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Mrs. GREEN APPLE、フレデリック、ポルカ……新作に見るバンドサウンドの可能性

リアルサウンド

19/10/31(木) 7:00

 10月は様々なバンドの新作がリリースされた。この記事では、その中から3作をピックアップして紹介していきたい。

(関連:Mrs. GREEN APPLE『Attitude』レビュー 巧みなアレンジがつくりだすバンドの“華”

 まずはMrs. GREEN APPLEの『Attitude』。バリエーション豊富な全17曲が収録されたこのアルバム。外部のアレンジャーを加えていないはずのバンドが、ここまで幅広いサウンドを展開できるところに恐ろしさすら感じる作品である。疾走感のあるギターロックで展開する「インフェルノ」、爽やかに突き抜けるスピード感のあるナンバー「青と夏」、EDM的なビート感が刻まれる「CHEERS」。「Circle」はピアノの旋律が美しいしっとりとした珠玉のバラードだし、「Folktale」はポリリズムなビートが印象的な温かみのある実験的なナンバーである。数曲をつまんで紹介しただけでもその幅の広さが伺える。バンドとはギターとベースとドラムがガチンコで音を鳴らし、生音で勝負するもの、というイメージを覆す意欲的な作品となっている。様々なジャンルの音楽を昇華して、屈託なくそれを音に落とし込む、Mrs. GREEN APPLEならではのアプローチが冴え渡る作品である。

 オーセンティックなロックバンドの音から距離を置いた作品という意味では、フレデリックのEP『VISION』も負けてはいない。ライブハウスというよりは、アリーナで鳴り響くイメージが想起させる表題曲は、BPM135くらいで展開された、絶妙なテンポ感のナンバーである。モッシュを喚起させる楽曲のビートと比べるとゆったりした印象を受けるこの歌。どんなノリ方も肯定するようなテンポやリズムの刻み方が、絶妙と言わざるを得ない。バンド側が提示する“踊らせる”の意味合いを変える可能性を持っている。サイケデリックな雰囲気を残し、ダンスナンバーに接近しつつ、そのうえでバンドならではのサウンドメイクも取り入れているこのナンバー。打ち込みと生音、ロックとダンスナンバーのバランス感も含めて、バンド作品における音像そのものを変えるような求心力を持っている。

 最後に紹介したいのが、ポルカドットスティングレイのアルバム『ハイパークラクション』。この作品は、前述した二つのバンドに比べると、ギターのカッティングが印象的で、一般的な“バンドサウンド”のイメージに近い作品になっているように感じる。収録曲「バケノカワ」も「オトシマエ」も、音のバランスで言えば、ギターなどの高音域の音を強めに打ち出しており、バンドが作り出すグルーヴを存分に体感できる。ただし、アルバム全体で言えば、純粋な“ロックサウンド”とはひと味違う部分もある。例えば、「おやすみ」は90年代のR&B的な装いを強め、ポルカドットスティングレイが持つポップ性を強く打ち出したナンバーになっている。そもそも、ポルカドットスティングレイ自身が良い意味で“バンド”という枠組みにこだわっておらず、「面白いことがあれば何でもする」「リスナーの動向を読んだうえで、作品を提示する」という考えを持っているため、ジャンルに対する意識がフラットだ。今回のアルバムもそんなポルカドットスティングレイの哲学を随所に感じることができる。

 今回の記事では、オーセンティックなロックから距離を置き、バンドサウンドに新たな可能性を提示している3組の新作を紹介してみた。シンプルなラベリングだが、様々なポテンシャルを秘めた“バンド”という形。その奥深さの一端がこの記事で見えたのならば、幸いである。(ロッキン・ライフの中の人)

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