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BiSHは真の意味で“パンク”となったのか? 『アメトムチ』プロジェクトと新ALで見えた新たな一面

リアルサウンド

19/7/4(木) 7:01

 BiSHは“楽器を持たないパンクバンド”というキャッチコピーを掲げて活動しているが、彼女たちのどの辺りがパンクなのだろうか? アナーキーで、放送コードを無視する過激な歌詞を歌うから“パンク”なのだろうか? 全力でライブパフォーマンスをするから“パンク”なのだろうか?

BiSH / 遂に死 [OFFiCiAL ViDEO]

 おそらく一つの要素を指して、“パンク”と言っているのではない。複合的な要素が絡まるからBiSHのパンク/オルタナ性が浮かび上がる。平たく言えば、音楽ジャンルとしてのパンクと、精神性としてのパンク、両方を兼ね備えているからこそ、BiSHは“パンク”と言えるのだろう。

 ところで、バンドの場合、全てのバンドメンバーがアイデアを出しながら楽曲を作っていくが、その作業に入る前にその骨格を作る人物がいることが多い。Nirvanaならカート・コバーン、マキシマム ザ ホルモンならマキシマムザ亮君のように、楽曲の屋台骨を作る人が一人いるわけだ。そして、バンドの場合、それは“歌う人間”が担いがちだ。歌う人間が自らのメッセージを放つべきという価値観が支配的だし、自分が書いた言葉を全力で歌うからこそ、エモーショナルに表現できるという考えが根強い。パンク、ロックというジャンルであれば、なおのこと、そういう考えが色濃いのではないだろうか。

BiSH / STiCKS [全曲試聴MOViE]

 BiSHはメンバーが作詞を担当することが多い。7月3日にリリースされる最新アルバム『CARROTS and STiCKS』収録曲「CAN YOU??」はアイナ・ジ・エンド作詞、「FiNALLY」はセントチヒロ・チッチ作詞である。しかし、過激な歌詞で話題になった「NON TiE-UP」(2018年)は、松隈ケンタ・ JxSxKが作詞を手がけている。つまり、一般的なバンドとは違う形で、曲を作っているわけだ。

BiSH / NON TiE-UP[OFFICIAL VIDEO]

 注意してほしいのは、ここで、ボーカルが言葉を紡いでいない曲が幾つもあることを指摘して、BiSHの音楽性に懐疑の目を向けるつもりではないということだ。むしろ、逆だ。ここで言いたいのは、それを踏まえても、BiSHの音楽性が損なわれることはないということ。パンクバンドを自称する様々なバンドと比較しても、その“パンク性”は際立っているという事実なのだ。

 では、なぜそのように感じられるのか? ベースにあるのは、サウンドプロデューサーである松隈ケンタの妥協なきクリエイティブコンロールであろう。録音や音のミキシングにも相当なこだわりを持っており、先人のパンク/ロックバンドが持っている空気感を上手にパッケージ化している。アルバム『CARROTS and STiCKS』に収録されている「FREEZE DRY THE PASTS」は、耳が張り裂けそうな、ノイズに近い音が展開される。特にシンバルの音はかなり大きくミックスされており、破裂音に近い音がスピーカー越しに響きわたる。「優しいPAiN」はドラムのリズムがよれよれになっており、良い意味で音やリズムに秩序がない。現代音楽が抱え込みがちなデジタル感を排斥することで、オールドパンクやオルタナティヴロックの空気感をパッケージ化している。パンクの文脈を意識して音をデザインしているからこそ、BiSH独自の音楽性が創出される。

 また、BiSHは『#BiSHアメトムチ』プロジェクトとして、渋谷地下コンコースでのCD2000枚の無料配布、松隈ケンタと渡辺淳之介が歌うフェイクアルバム『BiSH CARROTS and STiCKS??』の299円リリースなどをゲリラ的に行っており、そのプロモーションも話題となった。インターネットやSNSのみではなく、リアルな現場を巧みに利用したゲリラ的なリリースで話題を掴んだバンドといえば、Hi-STANDARDが頭に浮かぶ。Hi-STANDARDは2016年10月に事前告知一切なしで、16年ぶりに音源をリリースした。偶然CDショップに足を運んだファンからは喜び混じりの驚きの声が上がり、後追いするかのようにSNS上でも話題になった。また、Hi-STANDARDのドキュメンタリー映画『SOUNDS LIKE SHIT The Story of Hi-STANDARD』を公開した際も、同映画の『読む・映画予告編:Hi-STA ZINE』という名の、1000冊以上のZINEを貼付・無料配布を実施した。

