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『ターミネーター:ニュー・フェイト』新キャスト陣が語る、過酷な体作りとレジェンドたちへの思い

リアルサウンド

19/11/12(火) 12:00

 『ターミネーター』シリーズ最新作『ターミネーター:ニュー・フェイト』が現在大ヒット公開中だ。1984年公開のシリーズ第1作『ターミネーター』、その7年後の1991年に公開された『ターミネーター2』(以下、『T2』)以来、シリーズ生みの親であるジェームズ・キャメロンが製作に復帰し、『デッドプール』のティム・ミラー監督のもと、『T2』の正統な続編が描かれる本作。T-800役のアーノルド・シュワルツェネッガーとサラ・コナー役のリンダ・ハミルトンが『T2』以降初めて顔を揃えたことも話題となっている。

参考:ジェームズ・キャメロンと衝突も!? ティム・ミラー監督が明かす、『ターミネーター』新作製作秘話

 本作には、シュワルツェネッガー演じるT-800とハミルトン演じるサラ・コナーに加え、メインキャストとして重要な役割を果たす3名が新たに登場。最新型のターミネーター・REV-9役のガブリエル・ルナ、未来からやってきた強化型スーパーソルジャー・グレース役のマッケンジー・デイヴィス、REV-9に襲われ、グレースに助けられることになるダニー・ラモス役のナタリア・レイエスだ。来日した3人に、過酷な撮影やシュワルツェネッガーとハミルトンとの共演などについて話を聞いた。

ーー今回シリーズ初参加となった皆さんですが、やはりアクションが見どころとなっていますね。役作りのための体作りも大変だったのではないでしょうか?

ガブリエル・ルナ:(以下、ルナ):僕の場合は、アーノルド・シュワルツェネッガーとロバート・パトリックに続くターミネーターを演じるということで、彼らを讃えるためにも深い分析をして役に臨む必要があった。それと、ターミネーターは最初に青い光の中から裸で登場するイメージが強かったから、カッコよく登場するために体を作らないといけないなと思っていたんだけど、それだけではなくて、最後までこの作品でREV-9を演じ抜くためにもそれだけの体を作る必要があることに、撮影をしていく中で気づいていったんだ。毎日、1時間半ぐらいトレーニングをして、4~5時間ぐらいスタントをやって、さらに兵器関係のトレーニングもやったりしたよ。大変だったけど、本当にやってよかったね。

ーー聞くところによると、アーノルド・シュワルツェネッガーと一緒にトレーニングをしていたそうですね。

ルナ:そうなんだ。実は今朝も一緒にトレーニングをしたよ(笑)。撮影当時、アーノルドは心臓の手術を受けたばかりで、できることに限界があったんだけど、それでもトレーニングはし続けていた。アスリートとして適応してくその姿にはすごく感銘を受けたよ。彼の姿を見ているだけで、いろいろ学びになった。アーノルドは、繰り返しの動作がとにかく全部同じで、ペースも絶対に崩れない。とにかく一貫しているのがマシンみたいでスゴいんだ。だから、僕もなるべく近いかたちでトレーニングしようと努力していたよ。72歳であれだけできるのは本当にスゴいとしか言えないね。

マッケンジー・デイヴィス(以下、デイヴィス):私もここまで体を準備して臨む作品は初めてだった。グレースは、ナタリア演じるダニーを守る役柄だから、映画を観ている人が信じられるような体を作らなければいけなかったの。強かったり能力を持っていたりということだけでなく、細かい動きにも説得力を持たせなければいけなかった。私自身は本当はちょっとドジなんだけど、そこが隠れるようにする必要もあったわね(笑)。

ーー今までのあなたのキャリアからは想像できない役柄でした。これまでのキャリアにおいても最もチャレンジングな作品でしたか?

