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KREVAが語る、2020年コロナ禍での活動と新曲で伝えたいこと 「いろんなものが結実してる感じがある」

リアルサウンド

20/12/2(水) 18:00

 初のオンライン開催となった『908 FESTIVAL ONLINE 2020』や、数々のコラボレーションなど、精力的な活動を繰り広げてきた2020年のKREVA。12月23日にリリースされるニューシングル『Fall in Love Again feat. 三浦大知』は、「困難な時代を乗り越えて、また一緒に集まろう」という思いをラブソングの形で表現した楽曲だ。

 今年にはPUNPEE「夢追人 feat. KREVA」、ZORN「One Mic feat. KREVA」、tofubeats「RUN REMIX (feat.KREVA & VaVa)」とフィーチャリングで参加した楽曲も評価を集め、先日に配信リリースされた「タンポポ feat. ZORN」も大きな反響を巻き起こしている。

 外出自粛期間の4月にスタートした自身のチャンネルでのYouTube Liveではビートメイキングやリリックの解説などこれまで『完全1人ツアー』などライブの場で展開してきたエデュテイメント的な内容も展開。持ち前の行動力と発想力で、コロナ禍でありながら充実の一年となった2020年について、語ってもらった。(柴那典)

どうやってみんなに楽しんでもらうか 

ーーKREVAさんにとっての2020年を振り返って聞いていければと思います。シンプルに、ここ最近は非常にコラボが充実していて、いい曲がどんどん出てきていると思うんです。

KREVA:そうですね。ありがとうございます。

ーーまず三浦大知さんとの「Fall in Love Again feat. 三浦大知」についてですが、これはコロナ禍の状況になって作った曲なんですよね。最初のきっかけはどういうところにあったんでしょうか?

KREVA 「Fall in Love Again feat. 三浦大知」MUSIC VIDEO

KREVA:今年の初めくらいにコロナ感染症の状況がどんどん悪くなってきた時に、自分もホールツアーを予定していて、大ちゃん(三浦大知)もホールツアー(『DAICHI MIURA LIVE TOUR 2019-2020 COLORLESS』)をやっていて。「この先どうする?」みたいな連絡を取り合っていたんです。

ーー本来なら2月27日から『KREVA CONCERT TOUR 2019-2020「敵がいない国」』のホールツアーが開催される予定でしたが、全公演無期限延期、29日のLINE CUBE SHIBUYAでは、アルバム「AFTERMIXTAPE」の全曲生演奏を無観客ライブという形で生配信されました。

KREVA:ホールツアーの初日のゲネプロで、衣装も全部着てセットも組んでリハーサルをしてる時に大規模イベントの自粛要請があって。その時点で俺の中では「このツアーはちょっとできないな」と思って、無しにしようと決めたんです。大ちゃんとも「この状況で誰かに何かがあったら良くないから、自分もその考えで間違いないと思います」みたいなやり取りをしていて。「今までやったことないけど、ネットでグッズを売ってみてもいいのかな、みたいな話を社長にしたよ」とか具体的な対応の話も含めて、いろんな話をしてたんです。で、4月にツアーの無期限延期を発表したくらいの時に、大ちゃんが「新曲の制作やインスタライブなど是非一緒に何かやりたいです!」って言ってくれたんです。俺もすぐに「曲も作りたいし、インスタライブもやろう」って言って。その次の週には一緒にインスタライブをやって。自分もそれに影響を受けてYouTube Liveを始めてみたりして。そういう時期に家にいたから曲も作っていたんで、それを大ちゃんに送って。そこから時間をかけながら、この曲ができていったっていう感じですかね。

ーー発表したのは『908 FESTIVAL』でしたけど、本当にコロナ禍の外出自粛期間のリアルなドキュメントとして作っていたんですね。

KREVA:そうです。もちろん大ちゃんとはいつだって曲を作りたいと思うけど、今回は自然とそういう感じになりましたね。

ーー三浦大知さんとKREVAさんはずっと近しい関係だと思うんですが、ミュージシャンだけでなく全ての人が大きな影響を受けた緊急事態宣言の時期に、特に親密に連絡をとりあっていたというのはどういう理由でしたか。

