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LUNA SEAの旅は続く、結成30周年で進化を見せつけた「LUNATIC X'MAS」

ナタリー

19/12/23(月) 12:27

LUNA SEA(撮影:田辺佳子、橋本塁)

LUNA SEAが12月21、22日に埼玉・さいたまスーパーアリーナでクリスマスライブ「LUNA SEA 30th Anniversary LIVE LUNATIC X'MAS 2019」を開催した。この記事では21日公演の模様をレポートする。

今年5月に結成30周年を迎え、先日12月18日には通算10枚目のオリジナルアルバム「CROSS」をリリースしたLUNA SEA。今年のクリスマスライブでは、新作からの収録曲に加え、終幕前、終幕後の人気曲を含む多彩なセットリストが用意され、会場に集まった約1万5000人のSLAVE(LUNA SEAファンの呼称)が歓喜した。

オープニングでは荘厳なBGMに合わせてフロア側の天井から列をなすようにLED付きの丸鏡が降ろされた。その鏡が天井から一直線に落ちるスポットライトを屈折させて複雑な光の線を生み出すという、立体的かつ幻想的な照明演出が観客の目を奪った。LUNA SEAが初日公演の1曲目に選んだのは1994年発表のシングル「TRUE BLUE」のカップリング「FALL OUT」で、まずINORAN(G)がアコースティックギターでアルペジオを奏でる。そこにSUGIZO(G, Violin)が歪んだギターバッキングを重ね、J(B)と真矢(Dr)のリズム隊が加わってRYUICHIが「Hey!」と声を発する。隠れた名曲での幕開けに場内は大いに沸いた。この日のSUGIZOとINORANのサウンドシステムは環境に配慮した水素燃料電池が電源に採用され、真矢は世界初の使用となるPearlの新型電子ドラム「e/MERGE」を使用。さらにJが今年エンドースメント契約を結んだフェンダーのベースを使用するなど、機材面でも進化を感じさせた。

RYUICHIが「『LUNATIC X'MAS』飛ばしていきたいと思います。僕らのライブハウスさいたまスーパーアリーナ! 僕らのベースとなっているここで過去を超えていけたらと思っています! 埼玉! のっけから飛ばしていくぞ!」と煽り、キラーチューン「ROSIER」を投下。メンバーはアイコンタクトや耳打ちをするなどコミュニケーションを取りながら息の合った演奏を聴かせ、Jがおなじみのセリフを語るパートから「行くぜ埼玉!」と叫んでマイクスタンドを頭上高く放り投げてフロアの熱狂を誘った。LUNA SEAは「DESIRE」「IN MY DREAM(WITH SHIVER)」と終幕前の1990年代の人気曲を畳みかけ、一体感を生み出した。RYUICHIは「俺たちがラッキーだったのは音楽しかなかったこと。家族みたいなバンドなんで一度は“家出”しましたけどしっかりLUNA SEAという“実家”に帰ってまいりました」と語り、「世の中カッコいいバンドがたくさんいるけどLUNA SEAはもっとやれる。それはほかのバンドよりみんな(ファン)のスキルが高いから。お世辞じゃないよ」とファンを褒め称える。そして最新アルバム「CROSS」から先行シングルとして発売されたアニメ「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星」第1弾オープニングテーマ「宇宙の詩 ~Higher and Higher~」を披露し、TM NETWORK「BEYOND THE TIME ~メビウスの宇宙を越えて~」のカバー、「悲壮美」とガンダム関連の楽曲を続けて演奏した。

次に真矢がドラムソロを展開し、前半パートで和楽器奏者を従えて重厚な打音を響かせる。真矢はおなじみの「真矢」コールを浴びながら、「埼玉、もっと来いよ! 俺たちの30年間の愛の結晶を……ちょっとクサいかな」とつぶやきつつも、仕切り直して「俺たちの30年間の愛の結晶をこの場で爆発させようぜ!」と煽って派手なソロパフォーマンスを繰り出した。Jのソロコーナーでは一段と男性ファンの声が大きくなり、Jは勇ましいベースプレイとシャウトをファンに届けて「今日と明日、30周年派手に盛り上がろうぜ!」と呼びかけた。

ソロコーナー明けに再び5人がステージに並び、「Dejavu」をプレイ。その後、RYUICHIは「真ちゃんの後ろに丸い照明があって、雷様みたいでめっちゃカッコいいっす!」と先ほどのドラムソロを振り返ってから、自らの思いを語り始める。「今年はいろいろあり、個人的にはご心配おかけしましたが無事に帰ってきました。体力的にも精神的にも満ちていく途中のLUNA SEAです。アルバム『CROSS』ではスティーブ・リリーホワイトの魔法がかかって世界基準のサウンドが届けられました。僕たちは欲があってまだ学びたい、もっと強くなれる。メンバー5人でパワーを交換しているし、ファン1~2万人のパワーを感じて血が騒ぎます」と話し、続けて「ガンダムの音楽監督をSUGIZOがやりました。次に歌うのはガンダム40周年に当てたナンバーでもあります」と、「THE BEYOND」へ。RYUICHIは壮大なサウンドに乗せて、優しくたおやかな歌声でファンの感動を誘った。ライブ後半、LUNA SEAは「Hold You Down」で場内の高揚感を煽り、1年の充電期間を経て1998年に発表したシングル「STORM」「SHINE」を連投。INORANがステージ前方に身を乗り出し、ラストナンバー「TONIGHT」のイントロを奏で始めると会場全体から大歓声が沸き起こり、さいたまスーパーアリーナは熱狂のるつぼと化した。

