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シド『ほうき星』インタビューPart2「僕たちにはライブがすべてだった」

ぴあ

シド 撮影:奥田耕平

ロックバンド、シドが11月23日(月)より配信シングルを3曲連続でリリースする。この配信リリースを受けて、12月23日(水)にはこの3曲を1枚にまとめたCDシングル『ほうき星』がリリースされることも決定。

Part1に引き続き、メンバーが今感じているファンへの思い、そして、それぞれの印象に残っているファンとのエピソードを訊いた。決して平坦な道のりではなかった17年があったからこそ生まれた、ファンとの強い絆とお互いへの信頼の気持ち。そうして辿り着いたこの場所で、シドはわからない先の未来よりも一緒に生きる今を、ファンと共に見つめている。

17年を経て、ファンは自分と一心同体になった気がする。

ーー引き続き、印象に残っているファンとのエピソードを教えてください。

Shinji 最近すごくファンの方の優しさを感じるんです。ライブでけっこう夢中で弾いているときに、例えばお客さんの中に具合が悪くなっちゃった人がいて、それを最前列にいる人が僕に向かって教えてくれたりとか。気づけなくてごめんね、って思いつつ、僕がステージのどこに動こうが、すごい優しく手を振ってくれたりとか、それが年々増してるなって感じています。

思い出に残っていることは、土砂降りの中でライブをやったとき、お客さんも一緒になって、寒い中濡れながら一生懸命に応援してくれたことかなあ。そのときの姿は今でも目に焼き付いていますね。お客さんひとりひとりの顔をじっくり見ようとする機会も年々増しているなって感じます。なかなか1対1にはなれないけど、みんなに広く届いたらいいなって思いながらライブもそのほかの活動もやるようにしていて。

ーーファンから言われて、印象に残っている言葉はありますか?

Shinji 曲に関して、「良かった」って言ってもらえるのはやっぱり嬉しいし、シドではないアーティストの方に楽曲提供をしたときとかにも「良かったです」って言ってもらえると一番嬉しいです。

明希 昔は自分たちのバンドに対しての、ファンというのは相手であって、自分自身ではないじゃないですか、当たり前ですけど。だけど最近思うのは、ファンの人と自分は運命共同体なんだなって感じています。

どういうことかというと、ファンの人に自分を投影してしまうときがあるんです。例えば10代の方が僕がベースを弾いているのを見て、ベースを始めましたとか言ってくれる声を聞くと「あ、僕もそうだったな」とか。僕も誰かに憧れて楽器を手に取って、バンドの夢が始まったので。そんなふうに自分のことを投影してしまうときが最近すごくあって。他人じゃない気がするというか。血がつながっているわけではないし、他人なんですけど、どこか、自分と同じ温度感を感じてしまう存在になっています。

だから運命共同体だし、例えばコロナ禍で医療関係の方からコメントやメッセージをいただくと、こんなにこの人が頑張ってるんだから、僕ももっといい曲を作って、いいことができないかなとか、気持ちを奮い立たせてくれる存在で。

さっきShinjiも言ってましたけど、ものすごい土砂振りの中でも僕たちと同じ温度感でライブを見守ってくれて、僕らはライブをやって、もちろん愛情もあるし、身近に感じることが多くなりました。ここ数年で。

ーーここ数年で感じ方が変わったのはなぜでしょう?

明希 オンラインサロンというわりとファンの人と密接な関係になれるコンテンツを始めていて、悩み相談をいただくこともけっこう多くて。逆に言えば僕もそのコメントを見て、もっと頑張らなきゃ、頑張りたいなって思う瞬間もあって。例えばファンのある人が「気持ちが滅入って何もする気が起きないんです。この先どうしようかな」って思っていたときに、たまたまシドの『エール』を聴いて、もう一回奮い立った、というコメントを見たりすると、それこそ自分を投影してしまうようなときもあります。

僕もいろんな曲に助けられてきたので、「ああ、自分もそういうこと思っていたな」って気持ちがわかるし、ファンは自分の気持ちを奮い立たせてくれる存在です。昔はもっと違っていて、若かったので、いわゆる「ロックスター」という振る舞いに憧れていた時期があったんですけど、そういうことも経験して、今はもっとファンの人にパーソナルで向き合いたいなという気持ちになっていますね。