KREVA:やっぱり同じような状況にいたのは大きいですね。普段から連絡を取り合ってたのはもちろんありますけど、お互いホールツアーの予定があったし、その時は我々だけじゃなくて、世の中的にも、みんなライブをやるのかやらないのか、様子を伺ってるような状況があったと思うんですよ。その中で大ちゃんとは、表に立つ人同士としてどうするべきかというやり取りをしていたので。

ーー三浦大知さんのスタンスや行動にはどんな刺激を受けましたか?

KREVA:すぐ誘ってくれたんです。俺も「ライブが何本なくなった」とか「この仕事がなくなった」とかではなく、「どうやってみんなに楽しんでもらおうかな」ってすぐに頭が切り替わっていたので、そんな中でインスタライブに誘ってもらって、一緒にやったら結構喜んでもらえたんですよね。家から生で喋ってるっていうのが。そこから「じゃあ自分は何をしようか」となった時に、「YouTube Liveかな」と思って。

ーー4月にYouTube LIVEを始めたんですよね。僕も初期から見ていましたが、最初はiPhoneでやってたのが、ビデオミキサーを導入したりどんどん機材が充実していって、ビートメイキングの様子を見せるようなしっかりした内容になっていった。あのあたりは非常にKREVAさんらしいポイントだなと思ってました。

KREVA:それこそ動画の編集とかを始めたのも今年からだから、まだ1年もやってないんです。だいぶスキルアップはしてるんじゃないかっていう気がします。

ーー基本的に、アーティストのYouTubeチャンネルって、ミュージックビデオがただ載っているだけのものも多いと思うんです。チャンネルの運用をマネジメントやレコード会社に任せてる人もほとんどでしょうし。そんな中でKREVAさんがある種のユーチューバー的なやり方で動画をあげてファンの人とコミュニケートすることを選んだ理由と、そこから見えてきたことってあるんじゃないかと思うんですが。そのあたりはどうでしょう?

KREVA:まず何でYouTube Liveをやったかと言うと、Twitterは情報拡散ツールとしては有効だけど、雰囲気や空気感を考えるとコミュニケーションする場所じゃないなと思って。で、Instagramは本当に自分のコアなファンだけが見てる平和な世界という感じだった。だからインスタライブをやるよりも、むしろまだ踏み込んだことなかったYouTubeでやってみよう、と。チャンネル自体は十何年前からあったけど登録者数は伸びてなかったし、それを伸ばすには自分が入ってやっていったらいいんじゃないかと思って。

ーーなるほど。やってみてどうでした?

KREVA:やってみて思ったことで言うと、「本当にみんな、いろんなことがわかってないんだな」っていうのは感じましたね。曲の作り方とか、自分がこだわってる部分だったり、そういうことどんどん伝えていくのは大事だなと思いました。自分で言うのも変ですけれど、そういうところがわかってもらえないと、自分の良さもうまく伝わらないんじゃないかなと思った。だから、以前はライブでしかやってなかったけど、ビートメイクも見せた方がいいなと思ったし、最近だったらラップの解説をして「これだけ韻を踏んでるんだよ」っていうのを伝えることもやってますね。

ーーたしかに、こういう形でミュージシャンがYouTubeでビートメイキングとかライミングを解説することはあまりなかったですよね。

KREVA:柴くんを前にして言うのもあれだけど、どの媒体の方でも、日本語ラップのライミングに関しての正しい評論、ライミングの評価をできる人ってほぼいないと思うんです。なぜならそのシステムがあまりにも共有されてないから。「これくらいのレベルでやってるんだよ」とか「これがいいんだよ」っていうのをやってないからわからないと思うし。例えばビートが格好いい、格好悪いっていうのも、どこがいいのか、何を選んで何を選ばないのかとか、ちゃんと見せていかないと伝わっていかない。それはどんどんやっていきたいことだと思ったし、それをやるには良い場所なのかなとは思いました。

