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『スター・ウォーズ』をJ・J・エイブラムスは救えるか!? エピソード9初映像から予想できること

リアルサウンド

19/4/18(木) 19:00

 長い間ベールに包まれた映画『スター・ウォーズ』エピソード9のタイトルと特報が、先日明らかになった。タイトルは『スター・ウォーズ/ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー』で、「rise of~」は、到来や繁栄、上昇など様々な意味を持つ。「rise of~」からは、42年間語られ続けたスカイウォーカー家繁栄の物語や、ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)の故郷タトゥーインに“昇る”2つの太陽など、シリーズを通して思い当たる意味が浮かび、最後を飾るに相応しいタイトルと言えよう。

参考:『スター・ウォーズ』最新作、原題は『ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー』 初映像となる特報も

 『スター・ウォーズ/ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー』は、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でも監督を務めた J・J・エイブラムスがメガホンを取る。制作当初は、『ジュラシック・ワールド』のコリン・トレボロウが監督で、2019年5月24日に公開される予定だったが、製作上の意志の相違で降板。それからエイブラムスが後釜に座り、昨年8月に撮影開始し、今年の2月にようやくクランクアップした。

■『ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー』は9つの物語の完結編

 タイトルが発表されたイベント「スター・ウォーズ・セレブレーション」でエイブラムスは、本作について「40年間にわたって作られてきたストーリー、スカイウォーカー・サーガの終わりです」と語っている。

 9つの物語を整理すると、『新たなる希望』から『ジェダイの帰還』までの旧三部作はルークの物語、『ファントム・メナス』から『シスの復讐』までの新三部作はルークの父アナキン・スカイウォーカー(ジェイク・ロイド)の物語だった。なので、『フォースの覚醒』公開前には、レイ(デイジー・リドリー)は、ルークやハン・ソロ(ハリソン・フォード)の娘なのではないかと様々な考察が繰り広げられたが、『最後のジェダイ』で事態は一転。レイの親は、飲み代のためにレイを売った名もなき人だと明かされたのだ。

 血筋ではなく、意志を持つ者が英雄の道を拓くというメッセージが込められた『最後のジェダイ』は、長く続いたスカイウォーカー家から決別し、新たなフォースの可能性を提示したように思われた。しかし、今回公開された特報では、パルパティーン皇帝/ダース・シディアスと思われる人物の笑い声が響き、同役を務めたイアン・マクダーミドがイベントに登壇。このことから、旧三部作から続三部作まで一貫して、スカイウォーカーVSダース・シディアスの物語が綴られることがわかる。

 現在スカイウォーカーの血が流れているのは、ルークの双子の妹でもあるレイア・オーガナ(キャリー・フィッシャー)とハンの息子であるベン・ソロもといカイロ・レン(アダム・ドライバー)のみ。スカイウォーカー家の物語が完結するにあたり、どのような物語になるかはまだ憶測でしか語れないが、エイブラムスによれば『最後のジェダイ』の直後ではなく、少し後が物語の始まりになるという。

■特報からの新事実

 今回公開された特報は、砂の惑星から始まる。今まで出てきた砂の惑星といえば、アナキンやルークの育ったタトゥイーン、レイの育ったジャクー、『クローンの攻撃』で登場したジオノーシスなど。もしエイブラムスが、『フォースの覚醒』で『新たなる希望』に似たシーンをたくさん撮ったように、今回も『ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー』の対となる『ジェダイの帰還』にオマージュを捧げる場面を用意したのなら、この惑星はジャクーの可能性が考えられる。

 というのは、今回の特報で、ポー・ダメロン(オスカー・アイザック)とフィン(ジョン・ボイエガ)、C-3PO(アンソニー・ダニエルズ)が立っている乗り物が、『ジェダイの帰還』でジャバ・ザ・ハットの一味にルークとハンとチューバッカ(ピーター・メイヒュー)が乗せられた船を彷彿とさせる形状であるからだ。もし同シーンに似せているのであれば、ルークの故郷タトゥイーンに対して、今回はレイの故郷ジャクーを登場させても不自然なことではないだろう。しかしジャクーは、植物がほとんど育たない星。レイの足元に草が落ちている様子を見れば、新たな惑星であることも考慮できる。

 このほかにも、スター・ウォーズオタクのエイブラムスは、特報内に映る範囲だけでも様々なイースターエッグを隠した。まずは、ランド・カルリジアン(ビリー・ディー・ウィリアムズ)。『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』で描かれたように、ハンの愛機ミレニアム・ファルコンには、ランドが愛したドロイドのL3の頭脳が積まれている。一度はハンの手に渡ったファルコン号だが、今回長い年月をかけてようやくランドの元に帰還。これだけでも目頭が熱くなる展開だが、ランドをよく見てみると『ハン・ソロ』で若き頃のランドを演じたドナルド・グローヴァーが着ていた衣装をまとっているのが確認できる。ランドは何十年もの間、あの服を守り続けたのだろうか。スピンオフをスピンオフで終わらせず、しっかり本シリーズにも絡める、粋な計らいを感じる。

 それから、チューバッカ問題も忘れてはならない。映像内に少し映った金のメダル。あれは、『新たなる希望』でヤヴィンの戦いの功績を称えて、レイアがルークとハンに授与したもの。しかし、同じくらい活躍したチューバッカは授賞式で首から下げておらず、「なぜチューバッカだけ貰えないのか」と長年ファンの間で議論になっていた(後出しではあるが、実は『新たなる希望』の直後を描いた2015年のコミック『Chewbacca #5』では、チューバッカがメダルを持っているのが確認できる場面がある)。

 また、エイブラムスは『フォースの覚醒』のチューバッカの扱いを後悔していると告白したことがある。それは、レイアとレイの初対面のシーン。同シーンは、初めて会ったはずの2人が、強いフォースにより固い絆で結ばれていることを表す、重要な場面だ。しかし、偶然にもチューバッカがフレームインしており、まるでレイアが長年の友人を無視し、レイに駆け寄ったようにも見えてしまう仕上がりになってしまっている。エイブラムは同シーンについて、「本当に意図していなかったんだ」と/Filmのインタビューに答えている。制作側も意図せぬ形で理不尽な扱いを受けてきたチューバッカを、エイブラムスなら救ってくれるかもしれない。

 さて、今回の特報は、デス・スターの亡骸やダース・シディアスの笑い声など旧三部作からのファンを喜ばせるエイブラムスらしいものだった。しかし物語の核心に触れるものではなく、なぜ死んだはずのダース・シディアスが関わるのか、レイを追うTIEサイレンサーとTIEファイターを足したような宇宙船の操縦者は誰なのか、など疑問はいくつも浮かぶ。ルークのライトセーバーやレンのマスクなど前回破壊されたものが修理されて再登場するなど、「なかったこと作戦」とも取れる演出もあったが、ジェダイの書やラストの少年テミリ・ブラッグなど『最後のジェダイ』で張った伏線回収も注目だ。

 『ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー』の日本公開は、本国に1日も遅れることなく、12月20日に予定されている。これまでを振り返ると『スター・ウォーズ』は近年、マイナスなニュースが多く、シリーズを通して見ても、最も精神的にしんどい期間だった。しかし、『ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー』への盛り上がりを見ると、『スター・ウォーズ』ファンは、例え不穏な空気が流れようとも、熱を灯し続けられる執念深さが備わっているように思える。信じる力。まさに、『スター・ウォーズ』から学んだことが長年に渡って染み込んでいる。(阿部桜子)

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