Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

上白石萌音、人気の理由は“身近さ”にあり!? 『恋つづ』に続き『ボス恋』でさらなるヒロイン街道へ

リアルサウンド

21/1/12(火) 10:00

 TBS新火曜ドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(以下『ボス恋』)でヒロインを務める上白石萌音。『恋はつづくよどこまでも』(TBS系、以下『恋つづ』)で新米看護師・佐倉七瀬役として佐藤健との一大恋愛を演じ、一役スターダムに躍り出た彼女だが、再びの恋愛ドラマのヒロインとなる。

 今もっとも好感度の高い女優の一人にも思える上白石。昨年は、『恋つづ』での「勇者」のように恋に仕事に懸命に立ち向かう新米看護師を演じ、その奮闘する姿が視聴者の心を掴み、「Yahoo!検索大賞2020」女優部門賞に選ばれるなど、もはや名実ともにブレイクを果たしたとみていいだろう。

 2011年の第7回『東宝「シンデレラ」オーディション』で審査員特別賞を受賞し、NHK大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』で上白石がドラマデビューしてからもう10年が経とうとしている。2012年にはミュージカル『王様と私』で初舞台を踏み、ミュージカル女優としても数多くに出演。その流れから、映画初主演を務めた2014年公開のミュージカル映画『舞妓はレディ』は、地方出身の少女が、京都の花街で舞妓を目指す成長物語。周防正行監督から「平成のオードリー・ヘップバーン」と称されるほどの、純情な女の子が一生懸命頑張る姿を健気に演じる演技力だけでなく、その伸びやかな歌唱力にも注目を集め、第38回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。そして2017年に大ヒットアニメ映画『君の名は。』のヒロインの声を担当して世間の注目を浴び、声優アワード主演女優賞を受賞するなど、歌に芝居に声優と、まさにエンターテイナーと言える活躍ぶりで、『恋つづ』がヒットする前から確かな評価を得ている。

 上白石の魅力は、まず普通の女の子のような愛嬌と親しみやすさだろう。『恋つづ』では、魔王と呼ばれるほど超ドSの医師・天堂浬(佐藤健)に一途な恋を貫き、必死にぶつかっていく姿が実に健気。本来こうした100%全力キャラはあざとく悪目立ちしてしまいがちだが、上白石の嫌味のない天性のキャラクターがあるからこそ、視聴者が応援したくなるヒロインというキャラの体現ができた。

 佐倉七瀬は、一生懸命なだけにミスが多かったり、周りが見えていなかったり、他人に迷惑をかけないよう問題を自分で解決しようとするなど放っておけないというキャラクター。天堂が心配になって自分が守らなければと思うようになっていき、佐藤健の格好良さとツンデレのかわいさがどんどん引き出されていく。相手役を光らせるのも上白石の魅力の一つだろう。癒しキャラの上白石と、ドSキャラの佐藤のバランスが絶妙だったのも大きい。キャラクターのみならず、女優としても相手を受け止める対応力が、上白石のヒロイン力の最大の要因なのかもしれない。

 ただそれができるのも、確かな演技力があってこそ。ミュージカルで鍛えたであろう、全身から伝わる豊かな感情表現を、自然な仕草と会話でできるところが、10年のキャリアがなせる才能だ。昨年放送の『情熱大陸』(TBS系)で見せていたのは、ミュージカル稽古の初日ですでに歌詞が完璧に入っている姿。またドラマで撮影チェックをする際に、監督が良いと言っているのに自分で変えちゃうから「見たくない派」という、監督の色に染まることを心得ている。与えられた役に対してのストイックな姿勢が、理にかなったキャラ設定を演じることで、原作にある少女漫画の世界観を見事に表現できた理由だろう。

 『ボス恋』は、ファッション雑誌編集部を舞台に、上白石演じる、「仕事も恋愛もほどほどに。人並みで普通の幸せを手にしたい」という安定志向の鈴木奈未が、ファッション誌「MIYAVI」編集部に就職。そこで「バリキャリ」であり、「超敏腕」「毒舌・冷徹」の鬼編集長・宝来麗子(菜々緒)の雑用係として働きながら、子犬系イケメン御曹司のカメラマン・潤之介(玉森裕太)と出会い、夢を持ち前を向いて生きていく成長物語。

 あらすじを見ると、ドS鬼女編集長に挑む普通の女の子という、上白石が得意とする構図だ。菜々緒と言えば、抜群のスタイルと美貌で、最近は悪女役を得意としているだけに、佐藤健以上のスタイルと身長差がある強敵に、普通の女の子がどう攻略していくのか注目される。ただ違うのは、『恋つづ』は、ドS医師・天堂の冷酷な心を溶かしていくことで、相手が自分を好きになっていくという展開だが、今回はドS編集長を攻略していくうちに、編集長の魅力に惹かれていくという真逆の展開であること。そしてラブストーリーに関しては、『恋つづ』の天堂を分けたかのように、天然のカメラマンの潤之介と、クールでドライな編集部員の中沢良太(間宮祥太朗)とタイプの違う2人が、奈未の頑張りに心が惹かれ、奈未を振り回すという流れになりそう。相手の魅力を引き出すのが得意な上白石が、2人を相手にどんな演技を見せるのか、新たな魅力の開花が期待される。

 上白石演じる“身近な”ヒロイン性がより発揮されそうな本作。その確かな演技力でさらなるヒロイン街道の行方に注目だ。

■放送情報
火曜ドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』
TBS系にて、1月12日(火)スタート 毎週火曜22:00~22:57放送
出演:上白石萌音、菜々緒、玉森裕太、間宮祥太朗、久保田紗友、亜生(ミキ)、秋山ゆずき、太田夢莉、高橋メアリージュン、なだぎ武、高橋ひとみ、倉科カナ、ユースケ・サンタマリア
脚本:田辺茂範
演出:田中健太、石井康晴、山本剛義
プロデューサー:松本明子
編成:宮崎真佐子
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む