ーー前には『完全1人ツアー』のような場所でそういうことをやっていましたよね。でも、その場でお客さんを盛り上げてエンターテインメントにしないといけないステージ上と違って、YouTubeだともっとリラックスして解説に徹することができる。そういうメリットもあるんじゃないかなと思いました。

KREVA:そうですね。まさに。コロナ禍の影響で、YouTubeの世界にお笑い界の方とかがいっぱい入ってきて。 そうすると何が際立つかって、話の上手さが圧倒的じゃないですか。そういうことで言うと、少なくともビートを作ってる人間の中では、俺はぶっちぎりで話がうまいと思うんですよ。人前でもやってるくらいだから。そこは強みなのかなと思ってます。

ーー4月にはそうやって新しい形の発信を始めたし、6月にはThumvaというプラットフォームのこけら落としとして有料オンラインライブ『①(マルイチ)』を行った。おそらく、この状況の中で一度動きを止めたアーティストも多かったと思うんです。でも、KREVAさんは逆にアクセルを踏んだような印象があります。

KREVA:プラス、本当に偶然ですけど、あれだけ客演に声をかけてもらったというのもデカいですね。イケてる人から声がかかって、全部ミュージックビデオがちゃんとあって、全部きっちりと評価された。この状況で勢いに拍車がかかったように見えた。PUNPEEもZORNも「俺と一緒にやってヒップホップドリームが叶った」みたいに言ってくれるんですけど、俺からすると、音楽始めて25年、ソロデビューして16年で、こういう状況になれるわけですから。それはもう、逆に俺にとってもヒップホップドリームだなと思ってますね。

自分の生活範囲の中からヤバいやつが出てきた感じを初めて味わった 

ーーPUNPEEの「夢追人 feat. KREVA」、ZORNの「One Mic feat. KREVA」、tofubeatsの「RUN REMIX (feat.KREVA & VaVa)」とドンピシャのコラボが相次いだわけですが、タイミングも含めて狙っていたわけではないんですよね? なので一つ一つの曲について聞いていきたいんですけれど、最初に声がかかったのは?

KREVA:最初に話があったのは、ZORNですね。去年だったかな。

ーーZORNさんからのオファーを受けての第一印象は?

KREVA:今一番イケてる、勢いのあるラッパーだし、韻を踏むというスキルでのし上がってきた人からオファーが来るというのは、だいぶ嬉しかったですね。

ーーZORNさんはAKLOさんとツアーも一緒にやってるわけですし、わりと近いとこにいた感じだったんでしょうか?

KREVA:いや全然。名前だけ知ってたけど、全く聴いたことなくて。だけど、AKLOとやってるヤバいのがいるなと思い出したんですよ。で、チェックしてたらミュージックビデオに新小岩が出てきて。本当にあんなにザワっとしたことないくらい、自分の生活範囲の中からヤバいやつが出てきた感じを初めて味わった。

ZORN / Don’t Look Back 【Official Music Video】

 本当に隣町なんです。区は自分が育った江戸川区と違うんだけど、葛西にいて、その後に引っ越したところが松江ってところだったんで、新小岩は自転車で10分くらいのところで。そこからあれだけのやつが出てきたってことが衝撃で。例えばニューヨークのラッパーが地元同士でつるんだりすることってよくあるんだけど、その感覚がちょっとわかった。土地の空気感が一気にふわっと蘇ってきて、衝撃だったのを覚えてますね。

ーーZORNさんの韻を踏むスキルというのはどういうところに表れているんでしょう?

