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どんだけ出るんだ川栄李奈!? 『3年A組』『いだてん』『渋井直人の休日』での“猪突猛進”な活躍

リアルサウンド

19/1/20(日) 6:00

 2019年が明けて、はや約3週間。亥年生まれで、今年の年女である川栄李奈が、大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』(NHK、以下『いだてん』)、『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系、以下『3年A組』)、さらには『デザイナー 渋井直人の休日』(テレビ東京系)にも登場し、まさに“猪突猛進”な活躍を見せている。

【写真】『3年A組』川栄李奈登場シーン

 次期スター候補揃いの『3年A組』では、まだ知名度的にはこれからなものの、“何かの作品で見たことがある”といった若き役者たちの存在が光っている。その中で、圧倒的な存在感と安定感を見せているのが川栄なのだ。

 昨年は『プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~』や『センセイ君主』などの映画作品で、高校生役として学園生活に身を投じ、その溌剌とした姿で作品に活気を与えていた。しかし一方で、『崖っぷちホテル!』(日本テレビ系)では熱心なホテルスタッフに扮し、経営の傾きかけたホテルの立て直しに貢献。『健康で文化的な最低限度の生活』(カンテレ・フジテレビ系)では、感情表現の苦手な福祉専門職の新人ケースワーカーを演じ、主演の吉岡里帆らとの奮闘が好印象であった。間もなく24歳を迎える川栄は、女子高生も演じられれば、フレッシャーズも演じられる、女優として非常にオイシイ時期にいるのだ。むろん、そんな“演じ分け”ができる、演技の振り幅を持っていることが前提ではある。

 そんな川栄なだけあって、当然のごとく出演作も多く、いま最も引っ張りだこな女優の一人に挙げられるだろう。それは新年早々のこの活躍ぶりを見れば明らかであり、今作『3年A組』の若手キャスト陣の中でも、メインキャストである菅田将暉や永野芽郁と並んで、世に広く知られている存在なのではないだろうか。

 今作で川栄が演じるのは、菅田が演じる教師に人質とされた生徒たちのうち、クラスのムードメーカー的な存在である宇佐美香帆役。前回の第2話では、この宇佐美が抱える大きな秘密が明らかとなったのだが、川栄はその過程を、徐々に潤んでいく瞳と溢れる涙で訴えてみせた。ふだんの宇佐美が見せている軽薄な態度から、物語の核心に迫る涙の告白への器用な転換には、やはり演じる川栄の技量の高さを突きつけられる機会になったといえる。まだ物語序盤であるにもかかわらず、まるでクライマックスのような展開に、驚嘆の声を上げた方も多いはずだ。今後の展開に期待が高まるのは当然であるし、ほかの生徒役の役者たちが超えるべきハードルを、川栄はうんと高くしたといえるだろう。

 さて、『3年A組』での好演もさることながら、同日に放送開始した『いだてん』では、ノスタルジックな衣装に身を包んだ川栄の姿を確認することができる。若手から大ベテランまで、超豪華キャスト陣の中に名を連ね、第1話では神木隆之介とともに、ビートたけし相手に堂々たる演技で挑んでいる。ビートたけし扮する古今亭志ん生は、本作では視聴者を作品世界に誘うナビゲーターに相当し、彼との掛け合いを見せる川栄と神木は、いまのところ、作品に華を添える盛り上げ役といったところだろうか。昨年末に公開された『人魚の眠る家』をはじめとし、キャリアが一回りも二回りも上の手練の者たちと渡り合える川栄なだけに、今後のベテラン陣との掛け合いに期待をしてしまうのは自然な流れである。

 さらに、放送が始まったばかりの『デザイナー 渋井直人の休日』にも顔を見せた川栄。名バイプレイヤー・光石研が連ドラ初主演を務める本作で、岡山天音、池松壮亮、夏帆、岩松了らが一癖も二癖もあるキャラクターたちを飄々と演じる中、彼女もまた、キャピキャピとした“ムサビの女子大生”役に扮し、作品に彩りを添えていた。今後登場があるのか不明だが、ぜひとも再登場を期待したいところだ。

 年女となった2019年。最高の走り出しをみせる川栄に、振り落とされずについて行きたものである。

(折田侑駿)

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