Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

BTS、SEVENTEEN、赤頬思春期、Busker Busker……K-POPで描かれる“春”の情景

リアルサウンド

20/4/6(月) 6:00

 4月、新生活を迎えたこの時期によく聞かれる歌といえば、桜ソング。日本では新年度といえば春、春といえば桜、というイメージだ。今年はお花見に行くのは難しいので、代わりに家で音楽を聴きながらゆったりと春の雰囲気を感じてみるのもおすすめ。この時期の韓国ではどんな曲が聴かれているのか、今回は春にぴったりなK-POPの曲を紹介してみたいと思う。

(関連:Busker Buskerが一つのきっかけに 韓国路上ライブ=バスキン、歴史と流行ジャンルの変遷

 まずは韓国で知らない人はいないというほど人気の、Busker Buskerの「벗꽃 엔딩(Cherry Blossom Ending/桜エンディング)」。Busker Buskerはオーディション番組で人気を獲得した、韓国人2人とアメリカ人1人で構成されたバンドだ。「벗꽃 엔딩(Cherry Blossom Ending/桜エンディング)」はそんな彼らが番組終了後の2012年に発表したデビューアルバムに収録した、初々しくて爽やかなラブソング。注目を集めていた彼らの期待を裏切らないキャッチーな曲は、瞬く間に人気となって今でも春の定番ソングだ。春の風に吹かれて舞い散る桜と、やわらかい陽射しの中で幸せそうな恋人たちの様子が思い浮かぶような、あたたかい気分になる曲に仕上がっている。

 ”봄바람 휘날리며 흩날리는 벚꽃 잎이 울려 퍼질 이 거리를 둘이 걸어요”
 (春風がたなびかせて 舞い散る桜の花びらが 響き渡るこの街を 2人で歩こう)

 次は2019年の春にヒットした、赤頬思春期(BOL4)の「나만, 봄(Bom/わたしだけの春)」。赤頬思春期は、昨年『SUMMER SONIC』にも登場した実力派の二人組だ(4月2日にウ・ジユンが脱退し、アン・ジヨンの1人体制になることが発表)。可愛らしいビジュアルに対しのびのびとパワフルな2人の声と爽やかなギターの音色が魅力的で、2019年の日本デビュー以降は国内でも注目を集めている。今回紹介するのは、ぽかぽかして穏やかだが、ときどきちょっぴり強めの春風がスパイスになる、まさに春のようなまっすぐな恋心を歌い上げた1曲。春の景色によく似合う彼女たちの歌声の輝かしさがさらに感じられる。春の象徴である桜にすら〈벚꽃도 뭐고 다 필요 없어(桜もなにも必要ないの)〉と思ってしまうほど〈나는 네 곁에 있고 싶어(あなたのそばにいたい)〉と思う気持ち。春歌ながら桜が主人公になれないところも魅力的だ。

 日本で春歌といえば、卒業ソングなど出会いや別れを描いた歌詞が定番。ちょっと切なくて新しいところに向かっていくような曲がメインだ。一方で、今回“桜”が歌詞に出てくるラブソングを紹介したように、韓国の春歌は爽やかで明るい曲が多い。それは韓国の卒業シーズンは2月、そして入学シーズンは3月だからだろう。桜が咲く時期には新しい出会いを迎えているため、春の暖かな雰囲気を感じられる曲が多くなっている。韓国の冬は非常に寒いこともあり、それを越えて迎えるぽかぽかした陽気はその分幸せなイメージを感じられるのかもしれない。

 そんな冬の寒さと春の暖かさが対比されて描かれているのがBTSの「봄날(Spring Day)」。タイトルこそ春にぴったりに感じるこの曲だが、MVが公開されたのは2017年の2月。まさにまだ冬の寒さが残っている中で春を待っている時期だ。

 この曲では、深い悲しみの中で心が晴れる日を待つ切なさと、暗くて寒い冬から春の晴れた日に向かうまでを重ねて表現している。誰かを思えば思うほど辛く感じる会えない日々、春を待つ気持ちが強くなるほど長く感じる冬。切なくもどこか希望を感じるメロディは、冬に聴いても春に聴いてもしっくりくる不思議な曲だ。日本語バージョンもリリースされている。

 最後に紹介するのは、4月1日にリリースされた大人気グループ・SEVENTEENの日本オリジナル曲「舞い落ちる花びら (Fallin’ Flower)」だ。彼らの最新曲であるこの曲は、花の持つ儚さと凛として咲き誇る姿を、美しい歌声と力強いラップで見事に表している。これだけで彼らの魅力を堪能できるとも言える、完成された1曲だ。Billboard JAPANの3月末のCDシングル売上レポートでは前作を大きく上回って首位に立っており、名実ともに人気を証明されている。そんなSEVENTEENのこの曲は、新たな春の定番ソングになるかもしれない。また、タイトル通り美しく舞い落ちる花びら、そして花のように美しい彼らのダンスで構成された淡い色合いながらも見応えのあるミュージックビデオも必見。

 今回は、明るい曲からちょっぴり切ない曲まで春を感じられるK-POPソングを紹介した。「春といえば卒業」というわけではない韓国の曲は、歌詞に注目してみると心持ちが日本とは異なり、少し新鮮かもしれない。いくつかのタイトルや歌詞に入っていたように、韓国語で春は「봄(ポム)」。このワードだけですてきな春の曲をまだまだ発見できるので、春の雰囲気に浸りたい人は検索してみるのもおすすめだ。(フルヤトモコ)

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む