KREVA:まずは絶対量が多い。俺は“密度”って呼んでるけど、今までは4拍目のところでだけ韻を踏んでたところが、2拍目も踏んでるし、なんなら1拍目と3拍目の部分でも踏んでる。そういう圧倒的な量の押韻が詰まってるラップというのが一つ。もうひとつは、彼は“飛距離”って言ってるけど、たとえばストリートの話と家族との生活っていうところをガシャッと組み合わせるんですよ。歌詞にも、たとえば少年院に入ってたりしてたときの話に、急にアカチャンホンポとかアンパンマンとか、そういう子供がいる生活をしてたら絶対誰もが通る、生活感のあるワードでパンチラインを持ってくる。それは発明級ですね。

ーーそれで「One Mic feat. KREVA」を一緒に作った。

KREVA:いや、コロナ感染症の影響とかいろいろあって、最初に曲を作ったのはまずPUNPEEの方だったかな。

PUNPEE – 夢追人 feat. KREVA

ーーPUNPEEさんとの「夢追人 feat. KREVA」はどういうきっかけで、どんな風に声がかかって始まった話なんでしょう?

KREVA:たしか今年の2月くらいに話が来て。ZORNもPUNPEEも、誰かの伝手とかじゃなくて正式ルートでオファーを受けました。で、俺も昔からPUNPEEと一緒にやりたいなと思ってたので、断る選択肢は全然なかったですね。

ーー曲のモチーフはPUNPEEさん側から提示されて作っていった感じですか?

KREVA:そうです。事務所でミーティングみたいなことをやって、その時にいろんな話をしたんですけど、その中で話してたことがあの歌詞とかスタンスに全部入ってる感じですね。NulbarichのJQと「One feat. JQ from Nulbarich」を一緒に作った時にJQも同じこと言ってたんですけど、曲の中でストレートに、いわゆる強い格好いいラップをしてほしいっていうことは言われました。

ーー曲のテーマもあり、こういうラップをしてほしいというオファーもあるというのは、KREVAさんにとっても言うべきことの照準が定まる感覚があったんじゃないかと思います。

KREVA:まさにそうですね。いつも舞台を作るところから始めなきゃいけないし、そこの舞台で何を言うかっていうことをずっと考えてるから。あの曲はPUNPEEに舞台も与えてもらって、役柄も与えてもらってる感じだから、ラップを書くのはあっという間でしたね。

ーーミュージックビデオや発表のやり方も含めて、あの曲の反響はどうでした?

KREVA:素晴らしかったですね。PUNPEEとやり取りのメールを見返してみたんですけど、曲が出来上がる前の結構早い段階から、あの発表のやり方を考えてたみたいなんです。最初は俺がフィーチャリングしてるのを伏せて、MVを発表して、曲を聴いてたらそこに俺がいきなり出てくる。その後に「feat. KREVA」っていうクレジットを追加で表示したいというのを言ってました。PUNPEE全体に言えることですけど、ストーリーとか、アルバムのコンセプトとか、大きな枠から作るのが上手いですね。そういう想像力もすごく面白い。

ーーこれは楽曲の制作もコロナ禍の自粛期間の真っ只中だったんでしょうか?

KREVA:そうですね。だから、基本的にはメールでやり取りをして作っていった感じです。一度だけPUNPEEが素材を録るためにうちのスタジオに来て、結局4時間くらいヒップホップの話をしてたみたいなこともあったけど。MVの撮影も平塚のスタジアムで撮らせてもらって、コロナ禍だったから芝がすごく綺麗な状態でやらせてもらえましたね。

ーーZORNさんとの「One Mic feat. KREVA」はどんな風に作っていったんでしょうか?

KREVA:そもそも、今回のZORNの『新小岩』ってアルバムは全部AKLOのスタジオで録ってるんです。だからミーティングはうちのスタジオでやって、歌詞を書いて送って、ZORNが全部直して、だから俺も全部ほぼ全部直して、3番を書きにAKLOのスタジオに行った。そこで一緒に作っていった感じでしたね。

ZORN / One Mic feat. KREVA 【Official Music Video】

ーー「One Mic」は地元で撮影したMVも含めて二人の関係性がストレートに表れているし、ZORNさんとやることでKREVAさんのクリエイティブも触発されたんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。

KREVA:3番を一緒に作ったときに、同じ熱量で同じスキルの話ができるんだなってことがお互いにわかりました。ZORNも今までこんな風に作ったことないって言って、ものすごく興奮してたし、「タンポポ」は、よりうまくいくだろうなっていうのは確信してました。