ライブ本編終了後に観客は携帯電話のLEDライトを点けてウエーブを起こすなど、大規模の会場ならではの一体感で盛り上がり、「きよしこの夜」を合唱。その歌声に誘われるようにLUNA SEAのメンバーがステージに上がり、しばし観客の合唱に耳を傾けた。RYUICHIは「みんなの光で宇宙に浮かんだ」と叙情的な感想を述べつつも「いつも思うんだけど誰が歌い始めてるの?」とフレンドリーに話して場を和ませる。そしてLUNA SEAは自身のクリスマスソング「HOLY KNIGHT」、クリスマスのスタンダードナンバー「White Christmas」、名バラード「I for You」をファンに捧げた。メンバー紹介ではINORANがギターをかき鳴らし、SUGIZOがT. Rex「20th Century Boy」のギターリフを演奏するサプライズを挟みつつ、RYUICHIの紹介時にはINORANとSUGIZOが競うように「この国最強のボーカリスト」「世界最強のボーカリスト」「神奈川県最強のボーカリスト」と応酬した。LUNA SEAはアットホームな自己紹介から一転して「BELIEVE」でアグレッシブなステージを展開し、銀テープが舞う「WISH」ではRYUICHIがステージの端から端までダッシュするなどタフな姿を見せた。熱狂のクライマックスで終演かと思いきや、観客の不意を突くかのようにこの日のラストを飾ったのは1994年発表の「MOTHER」。LUNA SEAは荘厳かつ神秘的な楽曲を届け、感動的なムードでライブを締めくくった。メンバーそれぞれが挨拶をする中、INORANは「これからも一緒に旅しようぜ!」とコメント。LUNA SEAは2020年2月1日から5月15日まで全国ホールツアーを開催する。

「LUNA SEA 30th Anniversary LIVE LUNATIC X'MAS 2019」2019年12月21、22日 埼玉県 さいたまスーパーアリーナ セットリスト

12月21日公演

01. FALL OUT
02. G.
03. ROSIER
04. DESIRE
05. IN MY DREAM(WITH SHIVER)
06. 宇宙の詩 ~Higher and Higher~
07. BEYOND THE TIME ~メビウスの宇宙を越えて~
08. 悲壮美
09. absorb
10. ドラムソロ~ベースソロ
11. Dejavu
12. THE BEYOND
13. Hold You Down
14. STORM
15. SHINE
16. TONIGHT
〈アンコール〉
17. HOLY KNIGHT
18. White Christmas ~ I for You
19. BELIEVE
20. WISH
21. MOTHER

12月22日公演

01. 宇宙の詩 ~Higher and Higher~
02. The End of The Dream
03. ROSIER
04. DESIRE 
05. IN MY DREAM(WITH SHIVER)
06. Sweetest Coma Again
07. BEYOND THE TIME ~メビウスの宇宙を越えて~
08. 悲壮美
09. 闇火
10. ドラムソロ~ベースソロ
11. JESUS
12. THE BEYOND
13. BLACK AND BLUE
14. STORM
15. SHINE
16. BELIEVE
<アンコール>
17. HOLY KNIGHT
18. White Christmas ~ I for You
19. TONIGHT
20. WISH
21. LUCA

※「Dejavu」のeはアキュートアクセント、aはグレイヴアクセント付きが正式表記。

LUNA SEA Japan Tour 2020

2020年2月1日(土)埼玉県 三郷市文化会館
2020年2月2日(日)埼玉県 三郷市文化会館
2020年2月27日(木)栃木県 宇都宮市文化会館 大ホール
2020年2月28日(金)栃木県 宇都宮市文化会館 大ホール
2020年3月7日(土)石川県 本多の森ホール
2020年3月8日(日)石川県 本多の森ホール
2020年3月14日(土)福島県 南相馬市民文化会館 ゆめはっと 大ホール
2020年3月15日(日)福島県 南相馬市民文化会館 ゆめはっと 大ホール
2020年3月21日(土)福岡県 福岡サンパレス
2020年3月22日(日)福岡県 福岡サンパレス
2020年3月28日(土)広島県 上野学園ホール
2020年3月29日(日)広島県 上野学園ホール
2020年4月4日(土)大阪府 大阪国際会議場 メインホール
2020年4月5日(日)大阪府 大阪国際会議場 メインホール
2020年4月11日(土)愛媛県 松山市民会館 大ホール
2020年4月12日(日)愛媛県 松山市民会館 大ホール
2020年4月18日(土)新潟県 新潟県民会館 大ホール
2020年4月19日(日)新潟県 新潟県民会館 大ホール
2020年4月25日(土)宮城県 仙台サンプラザホール
2020年4月26日(日)宮城県 仙台サンプラザホール
2020年5月2日(土)兵庫県 神戸国際会館 こくさいホール
2020年5月3日(日)兵庫県 神戸国際会館 こくさいホール
2020年5月9日(土)北海道 札幌文化芸術劇場hitaru
2020年5月10日(日)北海道 札幌文化芸術劇場hitaru
2020年5月14日(木)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
2020年5月15日(金)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール

※記事初出時、12月22日公演のセットリストに誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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