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THE ORAL CIGARETTES、展示とトークで最新アルバムの世界観伝えたCLUB CITTA'公演

ナタリー

THE ORAL CIGARETTES(撮影:ハタサトシ)

THE ORAL CIGARETTESが5月24日に、イベントツアー「TALK & MUSEUM TOUR」の神奈川・CLUB CITTA'公演を行った。

4thアルバム「Kisses and Kills」リリースの際、アルバムの世界観を形にした展示会「Kisses and Kills Concept Bar」を東京で行ったオーラル。彼らは新型コロナウイルス感染拡大の影響で思うようにライブ活動ができない状況の中、地方のファンのもとへ足を運びたいという思いから「TALK & MUSEUM TOUR」を企画した。本公演では5thアルバム「SUCK MY WORLD」の世界観を伝えるべく、展示とメンバーによるトークが行われた。なお以下のテキストにはツアーのネタバレが含まれているので、明日5月28日以降の公演へ参加予定の方はご注意を。

ステージには5thアルバムの発売に先駆けてリリースされた配信シングル7作のジャケットイラストや、「SUCK MY WORLD」のテーマのもとになった「Beautiful World」と題された絵、「Tonight the silence kills me with your fire」のミュージックビデオで山中拓也(Vo, G)が着用していたライダースを羽織ったモニュメントを展示。観客は開演前からアルバムの世界観を堪能していた。

開演時刻を迎え、オーラルは「The Given」をBGMに登場。山中は来場者に向かって「今日はユルくやっていきます。途中でみんなに参加してもらう企画もございますので、肩の力を抜いて、よろしくお願いいたします」とリラックスした様子で挨拶。続けて昨年2月にスタートしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて途中で中止になった対バンツアー「COUPLING TOUR『Tonight the silence kills me with your fire』」について触れる。「何回もリスケを試みたんですけども、状況が一向によくならず。川崎もそうですけど、ひさしぶりに行く場所が多かったので、皆さまに会いにだけでも行けないかなという思いで、今回こういう形でやらせていただくことになりました」とこのツアーを開催することになった経緯を説明した。

さらに山中は「『SUCK MY WORLD』の世界観を耳からだけじゃなくて、視覚的にも楽しんでいただきたいなと。『Kisses and Kills』では未来の話をして、ライブでは人工知能を使って、『便利な世の中だけど自分の大事なものを失っていませんか?』というメッセージを伝えさせていただきました。そして『SUCK MY WORLD』からは原点に立ち返っていこうということで。人間や音楽がどういうふうに生まれたのかとか、そういうところにフォーカスを当てて作品を作りました。その象徴が展示しているジャケットということでございます」と展示物や作品について語った。

続く中西雅哉(Dr)による グッズ紹介コーナー“まさやんショッピング”では、中西がメンバーからツッコミを受けつつコミカルなセールストークで観客の笑いを誘った。また冒頭で山中がアナウンスした通り、本公演ではファン参加型の企画も用意された。オーラルの楽曲を逆再生し、その曲名を当てるクイズコーナーでは、鈴木重伸(G)がメンバーと観客に3問を出題。正解がわかった観客は手を挙げ、その中から指名された1人が答えて、メンバーはフリップに回答を書き込む。最初の問題の答えは「What you want」で、回答者の女性は見事正解するも、メンバーは全員不正解という結果に。2問目の音源が流れると、中西は「ドラムなんでリズムでわかりました」と自信ありげな表情。正解は「STARGET」で、中西はこの曲名を書いたフリップをうれしそうに掲げた。最後は逆再生なうえにキーも変更された難易度の高い音源が流れるも、ファンの男性は「通り過ぎた季節の空で」と見事に正解を言い当てる。不正解だった山中、あきらかにあきら(B, Cho)、中西は「えーー!?」と叫んで驚き、出題者の鈴木も「わかるはずがないと思って作ったんですけどね。いやあ素晴らしい」と目を見開いた。

終盤には観客からオーラルへの質問コーナーが行われ、メンバーは将来に悩む学生やバンドを始めたいと思っている男性の質問に答えつつ、エールとアドバイスを送った。場内が和やかなムードに満ちたところで、メンバー1人ひとりがこのツアーについてじっくりと語る。中西は「ライブではない形で全国を回らせてもらうのは、未知数だし勇気がいりました。こうして踏み切れたのは普段から皆さんが僕らが発信するものにすごく敏感に反応してくれるからで。今回のツアーが新しい自信につながりましたし、音楽以外のこともいろいろ発信していきたいなと思いました」とコメント。あきらは「去年はツアーが中止になって家でだらだらしているような日々を過ごしていたんです。ひさしぶりにこうして各地を回ると、ライブハウスやツアーが好きだなと改めて思いましたし、お客さんと対面できることのありがたさや面白さを感じました」と振り返った。

鈴木は「開演前、お客さんが展示している空間に入り込んでる感じがして、改めて自慢になるようなツアーをしているんだなと実感しました。このツアーで皆さんとの絆を再確認することができて、この先もポジティブに進める気がしています」としみじみとした表情を浮かべる。最後に山中が「今日は本当に来ていただいてありがとうございました。僕らはこのコロナ禍、ずっと不安なんですよね。みんなの顔を直で見られへんしさ。いくら家で曲を作っても直のリアクションが見れへん。ミュージシャンは今、そういう環境に置かれていて。すごく不安になる瞬間もあったんですけど、みんながオーラルのためにこうして足を運んでくれて、それだけで安心感やパワーをもらえました。本当に感謝しかないです。僕は皆さんのことをカッコいいファンやなと思いますし、宝物やと思っています。ここから先は、ロックシーンがカッコいいもんなんやでっていうのを見せつけられるように、仲間とともにもう1回シーンを作り直したいなと思っています。また必ずライブでお会いしましょう」と本公演を締めくくった。

ツアー「TALK & MUSEUM TOUR」はファイナルの6月11日まで公演が続く。

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