デイヴィス:身体能力を求められない役と比べて、今回がより大変だったというわけでないかも。ある意味、全く違う世界という言い方のほうが正しいの。アクション映画はセリフを言う時間がとても少ない。走って走って走って「早く!」とセリフを言って、また走って走って走って「撃たれないよう!」と言う感じ(笑)。だからその短いセリフの時間の中にどれだけ意味を持たせられるかがポイントだと思う。だいたいそのセリフはコマンド系が多いかしら。

ルナ:「俺は未来から来た。早く車に乗れ!」とかね(笑)。

デイヴィス:そうそう(笑)。そういう感じで、映画的言語が全く違ったの。

ナタリア・レイエス(レイエス):本当にその通り。ジャンルによって使われる映画的言語は違うものだけれど、私にとっては今回が初めてのアクション映画ということもあり、一からその言語を学んでいく必要があった。どの作品も肉体的にハードではあるけれど、今回はとにかくノンストップでアクションを撮り続けていたこともあり、全く新しい経験だった。私にとっては、間違いなく今までで一番大きなチャレンジだったわ。6カ月間の撮影を生き抜くために体を作らなければならず、毎日3~4時間しか寝てなかったぐらい。体作りは本当に大変だった。

ーーアーノルド・シュワルツェネッガーとリンダ・ハミルトンのカムバックもあなたたちにとって大きかったですか?

ルナ:僕は『ターミネーター』シリーズの大ファンだったんだ。だから、ジャーニーのボーカルが脱退した後、熱心なファンだったフィリピン人のアーネル・ピネダが次のボーカルに抜擢された時のような気持ちだったよ(笑)。長期にわたるオーディションはあったけど、こうやって参加することができて本当に嬉しかったよ。

デイヴィス:素晴らしい『ターミネーター』シリーズに参加できたことはもちろん、アーノルドとリンダが再び戻ってきて、今回共演できたことはすごく嬉しかった。何か特別なイベントを見ているかのようだったわ。2人のオンスクリーンでの再会は観ていてもちろんワクワクするけれど、オフスクリーンでの30年にわたる関係性が垣間見える2人の友情にもグッとくるものがあった。特にこの業界では、一度共演して厚い友情が生まれても、その後5年ぐらい会わないことも多い。そんな中で、30年という長い時間友情を育くみ続けている2人の関係を見ることができたのも特別だった。

レイエス:これだけ映画史に名を残すアイコン的な作品に参加できたことは、すごく光栄だし、なんだかシュールな感じもする。『ターミネーター』の1作目、2作目を観た時は、ストーリーの素晴らしさはもちろん、その世界観がスゴいと思った。そして今回の作品に関しては、テクノロジーとの付き合い方やダイバーシティの面で、今の世界に通じる部分があるの。そのような、世界がいかに変わったかを見せてくれる作品にアーノルドやリンダと一緒に参加できたのは、自分でもすごく誇らしいわ。

ーー2人との共演シーンで特にグッときた場面はどこですか?

デイヴィス:サラがT-800の家に行くシーンにはすごく感慨深いものがあったわ。あのシーンは、彼女が仕事に向かう姿勢をそのまま映したように感じるぐらい、キャラクターとストーリーが完璧にコミットしていた。これって結構難しいことなんだけど、リンダは役者として、キャラクターに対する信念を絶対に曲げない。現場ではいろんな人がいろんなことを言うから、少しは妥協してしまうこともあるけれど、リンダはサラに関して一切そういうことがなかったの。彼女が誰であって、どういうことを感じていて、どこに行こうとしているのか、ハッキリと自分の中で答えを持っていて、一切ブレることがなかった。その熱い思いが、あのシーンには現れていると思う。

ルナ:僕は、初めてのリンダとのシーンで撃たれ、初めてのアーノルドとのシーンでも撃たれた。あの2人に撃たれるなんて、こんな嬉しいことはないと思ったよ(笑)。それと、2人と戦うシーンを撮っていた時に、後ろから彼らの姿を見ることがあったんだけど、その時は「僕は今『ターミネーター』に出ているんだ」と感動的な気持ちになったよ。(取材・文・写真=宮川翔)

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