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佐藤健の様々な表情を堪能! 『恋はつづくよどこまでも』天堂の不意打ちキスは“荒療治”?

リアルサウンド

20/2/5(水) 12:40

「これは治療だ」

 火曜ドラマ『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)第4話。懸命に想いを伝え続けた勇者こと七瀬(上白石萌音)に、ドS魔王の天堂(佐藤健)からの不意打ちキスが! 呆然となる七瀬に対して、サッと立ち去る天堂。このキスは、天堂をかばってケガをした七瀬を癒やすものでありながら、同時に天堂が過去の恋をきっかけに閉ざした心を、自ら開いていく“荒療治”だったのではないだろうか。

参考:これであなたも“来生担”! 『恋つづ』で「胸キュン絶賛模索中」と明かす毎熊克哉の素顔

 第3話で、天堂への恋心を仕事への熱意に転換させる、と宣言した七瀬。亡くなった天堂の恋人・みのり(蓮佛美沙子)との過去も理解した上で、「笑わせたい」と自分ができる精一杯を貫こうとする七瀬に、天堂の心は揺らぐ。単なる「岩石」から、自分の中の何かを突き動かす存在へ。その証拠に、第4話では天堂の心が透けて見える表情がいくつも飛び出した。

 七瀬のノートやポストに貼られた謎のメッセージ付きメモに、「ストーカーだ」と心配する来生(毎熊克哉)と天堂の姉・流子(香里奈)。対して、「だとしたら、モノ好きなやつだな。本当にいんのか? わざわざお前にちょっかい出すような男」と憎まれ口を叩く、モヤモヤ天堂。

 視聴者には面白く思ってないことがひしひしと伝わってくるが、3人にはいつものドS発言として処理されてしまう。さらに、来生と流子はストーカーから七瀬を守るために、来生が七瀬の恋人のようにガードする作戦を立てるからアセアセ天堂に。これには、チラ見どころではなくなり、思わず身を乗り出して聞き耳を立ててしまう。七瀬がふいに見つめると、今度はプイっと天堂。

 翌日から、天堂担であるはずの七瀬が、来生のもとで働き「いつのまに来生担に?」と周りから茶々を入れられ、ますますジェラ天堂に。そんな雑念を払おうとするかのように、仕事に没頭するメガネ男dism天堂も、いじらしい。

 その傍らでケータイを片手に悶々とする流子が「気になる人へのアクションは1度まで」と独自のいい女理論を語る。「今どきそんな」とツッコミ天堂だが、一緒に暮らすほど距離の近い姉弟のこと。もしかしたら、このやりとりには天堂の恋愛観にも影響しているところがあるのではないか。

 一方、生き別れた娘の結婚式に行きたいと願う患者のために、奮闘する七瀬。外出支援を提案するも、来生をはじめ多くの医師たちが反対するなか、天堂だけが自ら同行して、その案を支持。そんな天堂に、ますます七瀬は惚れ直すのだが、「遊びじゃないんだぞ、気を引き締めろ!」とピシャリ。そう、1度は自分からいっても、連続していけないのが、天堂家の恋愛なのだ。

 無事に娘との再会を果たした患者を見て、涙する七瀬。「たった10分だけど、その10分がどれだけ大切か……」と、感極まっている七瀬に、天堂は「なんだそれ」と冷ややかに言い放ちながらも、見えないところで思わず口角が上がる。ずっと仏頂面だった天堂だからこそ、そんな小さな表情から、心境の変化が手に取るようにわかる。

 そして、ストーカーに狙われた七瀬を救うときの天堂の鬼気迫る眼差し。普段のドS発言時とは全く違う鋭さにすることで、叱咤と怒りの差を見せた佐藤の演技は、実に見事だ(余談だが、金属材を構えたストーカーに「バカめ、こっちは『るろうに剣心』の佐藤健だぞ!」と、言いたくなったのは筆者だけだろうか)。

 「キスでも、デートでも、なんでも願いを叶えてやる」。自分をかばってケガをした七瀬を救うために、口から出たこの言葉は本音だったに違いない。だが、命に別状がないとわかると、「妄想だ」「俺はそんな約束してない」「バーカ」と、またいつもの天堂に。そう、天堂家は1度自分からいったら、2度連続はない……と思いきや、そのルールを破るかのような不意打ちキス。

 きっと恋には、自分の殻を貫くエネルギーがあるのだろう。七瀬が「できない」じゃなく「やる」と提案をしたように。天堂も、もう人を好きになることなんて「できない」と抑え込むのではなく、自分の思いに素直になっていこうとする兆し。そのエネルギーが、傷ついた人生を癒やし、「何のために生きるか」の答えに繋がっていくのかもしれない。

(文=佐藤結衣)

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