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嵐、デジタル&サブスク楽曲配信でチャートはどう動いた? ビルボード指標にSpotify追加も追い風となるか

リアルサウンド

19/11/8(金) 10:00

 11月3日日曜日、CDデビュー20周年を迎えた嵐による様々な発表は絶大なインパクトを残しました。

 各種SNSアカウントの開設もさることながら、音楽面ではデビュー曲「A・RA・SHI」(1999年)から最新作「BRAVE」(2019年)までの全シングル表題曲のダウンロードおよびサブスクリプションサービスの解禁が大きなトピックに。そして、ニューシングル「Turning Up」をデジタルのみでリリースしたことはなにより衝撃的でした。ジャニーズ事務所所属歌手がシングルをCD以外の形態でリリースするとは今まで考えられなかったからです。

(関連:嵐は世界中を巻き込み新たな道を開拓し続けるーー新曲「Turning Up」配信リリースなどから考察

 「Turning Up」は11月3日19時に解禁。ミュージックビデオは嵐の公式YouTubeチャンネルで同日21時にプレミア公開され、嵐のメンバーもチャットに参加。それにより「Turning Up」は、公開からわずか5時間で3万近いダウンロードを記録し、今週水曜に発表された11月11日付ビルボードジャパンソングスチャート(Hot 100)ではダウンロード指標で首位、そして総合では10位に初登場を果たしたのです(参照:http://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=hot100&year=2019&month=11&day=11)。サブスクリプションサービスの再生回数を示すストリーミング指標、そして動画再生指標では300位以内に入りませんでしたが、日曜までを集計期間とする週間チャートにおいて解禁からわずか数時間の曲がトップ10入りしたのですから、嵐の凄さを感じずにはいられません。

 現在日本における主な音楽チャートは2つ。ビルボードジャパンソングスチャートは時代の変化に合わせて新しい指標を導入し、現在は8つの指標(シングルCDセールス、ダウンロード、ストリーミング、ラジオエアプレイ、ルックアップ、Twitter、動画再生およびカラオケ)で構成。また2018年度からはシングルCDセールスに独自の計算係数を用いることで極度にセールスの高い作品を適正値に補正するなど、ビルボードジャパンソングスチャートは社会的なヒットの鑑になるべく常に進化しています。

 一方、シングルチャートにおいて高い認知度を誇るオリコンは長いことCDランキングのみ(レコード等も含まれますが売上の大半はCDゆえ、CDランキングと記載)でしたが、今年度からはダウンロードおよびストリーミングを加えた合算ランキングが登場。その合算ランキングではシングルCDセールスに計算係数が適用されないため、ダウンロードがいくら高くてもCDを多く売り上げた曲が有利となります。さらにオリコンは、CDと合算どちらのランキングが重要か示していないことから、仮に合算で敗れてもCDのみで勝った場合は首位を獲得したと説明出来るのです。

 高いCDセールスを誇るシングルがオリコンで有利になるのは勿論ですが、実はビルボードジャパンにおいても同様。瞬間風速的にシングルCDセールスが高ければ、計算係数が適用されても1位になる傾向が強い。しかし、今年度ビルボードジャパンソングスチャートで首位を獲得した曲の翌週の動向をみれば、発売初週のシングルCDセールスが高い曲の大半は翌週急降下しており、ヒットしたとは言い切れません。

 ジャニーズ事務所所属歌手においては、おそらくは事務所の方針でデジタルに明るくなれなかったためにシングルCDセールスに頼らざるを得ない事情があったと推測されますが、そんな中で主演ドラマ『インハンド』(TBS系)の主題歌となった山下智久「CHANGE」は、配信先がレコチョク等に限定されながらもダウンロードが解禁されたことで、ビルボードジャパンソングスチャートのダウンロード指標で最高5位を記録し、総合でも前作「Reason」を大きく上回るヒットに。嵐のデジタル解禁を前に大きな成功例を残しています。

 この前例を踏まえても、次週11月18日付のビルボードジャパンソングスチャートで「Turning Up」がどこまで伸びるか、とても気になります。次週の集計期間初日にあたる11月4日付においては、Spotifyデイリーチャートで「Turning Up」が4ランクアップし3位に入ったほか、解禁された全ての曲が200位以内に登場しています。しかもこのタイミングで、ビルボードジャパンは次週発表のソングスチャートからストリーミング指標に新たにSpotifyを加えると発表しており、これも嵐にとって追い風になるでしょう。CDを発売せずとも「Turning Up」がチャート上でも結果を残すことができれば、いよいよ他のジャニーズ事務所所属歌手も追随するかもしれません。(Kei)

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