若手俳優たちが、思い出深い過去の出演作と、自身に影響を与えた映像作品を紹介する動画連載「私の1本、私を作った1本」。第23回には大河ドラマ「いだてん ～東京オリムピック噺（ばなし）～」への出演で知られる井之脇海が登場。共演した香川照之や小泉今日子の姿に芝居とは何かを学んだという「トウキョウソナタ」や、すべてのカットがかっこいいと絶賛するレオス・カラックス監督作「ポンヌフの恋人」への思いを語った。

文 / 田尻和花

井之脇海の“私の1本”

「トウキョウソナタ」（2008年製作）

それぞれ秘密を抱え、バラバラになってしまった家族の行く末を追う人間ドラマ。リストラされた父、家族に見向きもされない母、突然米軍へ入隊しようとする長男、内緒でピアノ教室へ通う次男の姿が描かれる。香川照之、小泉今日子、役所広司らが出演。黒沢清が手がけた本作は第61回カンヌ国際映画祭ある視点部門の審査員賞に輝いている。

「トウキョウソナタ」DVD販売中

税込価格：5170円
発売・販売元：KADOKAWA

井之脇海の“私を作った1本”

「ポンヌフの恋人」（1991年製作）

レオス・カラックスが監督を務めた本作の舞台は、フランス革命200年祭でにぎわうパリ。病で失明の危機にある画学生ミシェルと、セーヌ川にかかるポンヌフの橋をねぐらにする孤独な大道芸人アレックスの恋愛模様が紡がれる。キャストにはジュリエット・ビノシュ、ドニ・ラヴァンが名を連ねた。

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井之脇海（イノワキカイ）

1995年11月24日生まれ、神奈川県出身。「トウキョウソナタ」で第82回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞を受賞。近年の出演作は、連続テレビ小説「ひよっこ」、大河ドラマ「おんな城主 直虎」「いだてん ～東京オリムピック噺（ばなし）～」、ドラマ「義母と娘のブルース」「教場」「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」「ハルとアオのお弁当箱」など。2020年封切り作に「サイレント・トーキョー」、2021年公開作に「ザ・ファブル　殺さない殺し屋」「砕け散るところを見せてあげる」がある。2021年のTBS1月期ドラマ「俺の家の話」にも出演。