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新橋演舞場 四月大歌舞伎

20/3/28(土)

昼の部。 『身替座禅』はストーリーが分かりやすく色っぽくてコミカルな一本だ。狂言を歌舞伎に移した「松羽目もの」の一つで、舞台装置もシンプル、巡業公演でもよくかかる演目だ。 山蔭右京は愛人の花子に逢いたくて逢いたくてたまらない。こっそり家を抜け出して逢いに行きたいのだが、奥方玉の井に怪しまれるのが怖くてしかたない。そこで一計を案じる。「座禅を組む」と偽り、誰も近づけないように家来の太郎冠者に言い含め、彼に衾を被らせて自分の身替りにすることにした。そしてある夜こっそりと家を抜け出て花子と逢い引きをする。 玉の井も初めは夫を信じ、座禅の陣中見舞いにやってくるが、ふとした拍子に太郎冠者が身替りとなっていることを知り当然激怒。夫への腹いせのために太郎冠者を追い出して、自ら衾を被りじっと右京を待つ。 そうとは知らずほろ酔い気分で帰宅する右京。衾を被っているのが太郎冠者と思いこみ、花子とののろけ話を嬉しそうにしてしまう。衾を外してみるとそこにいるのは玉の井……。 亡くなった十八代目勘三郎の右京が思い出される。花子のことを思い出しながらうっとりと花道をやってくる。花子との逢瀬を語るくだりは桜の薫りすら漂ってきそうな風情が素敵だった。 そして今月は尾上菊五郎の右京に、玉の井は市川左團次。太郎冠者には河原崎権十郎。美しいモテ男の右京に、コワモテ感たっぷりの玉の井で、イキの合った右京と玉の井が楽しめそうだ。

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