ーーなるほど。ということは、そこから続けて「タンポポ」に取り掛かった。

KREVA:いや、「タンポポ」は後ですね。「One Mic」を出す前にtofubeatsの「RUN REMIX (feat.KREVA & VaVa)」の話があって。

tofubeats – RUN REMIX (feat.KREVA & VaVa)

ーーtofubeatsさんとは「Too Many Girls feat. KREVA」以来ですね。

KREVA:そうそう。「またお話が来ました」みたいな話になって。「また来たか!でもこれはやろう」ってことになって。それで「RUN」を録って、「Fall in Love Again」をレコーディングした。ZORNと「タンポポ」を作ったのは『908 FESTIVAL』の前々日くらいだったかな。

フィーチャリング3連作でもらった力を全部「Fall in Love Again」につぎ込む 

ーー「Fall in Love Again feat. 三浦大知」はどういう風に作っていったんでしょう?

KREVA:さっき話したように一緒に曲を作ろうって話はずっとあって、5月くらいにトラックを渡して。歌詞を書いたのが7月くらいですかね。

ーー『908 FESTIVAL』の三浦大知さんとのトークでも、コロナ禍のドキュメントをモチーフにした曲だけれど、それをラブソングの形にしたという話をしてましたね。

KREVA:はい。2020年のこの状況だから生まれたっていうのは間違いないですが、「今をみんなで協力して乗り切ろう」みたいな歌詞じゃなくて、恋愛に喩えればこれからもずっと歌い続けられるかな、と。でも、その歌詞の中に距離感の話だったりが入ってることで「2020年は大変だったよね」って思い出す曲になればいいなと思って。「またみんなで集まれる」ということを「Fall in Love Again」ってことにしようって俺から提案しました。

ーー三浦大知さんの反応と、共作はどんな感じに進んでたんですか?

KREVA:もちろん反論はなかったし、「いいですね」って感じでしたね。で、5つくらいトラックを送って、その中で自分がコロナ禍で作った中で一番気に入っているトラックを、大ちゃんも「これをやってみたい」と言ってくれて。それで作っていった感じです。これは後になって知ったんですけど、大ちゃんの新曲の「Antelope」を聴いて、ああやっぱり同じことを考えてたんだなって、今になって思いますね。

ーー「Fall in Love Again」は『908 FESTIVAL』で初披露されたわけですが、これを作ってる時は『908 FESTIVAL』に向けて、どんなプランを練っていたんでしょう?

KREVA:まず、やるかやらないかっていうこともわからない状況だったので、何も考えてなかったんですけど、大ちゃんだけはとりあえず何があっても9月8日のスケジュールを聞いてるんで(笑)。当時は無理だろうなって思っていたけれど、頭の片隅には「いつかライブでできたらいいな」っていう気持ちはありました。

ーー6月のオンラインライブ『①(マルイチ)』を経て、『908 FESTIVAL』はどう具体化していったんでしょうか?

KREVA:まず、オンラインの配信ライブをやってみたり、他の人の配信ライブを観た時に思ったのは、オンラインならではの強みがあるとしたら、いくらでも喋っていいところだなと思ったんです。話しているのをじっくり見せるのはいいんじゃないかなっていう。リアルなライブで15分もMCしてたら「座っていいですか?」みたいな微妙な空気になるけど、オンラインだったら曲の説明とか歌った感想をじっくり喋りながら進めていくこともできる。なので、テレビの音楽番組のトークが長いバージョンみたいなイメージはありました。最初は映像を撮影するためのスタジオからやれればいいかなと思ったけれど、事務所としては、ツアーが出来なくなったのもあるし、ずっと一緒にやってきたライブスタッフと大きいところでやりたいって言われて。そこでやるならどうしようかっていうところから考えていった感じですね。でも、その時にZORN、PUNPEE、tofubeats、三浦大知、JQ、MIYAVIという並びが思い浮かんで。今年は石川さゆりさんとのコラボもあったので、これ全部やったら面白くなるんじゃないかなっていう気はしました。