BiSH / 「#BiSHアメトムチ」特報映像

 根底にあるのは、バンドはライブハウスを軸に活動するべきという哲学。だからこそ、SNS発信だけではなく、リアルな現場からの発信を意識したプロモーションにこだわるのである。BiSHのプロモーションもこれに通じている。BiSHのプロモーションがバンド的だからこそ、プロモーションだけで見ても“パンクバンド”のイズムを感じるのかもしれない。

BiSH / CARROTS [全曲試聴MOViE]

 一般的なバンドシーン以外の人がBiSHの骨格に関わるクリエティブを担っているとしても、根っこにあるコンセプトが一貫しているので、BiSHの独自性が揺らぐことはないのだ。もちろん、BiSHの魅力は、決して“パンク”だけではない。アルバム『CARROTS and STiCKS』では、“パンク/オルタナティヴ”なBiSHと“ポップ”なBiSHの二つの側面を垣間見ることができる。元々、このアルバムは今年リリースされた『STiCKS』と『CARROTS』の2枚のEPを前提としており、『STiCKS』=パンク/オルタナティヴ、『CARROTS』=ポップの方向性があった。二つのタイプの作風を鮮やかにコントラスト化して配置してみせることで、BiSHの持つ“パンク性”は純朴なものとなる。そして、振り切ったものは、色濃くパンク/オルタナティヴとして表現されるのである。

 と、ここまでBiSHのパンク/独自性について長々と見てきたが、ここで話したことはあくまでも枝葉の話でしかない。ロックフェスでも存在感を示し、マキシマム ザ ホルモンや銀杏BOYZのような歴史あるロックバンドとの対バンでも、高い評価を受けているのは、常に「バンドの現場」に赴き、日々全力でライブを研鑽してきたからに他ならない。プロデューサーの渡辺淳之介氏は“楽器を持たないパンクバンド”というキャッチコピーについて、デビュー当時はジャンルうんぬんを示すために名付けたわけではないと話している(BiSH アイナ・ジ・エンド×渡辺淳之介×松隈ケンタが語る、大胆な施策の裏側とグループの成長)。しかし、その屈託のない貪欲な姿勢こそが、今日のBiSHを何よりも“パンクバンド”にしているのである。

■ロッキン・ライフの中の人
大阪生まれ大阪育ち。ペンネームにあるのは自身が運営するブログ名から。人情派音楽アカウントと標榜しながら、音楽メディアやTwitterなどで音楽テキストを載せてます。

■リリース情報
BiSH Major 3rd ALBUM『CARROTS and STiCKS』
2019年7月3日(水)リリース
Apple Music
iTunes Store

<初回生産限定盤>
ALBUM2枚組+Blu-ray Disc+PHOTOBOOK(100P)
AVCD-96297~8/B
・METAL BOX仕様
¥10,000(+税)
<DVD盤>
ALBUM2枚組+DVD
AVCD-96299~300/B ¥5,800(+税)
<MUSiC盤>
ALBUM2枚組
AVCD-96301~2 ¥3,900(+税)
<CD盤>
ALBUM
AVCD-96303 ¥3,000(+税)

<DiSC1:CARROTS and STiCKS>(全形態共通)
01 DiSTANCE
02 遂に死
03 MORE THAN LiKE
04 FREEZE DRY THE PASTS
05 CHOP
06 I am me.
07 NO SWEET
08 O・S
09 まだ途中
10 優しいPAiN
11 アイデンティティ
12 FiNALLY
13 CAN YOU??
14 GRUNGE WORLD

<DiSC2:SPECiAL BONUS CD>(AVCD-96297~8/B, AVCD-96299~300/B, AVCD-96301~2に付属)
01 PAiNT it BLACK
02 Life is beautiful
03 HiDE the BLUE
04 NON TiE-UP
05 stereo future
06 二人なら
07 Small Fish

<Blu-ray>(AVCD-96297~8/B, AVCD-96299~300/B共通)
2018.12.09 FREE LiVE at 横浜赤レンガ倉庫
“stereoなfutureにしないYOKOHAMA”
01 BiSH-星が瞬く夜に-
02 stereo future
03 GiANT KiLLERS
04 MONSTERS
05 オーケストラ
06 サラバかな
07 S・H・i・T
08 DA DANCE!!
09 BiSH-星が瞬く夜に

