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「向井太一 COLORLESS TOUR 2021」ライブレポート “明日もう1回がんばってみよう”そう思える最新アルバムを携えた約1年ぶりのリアル+配信ライブ開催

ぴあ

向井太一「COLORLESS TOUR 2021」 Photo:Yosuke Torii

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向井太一のワンマンツアー「COLORLESS TOUR 2021」の東京・Zepp DiverCity公演が配信プラットフォーム「uP!!!」で独占配信された。

百田留衣、T.Kura、mabanua、Shingo.S、LAのプロデューサーAzad Naficy、William Leongなどが参加した最新アルバム「COLORLESS」は、“無色で純粋なありのままの自分の気持ちを忘れない”という原点回帰を表現した作品。オルタナR&Bの進化型とも言えるトラック、豊かな響きをたたえたメロディ、さらに表現力を増したボーカルがひとつになった本作の充実は、この日のライブでもダイレクトに表現されていた。

セットリストの中心はもちろん、アルバム「COLORLESS」の収録曲。オープニングは、<駆け抜けて なにもかも/投げ出すような恋をしよう>というアカペラから始まる「Love Is Life」。オーセンティックなソウル、R&Bに根差したバンドサウンドによって心地いいグルーヴが生まれ、フロアの観客がゆったりと身体を揺らし始める。さらに「向井太一です! 楽しんでいきましょう」という挨拶から、エレピのフレーズに導かれた切なくも愛らしいラブソング「Ups & Downs」、「みなさん、手を挙げられますか?!」(向井)という呼びかけによってナチュラルな一体感が生まれた「Comin‘ up」を披露。ネオソウル、オルタナR&Bのテイストを交えながら、日本語のポップスへと昇華したアルバム「COLORLESS」の魅力が、ライブの冒頭から生々しく伝わってきた。

「知ってる人は心の中でいっしょに歌ってください!」と呼びかけ、ポップ&ソウルフルなボーカルが響き渡った「I Like It」、アタックの強いファンク・ビートによって、観客のテンションがさらに上がった「FREER」、そして「COLORLESS TOUR 2021、ようこそおいでくださいました」「1年以上ぶりに皆さんの前で歌うことができてます」「最後まで“最高”と言ってもらえるように、心を込めて歌います」というMCの後は、シックな手触りの楽曲を次々とパフォーマンス。

抑制の効いたトラックと憂いを帯びたボーカルが溶け合う「Sorry Not Sorry」、ソファに座りながら<いっそすべて 終わらせられたなら/けど心は まだあなたのもの>と痛々しいまでの切なさを滲ませた「Bed」、“父親代わりだった兄貴”のことを思って作ったというアコースティックなナンバー「HERO」。すべてのフレーズに濃密な感情を込めながら、快楽的なフロウに結びつけるボーカルは、まさに絶品。

そう、この時間帯のなかで感じられたのは、シンガーとしての深みだ。人前で歌う機会が失われたこの1年、彼が自身の内面と向き合ったことは想像に難くない。その過程のなかで向井は、自らの歌の表現を追求し続け、さらに豊かな表情を手に入れた。その事実が手に取るように伝わってきたのだ。

 

90年代のR&BへのリスペクトとJ-POP的なアプローチを融合させ、前向きなメッセージを響かせた「僕のままで」、官能的なボーカルラインと<君の理想に染まることも/愛おしいから>というフレーズが溶け合う「What You Want」など、再びアルバム「COLORLESS」の楽曲を続けた向井。1stアルバム「BLUE」(2017年)の収録曲「眠らない街」、EP「24」(2016年)に収められた初期の名曲「SPEECHLESS」(2016年)などを新たなサウンドデザインとともに披露した後は、「みなさん、楽しんでますでしょうか?」と笑顔で語り掛け、メドレーコーナーへ。

「YELLOW」「Great Yard」などをシームレスにつなぎ、フロア全体を快楽的なバイブレーションで包み込む。繊細なフェイクと力強いシャウトを織り交ぜた向井のボーカルも、ライブのクライマックスに向けてさらに求心力をアップ。一瞬も目を離せない、本当に刺激的なステージが続く。

力強い歌声で<いつも僕の胸に 僕が生きる限り/何色に染まっても 大丈夫>という凛としたラインを描き切った「Get Loud」からライブは後半へ。ソウルミュージック〜ゴスペルの解放感に満ちた「空」でステージとフロアを一つにした後、向井は改めて観客に向かって語り掛けた。

「アルバムを作り始めたのは、コロナになってから。本当にいろんなことが起きて、自分の心をどこに置いていいかわからない状況が続いて。自分自身が何ができるかと思ったときに、やっぱり音楽を作ることだなと思って」「前のツアーのときはファンみんなが助けてくれて。それと同じように僕も、聴いたら元気が出たり、未来に希望が見いだせたり、“明日もう1回がんばってみよう”と思えるアルバムになったらいいなと思って作りました」「これから先、自分に迷ったり、くじけそうになったときに聴いたら、元気が出たり、力になる、そんな長く愛されるアルバムになったらいいなと思っています」

本編ラストは、アルバム「COLORLESS」のタイトルトラック「Colorless」。迷ったり、苦しむことがあっても、理想から程遠いとしても、自分らしさを抱えながら人生というストーリーを進んでいきたい。彼自身の真摯な思いが込められたこの曲は、圧倒的なカタルシスとともに、すべてのオーディエンスの心に届いたはずだ。

アンコールでは「僕とたくさんの人を出会わせてくれた曲」という「リセット」を歌い上げ、ライブは終了。今回の配信ライブは、6月9日(水)23:59まで視聴可能(※6月9日(水)23:59を過ぎるとその時点で視聴途中であっても視聴できなくなりますので、ご注意ください。)
アルバム「COLORESS」を中心に、向井太一の新たな進化をぜひ追体験してほしい。

Text:森 朋之
Photo:Yosuke Torii

■視聴チケット
販売期間:6月8日(火)23:59まで
料金: auスマートプレミアム会員2,300円、一般2,800円(税込)
※購入時システム手数料として別途200円が必要となります。予めご了承ください。
詳細はこちら⇒https://up.auone.jp/articles/id/83958

向井太一「COLORLESS TOUR 2021」
2021.6.5 (Sat) Zepp DiverCity
セットリスト
1.Love Is Life
2.Ups & Downs
3.Comin? up
4.BABY CAKES
5.I Like It
6.FREER
7.Sorry Not Sorry
8.Bed
9.HERO
10.僕のままで
11.What You Want
12.Don?t Lie
13.悲しまない
14.眠らない街
15.SPEECHLESS
16.YELLOW
17.Great Yard
18.ICBU
19.Answer
20.Get Loud
21.空
22.Colorless

EN1.リセット

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