ーー結果として、7月から9月にフィーチャリングで参加した新曲が3カ月連続で出て、そのメンツが『908 FESTIVAL』で全員集まるという、仕込んだとしてもなかなかこうならない絶妙のタイミングになりましたね。

KREVA:最後にやった「Fall in Love Again」以外は、全部呼ばれてますからね。MIYAVIの「Rain Dance / MIYAVI vs KREVA vs 三浦大知」もそうだし、さゆりさんにも今年の2月に出たアルバムの「火事と喧嘩は江戸の華 feat. KREVA」で呼ばれているわけだし、ありえない感じですよね。みんなに本当に感謝してます。

ーー特にZORNと石川さゆりがラインナップに並ぶ距離感は、なかなかないと思います。

KREVA:『908 FESTIVAL』のTシャツに出演者の名前を出すんですけど、ZORNの下に石川さゆりって入れてほしいっていうのだけは、こだわりで押し通しました(笑)。一生並ぶことがないくらいの並びだし、作ろうと思って作れるものじゃないので。普通だったら、ただの突拍子のない並びになっちゃうじゃないですか。でも俺からすれば全部繋がりがあるので、そんなことができたっていう。本当にありがたいですね。

ーー「タンポポ」は『908 FESTIVAL』の直前に作ったとのことですが、これはどういう風に作っていったんでしょう?

KREVA 「タンポポ feat. ZORN」MUSIC VIDEO

KREVA:「One Mic」を作ろうって話になった時から、もともとお互い1曲ずつ作ろうって話になっていて。それで家で作ったトラックでいいのができたので、それを提案したっていう感じですかね。

ーー「タンポポ」のリリックについてはどうでしょう? フロウやライミングもかなり練り込まれたものだと思うんですが。

KREVA:まずPUNPEEとの「夢追人」、それからZORNとの「One Mic」、tofubeatsの「RUN REMIX」が出来て、この3つは自分的にも手応えがあったし、誰に聴かせてもとにかく評判が良かったんです。でも、これって貰った勢いだから、その熱量で自分のシングルに挑もうと思いました。客演で呼ばれた時くらいのつもりで、密度の濃い、スキルフルに熱いラップをやろうと思って「Fall in Love Again」の歌詞を書いたんですよね。こういう曲名で、三浦大知のフィーチャリングで、コロナ禍の歌で、ラブソングで、でもそこはスキルを見せる。しっかり韻を踏んで、フィーチャリング3連作でもらった力を全部ここにつぎ込むようなつもりで「Fall in Love Again」を作りました。それを経てZORNとまたやるってなったら、自分の中にも改めてどんな曲でもしっかりスキルフルに言いたいことを伝えられる自信があったし、ZORNも韻に関して自分が思っていたもう一個上のレベルにいた。フィーチャリングって競い合いになりそうなんですけど、ZORNは本当に一緒に作ってる感じがあるんですよ。KICK THE CAN CREWはサビをいつも3人で作ってるんですけど、その感じで全体を作ってるような、それくらい共有できる部分があった。もともとZORNから力をもらってたとこもあったんですけど、さらにパワーアップできた感じですかね。

ーー「タンポポ」は理想という言葉が一つのモチーフになってますよね。これはどういうところからなんでしょうか?

KREVA:コロナ禍で何でもかんでも我慢になって「うまいもんも食いてえ」って言うことすらためらうような空気があった時に「それは違うんじゃないかな」って思って。もちろん「関係ねえよ、みんなで集まって騒いじゃうぜ」とかじゃなくて、「ああしたい、こうしたい」っていうのをしっかり言っていくというのは、こんな状況だからこそ大事なんじゃないかなって。だから我々もステージに立つのを続けて行くんだと宣言するのをテーマにしようってZORNに話してた感じでした。

