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「犬王」湯浅政明、アヴちゃんと森山未來を称賛「膨らませて提示してくれた」

ナタリー

湯浅政明

長編アニメーション「犬王」が第46回トロント国際映画祭で現地時間9月11日に上映され、監督を務めた湯浅政明がインタビューに応じた。

古川日出男の小説「平家物語 犬王の巻」をもとにした本作は、南北朝から室町期に活躍した実在の能楽師・犬王と、そのバディとなった琵琶法師・友魚(ともな)の友情を描くミュージカル。キャラクター原案を松本大洋、脚本を野木亜紀子、音楽を大友良英が手がけた。犬王にアヴちゃん(女王蜂)、友魚に森山未來が声を当てたほか、柄本佑、津田健次郎、松重豊らも参加する。

同映画祭のスペシャル・プレゼンテーション部門に正式出品された本作。オンラインインタビューに参加した湯浅は「映画はいつも現代を描いたほうがいいと思っています。もし別の時代を描くなら今の時代につながるものがあって、その時代である理由が必要だと思っていて。時代や境遇に負けず自分の生き方を貫き通す犬王の姿勢は、現代の『共感を得る行動をしなければならない』というプレッシャーを感じている人に勇気を与えるのではないかと思いました」と述懐する。さらに「『琵琶』による語りや、『申楽能』におけるシテ芝居というのも、もともと『埋もれた人たちの話を語る』ことを主軸としている文化ですから、すべてがつながる感じがしました」と語った。

アヴちゃんと森山の起用は、プロデューサーからの提案だったという。湯浅は「犬王は大友良英さんが作曲した曲があり歌うのが決まっていて、観客を鼓舞しながら乗せていく舞台パフォーマンスも想定していました。必要な内容のセリフを組み込みながら、できれば今どきな感覚を入れた歌詞を作ってもらうことが必要になってきて、もうアヴちゃんしかないと思い、お願いしました」と経緯を説明した。

また「森山未來さんはもともとダンサーなので、犬王じゃないかなっていう案もあったんです。ただ彼の演技力も魅力でしたから、友魚をお願いしました。琵琶も薩摩琵琶演奏家の後藤幸浩さんと練習していて、かなりうまいところまでいってましたね。ライブシーンでは歌い方もいろいろ工夫しながら作ってもらえましたし、とてもよかったです」とコメント。「2人とも本当に積極的でやる気がみなぎってましたね。こちらが望んだものを膨らませて提示してくれたと思っています」とたたえた。

「犬王」は2022年初夏に全国公開。

(c)2021 “INU-OH” Film Partners

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