テッド・バンディ
19/12/17(火)
(C)2018 Wicked Nevada,LLC
世界的に有名なシリアルキラーの実話を、ホラーやサイコスリラーではなく、心理サスペンスとして映画化したことが新鮮で面白い!
30人以上の女性を殺害したと言われる連続殺人鬼テッド・バンディは、大々的なニュースにもなり、裁判の様子も映像として残っているし、本も出版されているほど有名でありますが、歴史上のシリアルキラーの中で、何より興味深いのは、その巧妙な手口と、ニュースになった時点から、女性ファンが増えていったことなんです。なぜ、多くの女性が彼の虜になるのか? なぜ、彼女たちは殺人犯であっても夢中になるのか?
その謎を解き明かすかのような映画であり、そこにはザック・エフロンというアイドルのような顔立ちの俳優の力も必要で、さらに長年、バンディをリサーチしてきて、Netflixでドキュメンタリーも手がけたジョー・バーリンジャー監督の手腕があっての成果なのです。
吸い込まれるような瞳は、狩りで獲物を見つけたときの狼のようであり、白い歯は獣そのもの。
面白いのは、ザック・エフロン演じるテッド・バンディ自身が、自分は無実であると信じ込んでいるようにも見え、観客さえも「もしかしたら無実なのかも?」と思ってしまいそうな誠実ささえ感じてしまうところ。
犯罪心理を学んだ際に、教材として取り上げられたテッド・バンディという連続殺人鬼。高い知能指数、恵まれたルックスを手にしているのに、なぜ、犯罪を犯し続けたのか?
性欲からの犯罪では片づけられない、底知れぬ闇を持つ支配欲に囚われた人間。そんな彼を愛したリリー・コリンズ演じる恋人などの視点からテッド・バンディを見ていると、人間の闇に吸い込まれそうな気分にさえなっていくのです。
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