ーー先ほどに韻の密度という話もありましたけれど、ここまで韻の密度の高いリリックもなかなかないんじゃないかと思います。

KREVA:本当にそうですね。英語で踏んでるときくらい音が合っている。それを日本語で破綻なくやってる。ここまで成功してるラッパーは他にいないと思う。

ーー「タンポポ」はミュージックビデオが公開されて3週間で100万回再生という大きな反響を呼んでいますが、いろんな動きがちゃんと結実した結果という感じがあるんじゃないでしょうか。

KREVA:そうですね。もちろん曲の完成度をすごく高めたこと、曲が格好いいっていうことは何より大事な要因だと思うけど、それだけじゃなくて、発表のやり方とかも含めて、ここ一連の流れの勢いがそこにつながっているんじゃないかと思います。いろんなものが結実してる感じはありますね。

ーー最後に、KREVAさんは2020年という年をどんな風に振り返ってますか?

KREVA:全体的にスキルアップしたなって感じはすごくしています。曲を作るスキルもそうですし、映像の編集とか発信の仕方も含めて、デジタル面でスキルアップしたなっていう感じがします。あと、すごく印象的だったのは「Fall in Love Again」で大ちゃんが最後のサビで〈あの日にはもどらないよ〉っていう歌詞を書いてきたこと。2020年に「戻れない」じゃなくて「戻らない」って三浦大知が歌うんだっていうのがすごく嬉しかったのを覚えてますね。強くなったなっていう。最初に一緒に「Your Love feat. KREVA」を作って、そこから10年か11年くらい毎年ずっと歌ってきて、今振り返ると当時の三浦大知は少年みたいだった。でも、今じゃ天皇陛下の前で歌うようになって、「あの日にはもどらない」と高らかに宣言する。そこにグッときた感じです。だから、俺も今年にスキルアップしたし、振り返ってあの時どうこうじゃなくて、どんどんこのままスキル伸ばしていって、この先で「Fall in Love Again」できる時に爆発させたいなっていう気持ちはあります。

■リリース情報
『Fall in Love Again feat. 三浦大知』
発売:2020年12月23日(水)
※完全生産限定盤A/Bの2形態で発売。
予約はこちら
【完全生産限定盤A】
CD+DVD / スペシャルブック仕様
¥5,908(税抜)
【完全生産限定盤B】
CD / スペシャルブック仕様
¥1,908(税抜)
<収録内容>
-CD-
1. Fall in Love Again feat. 三浦大知
2. タンポポ feat. ZORN
3. Fall in Love Again feat. 三浦大知 (Inst.)
4. タンポポ feat. ZORN (Inst.)
-DVD- ※完全生産限定盤Aのみに付属
1. KREVA Streaming Live
「① (マルイチ)」 at Billboard Live TOKYO 2020.6.24
(01. パーティーはIZUKO? ~2019 Ver.~ 
02. 国民的行事 
03. 王者の休日 ~2019 Ver.~
04. 人生 
05. 基準 ~2019 Ver. 
06. ストロングスタイル ~2019 Ver.~ 
07. One feat. SONOMI
08. スタート ~2019 Ver.~ 
09. アグレッシ部 ~2019 Ver.~ 
10. 瞬間speechless
11. かも ~2019 Ver.~ 
12. EGAO 
13. もしかしない 
14. トランキライザー ~2019 Ver.~ 
15. 素敵な時を重ねましょう feat. SONOMI 
16. 涙止まれよ feat. SONOMI 
17. ひとりじゃないのよ feat. SONOMI 
18. 音色 ~2019 Ver.~)

2. Fall in Love Again feat. 三浦大知 (Music Video)
3. タンポポ feat. ZORN (Music Video)
4. Fall in Love Again feat. 三浦大知 (Making)
5. タンポポ feat. ZORN (Making)

配信情報
KREVA     
「タンポポ feat. ZORN」
※ストリーミングサービスおよび主要ダウンロードサービスにて配信中

「Fall in Love Again feat. 三浦大知」
※ストリーミングサービスおよび主要ダウンロードサービスにて配信中

「Fall in Love Again feat. 三浦大知」スペシャルサイト
KREVA オフィシャルサイト

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