あとはいろんな音楽があってバンドがいる中で、自分たちのバンド、自分の音楽を選んでくれた、という感謝の気持ちがすごく強いです。バンドを何年もやっていると、1年1年を更新していく中で、ファンの人がこうやって応援してくれるから、17年、そして18年目も走れると思う原動力になっているわけだし、そういう意味では本当に心から感謝です。
夢があって、シドの音楽が背中を押してくれた、頑張ってよかったです、というようなコメントをもらうと、音楽家冥利に尽きるんですけど、それ以上に「やっていてよかった」って自分の糧になるんですよね。

ゆうや ファンのみなさんは、自分にとって絶対的な存在かなと思います。ファンの方がいなかったら、シドのゆうやではいられないような気もするし、それって普通の生活をしているときでも感じたりするんですよ。身なりをもっとちゃんとしようって思ったりするのも、ファンの人がいるからだし、もっとシャキッとしようって思います。例えばこれをSNSにあげないとなって思ったりするのもファンがいるからだし、ファンがいなかったらまったくそんなのはやらないんだろうなと思ったりもするし。今の自分の存在がある上では絶対に必要な、絶対的な存在なんじゃないかなって思いますね。

僕たちにはライブがすべてだった。それを同じ温度感でファンも感じていたのが嬉しかった。

ーー2020年ももうすぐ終わりますが、2021年のシドはこういうことをやっていく、こういう思いでいる、ということを教えてください。

ゆうや シドでは配信ライブは実は初だったりもするので、それが1月14日にあるのと、延期になっていた河口湖ステラシアターでのライブが5月にあるので、引き続き世の中の様子を見ながら活動していくことにはなりますけど、今できる最大限のことというのを続けてやっていかないといけないなあというのはすごくあります。僕らの気持ちがこうだからこれをやりたい、と言ってやれないこともいっぱいある時代だったりもするので、うまく付き合いながら、時代にあった中ではみ出した活動をやっていけたらと思います。

ーーコロナ禍ということもあって、今生活していくことに不安を感じていたり、何となく元気がでないファンの方も多いと思います。みなさんおひとりずつ、そんな方たちへぜひメッセージをいただけますか。

ゆうや 僕らの今、2020年を共に生きてきた中で思う気持ちがリリースする3曲にいっぱい入っているので、たくさん聴いてもらって、来年の配信ライブをぜひ観ていただいて、ぜひ今のシドを近くに感じてもらえたらすごく嬉しいなと思います。

Shinji 来年の状況はわかりませんけど、ライブをやりたい気持ちがすごく強いです。家でギター弾いているよりもやっぱり人前で弾きたいし、それはオンラインでもいいですけど、ミュージシャンをやらせていただいているので、早く弾きたいですよね。曲を作って、いい曲だって言ってもらえるのが一番嬉しいってさっき言いましたけど、ライブの喜びも早く感じたいですよね。できる範囲でいい音楽、いいライブを届けられたらいいなって。

みんなね、仕事とかも大変ですよね。じっとしているとどんどん気持ちが暗くなっちゃうから、外を走ってみたりとかするといいかも。自分もたまにシドの曲を流しながら走ってたりします。動いていると気持ちも前向きになれるのかなって思うので。僕らも早くいいライブが見せられるように頑張るので、お互い頑張りましょう!

明希 早くコロナ、収まってほしいですよね。アーティストみんながいろんな試行錯誤をして、新しい配信ライブが生まれていますけど、やっぱりファンのみんなには直接会って、ライブで一緒に空間を作るっていうのがみんなも僕らも一番やりたいことだと思うので。とにかくコロナが収まって、現状がよくなってくれることを祈るしかないですよね。それまでは今できる中で、最大限、活動を止めないで、みんなにしっかりいい音楽を変わらずに作って届けていかなきゃなあという気持ちでいます。

そして気持ちが弱っている人は、あなただけではないし、みんなそうなんだけど、それでも前を向いて未来を見つめていかなきゃいけない中で、最善をお互いに尽くして、歩いていくしかないんじゃないかなって思います。どうせ歩くんだったら、楽しく、元気にいったほうがいいと思うので、そういう中で自分たちが表現するこの3曲が原動力となって、日々頑張っていくことができる、そんなふうに背中を押してくれる音楽になったらいいなあと思います。

自分もライブを観に行きたいですし、音楽って偉大なもの、代わりがいないもの、なんだなって感じました。今年は自分たちの立場の大切さというか、重要性を自分たちも見直す期間にもなったし、より1本1本のライブの重みも今後また、増してくるのかなっていう気持ちが芽生えましたね。それを再確認した1年でした。

