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ロマンスドール

20/1/20(月)

愛の形は様々である。世間的にはアブノーマルであろうと、本人たちが愛だと言うならそれは認められるべきだ。そういう建前があるが、本作の愛のあり方が現代の観客にどのように受け止められるのか、筆者は注視している。本作はラブドール職人とその妻の物語だが、純愛か、女性のモノ化か、という議論が出るかもしれない。 ラブドール生産で有名なオリエント工業が製作に全面的に協力しており、登場するドールが驚くほど精巧だ。精巧であればあるほど、技術への感心と同時に、女性をモノとして消費しているという意見も強くなるかもしれない。だが、タナダユキ監督の描きたいものはそういう議論の枠外に存在していると思われる。そもそも人間の性愛はややこしい。ややこしく捻れているからこそ人間なのだ。それが人形相手だからこそ顕わになる瞬間が本作にはあるのだ。

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