── 押井さん、今回はブラピくんの質問ですよ！

押井　ご存じのとおり私は、女優にしか興味がありません。男優で興味があるとするならおっさん役者です。

── ブラピくんも今年で57歳。押井さんの眼鏡にかなう、まごうことなきおっさん役者です！

押井　でもさ、ウォルター・マッソーとは違うじゃない？　ジャガイモのようなおっさんと違って一応、ハンサムなわけでしょ？

── はい、確かに今もハンサムくんです。加齢による劣化スピードが遅いかもしれませんね。最近作になる『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』（19）のときも、屋根の上で無意味に脱いでましたが、相変わらず美しかったですよ。

押井　『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』はまだ観てないんだよね。好きなタランティーノだし、セルジオ・レオーネへのオマージュだから気になってはいるんだけど、レオナルド・ディカプリオが邪魔してなかなか観る気になれない。私、ディカプリオは苦手なんですよ。彼で良かったのは『シャッター・アイランド』（09）くらい。

── 日本では“ブラピ”に“デカプ”ですけどね。ちなみにその映画のデカプくんは良かったです。初めて、この人、上手いんだって思いました。

押井　まあ、ディカプリオや、あとトム・クルーズ。ああいう顔もウリにできるスター役者の中では、確かにブラピくんはダントツに好きですよ。いろんな役に挑戦しているけど、一番ハマっているのはチンピラ役。チンピラを演じて、彼の右に出る者はいないと言っていいくらい。

『ファイト・クラブ』（99）とか『スナッチ』（00）とか、まさに絵に描いたようなチンピラ。でも、かっこいいという、おそらく他の役者じゃそうはいかない。トム・クルーズはかっこいいキャラクターしか選ばないけど、ブラピの場合はかっこ悪いキャラクターを選んでもかっこ良くしてしまう。

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