マオ 1月のライブが決まっているのでそれを全力でやりたいなあというのと、やっぱりツアーをやりたいですよね。世界がこうなって、こういう形になっていくだろうという予想はあっていいと思うんですけど、それとは別で僕たちは希望も持っておかないとなって思っています。以前と同じような日々が戻ってきて、ツアーもできるという希望がないと。現実だけだと頑張れないことって多いと思うんですよね。その希望も忘れずに、お互いライブとかで会える日を楽しみに、耐えることや、我慢すること、不安なこともたくさんあると思うんですけど、今はその希望を夢見て頑張る時期なのかなと思っています。

ーー次に対面でライブができたら、どんな気持ちになりそうですか?

マオ どうかなあ。そういう楽しい想像っていいですよね。僕たちは、自分もそうですし、シドもそうですし、演っている側が、ライブがすべてだったなあってこのコロナの期間に一番痛感したんですよ。ただ、それと同時にファンのみんなにとっても、これだけライブっていうものが大きい存在だったんだっていうことが、届いてくる声をひとつずつ拾っていくうちに気づいたことなんです。ライブという存在が僕たちとまったく同じレベルのものだったんだなって。それがね、ちょっとだけ、嬉しかったんですよね。「あ、こんなにシドのライブに対して想っていてくれたんだ」っていうことがね。ライブができないことをこんなに一緒になって悲しめるんだ、と感じたところもあって。ここからシドは続いていくし、僕もずっと歌っていくし、その中で振り返ったときに、「ああ、あの時期って悲しくて不安な時期だったけど、あそこで絆がまた強まったよね」っていう一ページになれば、僕はなんら問題ないなって思っていて。これがシドの活動は来年までです、とかだったらそれはつらいですけど、ずっとやっていくつもりなので、だとしたら、今を一ページとして楽しく振り返られる日が早く来てほしいなと思っています。

ーー力強いお言葉ですね。

マオ こっちが落ち込んでしまうと、僕らは音楽を届ける側なので、一番今、音楽とかエンターテインメントの世界って実は必要とされているし、ここからだと思うんです。一回落ち込んだときに、誰もがそういうエンタメとかは一回置いておいてっていう波がきて、ここからエンタメはまた注目されていくと思うから、僕たちの力で、ひとりでも多くの人を元気にすることが唯一僕たちにできることだと思うから、それを思いっきりチャレンジしていきたいなと思っています。

シドの4人のサイン入りチェキをそれぞれ1名にプレゼント!

応募方法
ぴあ音楽編集部Twitter(@OngakuPia)をフォロー&本記事ツイートをRTしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。当選者の方には、ぴあ映画編集部アカウントよりDMをお送りします。

対象ツイート:

https://twitter.com/OngakuPia/status/1335705654216933377?s=20

※当選後、お届け先ご住所のご連絡ができる方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選発表は、賞品の発送をもって代えさせていただきます。

▼配信シングルリリース情報
第一弾 『ほうき星』

2020.11.23 Release!!
作詞 マオ / 作曲 Shinji

第二弾 『siren』 
2020.12.7 Release!!
作詞 マオ / 作曲 御恵明希

第三弾 『声色』
2020.12.21 Release!!
作詞 マオ / 作曲 ゆうや

▼ニューシングル『ほうき星』リリース情報
『ほうき星』
2020.12.23 Release!!

【初回生産限定盤(CD+写真集)】KSCL-3285/6 2,273円+税
【通常盤(CD)】KSCL-3287 1,364円+税

<CD収録内容>
■初回生産限定盤(CD+写真集) / KSCL-3285/6
2,273円+税
<CD>
1. ほうき星
2. siren
3. 声色
<写真集>
撮り下ろしブックレット付属

■通常盤(CD) / KSCL-3287
1,364円+税
1. ほうき星
2. siren
3. 声色

▼『ほうき星』予約購入まとめURL
https://kmu.lnk.to/Fj0uqUT7

▼配信LIVE情報

SID LIVE 2021 ~結成記念日配信ライブ~
2021年1月14日(木) START 20:00

ニコニコ生放送 / ローチケ LIVE STREAMING / イープラス Streaming+ 3社同時配信!

詳細はコチラ
https://sid-web.info/event/332221

▼シド オフィシャルサイト
http://sid-web.info/"

撮影/奥田耕平、取材・文/藤坂美樹

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