Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

フォードvsフェラーリ

20/1/6(月)

(C)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

コンプライアンスを考え、パワハラによる自己防衛を覚えてしまった、現代社会の人々に観てもらいたい、マンパワーとパートナーの意味を問う傑作でした。 カーレースにかける男のロマンというより、人の才能をどうやって活かし、自分の心に向き合うことから得る“清さ”に焦点を当てたストーリーなので、実は万人ウケするエンタテインメントなのです。 実話であるこの作品の面白いところは、会社同士から見たら“フォードvsフェラーリ”なのに、個人の視点で捉えると“フォード会社vsフォード社員”であり、カーブランドのトップを目指す大きな力と闘うことになった、見栄えよりも才能にかけたふたりの物語という点。 「純粋過ぎるから扱いづらい」と重役に警告されたスピードの天才を見出したマット・デイモンの奮闘は、生身の人間らしく、権力と信念の間で揺れ、車を愛し、車の才能を活かす事だけは天才的なクリスチャン・ベイルのクレイジーぶりに夢中になるのは、才能ある役者ふたりの力以外の何者でもなくてね。 けれど、このふたりの考えはそれで正しいのか? 社会の渦の中で生きて行くうえで、守るべきものは何なのか? そんなところまでこの映画は連れて行ってくれるのですよ。 父親の背中を見て男の子は育つということ。破天荒な夫を持った妻の対応。何より、お互いの才能を信じるアウトローふたりの関係性の構築まで、詳細に描かれた脚本にも脱帽! もちろん、レーシングカーに乗っている感覚を覚えるカメラワークとエンジンの音、臨場感を存分に活かすサウンド構築をしたマルコ・ベルトラミとバック・サンダースの力も大きな役割を果たしています。 さすがサスペンスフルな映像の魔術師、ジェームズ・マンゴールド。人の内面をスクリーンに映し出すのが得意ですよ!

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む