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深田晃司「本気のしるし」フランスで公開、過去作上映にあたり仏版ポスターも到着

ナタリー

「本気のしるし 劇場版」フランス版前編ポスタービジュアル

深田晃司の監督作「本気のしるし 劇場版」が、フランスで8月に一般公開される。

星里もちるの同名マンガを映像化した本作では、退屈な毎日を過ごすサラリーマン・辻一路の日常が、葉山浮世という女性に出会ったことで狂っていくさまが描かれる。森崎ウィンが辻役、土村芳が浮世役で出演。メ~テレで放送されたドラマ全10話を再編集し、劇場版として2020年10月9日に日本で公開された。第73回カンヌ国際映画祭では「Official Selection 2020」に選出されている。

フランスでは5月19日から6カ月半ぶりに映画館の営業が再開。それを受け、深田作品の特集上映「L'ETE FUKADA(深田晃司の夏)」がスタートした。これは映画配給会社Art House FilmsとSurvivance、そしてフランスで日本文化を発信する団体Hanabiの共同企画により実現。「本気のしるし 劇場版」は特集上映のフィナーレを飾る作品として、現地時間8月18日から前編が、25日から後編が上映される予定だ。本編232分の本作は、日本では休憩時間を挟んで上映されたが、フランスでは2部作として公開。Art House Filmsの担当者ジュリー・タルデューは「濱口竜介監督の『ハッピーアワー』の3部作での公開が功を奏したので、同様の方法を取ることにしました」と説明している。

特集上映では1作目として、5月26日から「歓待」が40の劇場でスクリーンにかけられた。公開から5日で6000人以上の入場者数を記録し、Art House Filmsの担当者は「コロナ禍において映画館の座席数が通常時の35%に制限されていることを考慮すると、なかなかの滑り出し」とコメント。6月9日には「ほとりの朔子」が公開されており、明日6月30日には「よこがお」が封切られる。今後「さようなら」「海を駆ける」が上映されるほか、「淵に立つ」の上映も調整中だという。このたび各作品のフランス版ポスターも到着した。

なお2020年7月にはフランスで「よこがお」が公開され、コロナ禍にもかかわらず119館でのスタートから800館での上映にまで拡大。HanabiはWebサイトで深田について「この10年で日本映画にとって欠かせない存在となった監督の1人」「濱口竜介や富田克也らとともに、1990年代から国際的な映画祭で日本映画を象徴してきた4K(河瀬直美、北野武、是枝裕和、黒沢清)の後継者となり得る映画監督」と評価した。

※L'ETE FUKADAのEはアクサンテギュ付きが正式表記
※河瀬直美の瀬は旧字体が正式表記

ジュリー・タルデュー(Art House Films「本気のしるし 劇場版」担当者)コメント

「本気のしるし 劇場版」について

大変気に入っています。特に人間関係についての革新的な視点を高く評価しています。恋愛感情にとどまらない人間関係を、素晴らしくリアルに、また勢いをもって、描いている。

フランスでの公開について

2部作で公開できることをうれしく思っています。濱口竜介監督の「ハッピーアワー」の3部作での公開が功を奏したので、同様の方法を取ることにしました。最高のフィナーレを迎えるために、「本気のしるし 劇場版」2部作をこの特集上映の締めの作品としました。

フランスの観客は「本気のしるし 劇場版」をどのように受け止めると予想するか

観客が我々と同じようにこの作品を評価してくれることを願っています。フランスの観客は概して日本映画に大きな関心を持っており、我々も観客に新しい映像作家を発見する機会を提供するため長年尽力しています。深田監督は、これまでフランスで公開されてきた作品で、すでに大きなオーラを放っているが、今夏の特集上映が更なる飛躍への手助けになればうれしいです。

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