<Music Video>
01.遂に死
02.I am me.
03.DiSTANCE
04.PAiNT it BLACK
05.Life is beautiful
06.HiDE the BLUE
07.NON TiE-UP
※AVCD-96297~8/Bのみ、メンバーによる副音声収録
※AVCD-96299~300/Bは01〜03のみ収録

BiSHのキレッキレJAPAN 傑作選
※AVCD-96297~8/Bのみ収録

■ライブ情報
『NEW HATEFUL KiND TOUR』
2019年10月6日(土) 埼玉 サンシティ越谷
2019年10月13日(日) 熊本 市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)
2019年10月14日(月・祝) 福岡 福岡サンパレスホテル&ホール
2019年10月18日(金) 京都 ロームシアター京都
2019年10月22日(火・祝) 静岡 沼津市民文化センター
2019年10月27日(日) 香川 レクザムホール
2019年11月3日(日) 愛知 名古屋国際会議場センチュリーホール
2019年11月4日(月・祝) 愛知 名古屋国際会議場センチュリーホール
2019年11月9日(土) 愛媛 松山市民会館
2019年11月14日(木) 東京 オリンパスホール八王子
2019年11月16日(土) 山口 周南市文化会館Z
2019年11月17日(日) 広島 上野学園ホール
2019年11月23日(土) 石川 本多の森ホール
2019年11月24日(日) 長野 ホクト文化ホール・大ホール
2019年11月29日(金) 神奈川 相模女子大学グリーンホール
2019年12月4日(水) 東京 東京国際フォーラム
2019年12月7日(土) 北海道 札幌文化芸術劇場 hitaru
2019年12月13日(金) 宮城 仙台サンプラザホール
2019年12月14日(土) 岩手 盛岡市民文化ホール(大ホール)
2020年1月10日(金) 兵庫 神戸国際会館こくさいホール
2020年1月11日(土) 大阪 オリックス劇場
2020年1月18日(土) 栃木 宇都宮市文化会館
2020年1月22日(水) 東京 NHKホール
2020年1月23日(木) 東京 NHKホール
※ダイブ・リフト・サーフ禁止

■チケット料金/(税込)
【通常チケット】
S席¥7,000(税込)
A席¥3,500(税込)
年齢制限/ 未就学児童入場不可

BiSHファンクラブ1次先行 
【受付日程】 7/4(木)22:00 ~ 7/5(金)22:00
BiSHファンクラブ2次先行 
【受付日程】 7/6(土)18:00 ~ 7/15(月)23:00
WACK FAMiLY CLUB先行 
【受付日程】 7/16(火)18:00 ~ 7/22(月)23:00
HP抽選先行 
【受付日程】 7/23(火)18:00 ~ 7/29(月)23:00
いち早プレリザーブ
【受付日程】 7/30(火)18:00 ~ 8/5(月)23:59
プレリザーブ
【受付日程】 7/31(水)18:00 ~ 8/7(水)23:59
セブン-イレブン先行
【受付日程】 8/8(木)12:00 ~ 8/13(火)23:59
セブン-イレブン2次先行
【受付日程】 8/14(水)12:00 ~ 8/19(月)23:59
プレリザーブ(※後半9公演のみ対象)
【受付日程】 9/2(月)12:00 ~ 9/9(月)23:59

『THAT is YOUTH!!!!FES curated by CENT CHiHiRO CHiTTiii』
2019年7月16日(火)@Zepp Tokyo
時間 : Open 17:30 / Start 18:30
出演 : BiSH / eastern youth / GEZAN / リーガルリリー
■チケット料金 :
1Fスタンディング 5,000円(税込)
2F指定席 6,000円(税込)
※18歳未満キャッシュバックあり(身分証提示で¥3,000キャッシュバック)
http://w.pia.jp/t/tiyf
『THAT is YOUTH!!!!FES curated by CENT CHiHiRO CHiTTiii』
出演:BiSH / eastern youth / GEZAN / リーガルリリー
日程:2019年7月16日(火)
時間:Open 17:30 / Start 18:30
会場:Zepp Tokyo
1Fスタンディング ¥5,000(税込)
2F指定席 ¥6,000(税込)
※18歳未満キャッシュバックあり(身分証提示で¥3,000キャッシュバック)

『And yet BiSH moves.』
出演:BiSH
日程:2019年9月23日(月・祝)
時間:Open 17:00 / Start 18:00
会場:大阪城ホール
詳細はこちら

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