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朝ドラの“原点”に戻る『スカーレット』 クレイアニメーションを用いたタイトルバックにも注目!

リアルサウンド

19/9/30(月) 13:00

 「なつよ、『朝ドラ』よ、101作目に続けよ」のナレーションと共に締めくくられた朝ドラ100作目『なつぞら』(NHK総合)。まさに朝ドラの集大成とも呼んでいい豪華キャストたちの出演と、日本アニメーション史の歴史をなぞるという壮大なテーマで、半年間視聴者を楽しませてくれた。

参考:『スカーレット』第2話では、喜美子(川島夕空)が焼き物を作る土に興味を持つ

 そんな区切りの作品の次作として、本日より始まったのが戸田恵梨香が主演を務める『スカーレット』だ。男性ばかりの陶芸の世界に飛び込んだ主人公・喜美子が、さまざまな困難に立ち向かいながら独自の信楽焼を見出していく。

 タイトルのスカーレットは、炎の色とされる緋色のこと。陶芸に不可欠な炎、そして喜美子の情熱的な人生を表しているという。

 そのタイトルの通り、本日放送の第1話冒頭は、30代の喜美子が真剣な表情で窯に向き合う姿から始まった。この窯は番組関係者の間で“スカーレット窯”と呼ばれているそうで、本作のために制作チームが一から造り上げたという。戸田は演じるために、陶芸に関する多くの工程を取得していったそうで、指導担当者たちからも「びっくりするほどうまい」との声もあがっているそう。物語は一旦、喜美子の幼少期(演じるのは川島夕空)から始まるが、物語の中盤以降の戸田の陶芸家の姿を心待ちにしたい。

 第1話では、喜美子たち川原一家が大阪から滋賀・信楽に移住し新生活を始めた。情に熱くユーモアがある一方、厳しい家計事情にも関わらず、なけなしのお金をお酒に変えてしまうなど、“ダメ”な部分を早くも見せていた父・常治(北村一輝)。そんな常治に寄り添い、家族を優しさで包む母・マツ(富田靖子)。そして、移住早々、近所の少年たちと喧嘩を繰り広げる勝ち気なヒロイン・喜美子、喜美子の存在を注視するお嬢様・照子(横溝菜帆)と、ある種“安心”のキャラクター像が垣間見えた。

 制作発表の席で制作総括の内田ゆき氏は、「朝ドラとはなにかと考えたとき、目新しいことをやるよりも、ヒロインが成長していくこと、明るく楽しい話を毎日と届けたいと思いました」と語っていたが、その言葉通りの朝ドラの王道ストーリーが楽しめそうだ。

 そして注目したいのがタイトルバック。前作『なつぞら』は朝ドラ史上初となる全編アニメーション、前前作『まんぷく』ではヒロインの福子(安藤サクラ)が自然を駆け回るシンプルなものであったが、本作はそれ以前の『半分、青い。』『わろてんか』『ひよっこ』などに近い趣と言えるだろうか。映像制作者・川村真司氏が用いた技法はクレイアニメーション。Superflyの主題歌に乗せ、ヒロインの成長、物語の穏やかな雰囲気が伝わる一篇に仕上がっている。

 内田ゆき氏は「クレイアニメーションを使うプランは川村さんからの提案でした。陶芸には、“炎と土”が欠かせません。炎の華やかさな部分と、土の地道な秘めた力、その両方を表すことができればと思いました。陶芸という大きなテーマを背景に、家族や友人、さまざまな人との出会いによって人生を乗り越えていく、そんなオープニングにできればと」とコメントしていた。最後に登場する主演の戸田の姿も含め、これからの半年間、毎朝元気を届けてくれるだろう。(石井達也)

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