそんなに歌えないので、皆さん家で歌っていただけると」とカメラ目線で配信視聴者に呼びかけ、「はいどうぞ」と1番の歌唱を配信視聴者に預ける奥田らしいマイペースさで、この日のライブを締めくくった。

ツアーの模様は各公演1週間後まで見逃し配信が行われている。

奥田民生「ひとり股旅 2020」2020年11月25日Zepp Tokyo セットリスト

01. 近未来
02. 解体ショー
03. 何と言う
04. 羊の歩み
05. 股旅(ジョンと)
06. カイモクブギー
07. TAIRYO(UNICORN)
08. 私はオジさんになった(UNICORN)
09. 車も電話もないけれど(UNICORN)
10. 悪い月
11. サテスハクション
12. トキオドライブ
13. Paradise Has No Border(東京スカパラダイスオーケストラ)
14. 最強のこれから
15. KING of KIN
16. すばらしい日々(UNICORN)
17. さすらい
<アンコール>
18. イージュー★ライダー

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む