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超特急は“最高を更新”し続けるーーホスト務めた『“超”超フェス』2日間をレポート

リアルサウンド

18/8/16(木) 18:00

 超特急をホストとするHMV presents BULLET TRAIN 6th Anniversary Special『“超”超フェス』が、8月8日~9日に東京国際フォーラム ホールAで開催された。デビュー5周年を記念した昨年の第1弾は、同じ事務所の私立恵比寿中学などを招いたツーマンライブ×5日間連続という形で行われたが、今回は、8日にものまね界の大御所であるコロッケ、世界を股にかけ活躍するPUFFY、ソロ参戦するDAIGO(BREAKERZ)が、9日に結成30周年のファンクバンドであるFLYING KIDS、キャッチーな歌を聴かせるベリーグッドマン、人気J-POP DJのDJ和と、かなり意外性のある6組がそろった。先日の超特急インタビューで語られていたとおりの「化学反応がすごく楽しみ」(タカシ)な顔ぶれだ。この記事では上記の“超GUEST”たちと“超HOST”超特急のコラボ曲や、超特急のステージを中心に振り返っていきたい。

(関連:超特急、6人で追求するグループのあり方「8号車と一緒に目指すところに近づいていきたい」

 初日となった8月8日は、超特急にとっては特別な“8号車(超特急ファンの愛称)の日”であり、記念すべき15枚目のシングル『Jesus』の発売日。ロビーにはレトロな屋台が並び、御輿やチンドン屋が練り歩き、ステージには“超特急”の文字入りの提灯をあしらった大きなやぐらが設けられていて、会場はテーマである夏祭りムード一色だ。そんな2日間が、テンション高めな超特急の新曲「SAIKOU KOUSHIN」(『Jesus』超超フェス盤に収録)でスタートした。

 “対バン”をテーマにメンバー全員で作詞に取り組んだという同曲。歌詞やサウンド面も熱くて勢いがあるのだが、TAKAHIRO(世界的なダンサー/振付師)による振付にも、タカシが逆さ吊りになるパートや野球やサッカー、ボーリングのファインプレーをモチーフにしたコミカルな動きなどが組み込まれており、のっけから異様なテンションの高さを見せ付けた。MCでは「どんな夏祭りも超えるライブに」(タクヤ)という宣言も飛び出した。

 1組目の“超GUEST”DAIGOは、今回のテーマに合わせた和テイストのヘアメイク&衣装で登場。超特急にならったオリジナルの自己紹介口上や自身が出演するセイバンの『天使のはねランドセル』のCMソングを披露するなど、エンタメスピリッツ全開のステージで8号車を大いに盛り上げた。さらに「超特急の曲が好きで、時々リハーサルで演奏することも……」と、サプライズで超特急随一のハードなナンバー「Beautiful Chaser」をカバーした一幕では、貫禄もしっかり見せ付け8号車の拍手喝采を浴びていた。

 DAIGOと超特急は昨年BREAKERZ主催の『BREAKERZ10周年10番勝負 -VS-』で共演しているが、その際に超特急をイメージして作ったというロックンロールナンバー「恋のスーパーエクスプレス」をこの日も披露。超特急のメンバーも参戦し、DAIGOのパフォーマンスをモチーフにした動きやDAIGOとの“連結”パフォーマンスを繰り広げたり、タカシもDAIGOとのツインボーカルで会場を沸かせた。「今日は“CRO”……超特急、6周年おめでとう!」とDAIGOらしく結んで、次のコロッケにバトンを渡した。

 続いて「今日のコロッケはいつもと違うよ~!!!」と、ダンサーを従えて登場したコロッケ。「R.Y.U.S.E.I.」(三代目 J Soul Brothers)や「FANTASTIC BABY」(BIG BANG)「Choo Choo TRAIN」(EXILE)と、電車をモチーフにしたダンス&ボーカルグループであり、K-POPを愛するメンバーを擁する超特急をイメージした選曲をメドレーで披露。それぞれ時間は短いのだが、ものまねしながらランニングマンなどの振付をしっかり踊っていたのにも驚かされた。また超特急からのリクエストに応じて、代表的な持ちネタのひとつである“五木ロボットひろし”も披露していたが、これも本格的なアニメーションダンスやポップダンスの要素を取り入れた難易度の高いパフォーマンスで、世代やジャンルを超えてインパクトを感じさせるものだったと思う。

 さらにコロッケによるものまね講座では、ドナルド・ダックの物まねをタカシがいち早くマスター。初歩的なヘリコプターの離陸音などに挑戦した際には、カイがアドリブで花火の音を入れるなど意外に健闘していた。ラストには超特急も参加して北島三郎の「祭り」のダンスバージョンで大盛り上がりに。「これが超特急祭りだよ~!!!」とこぶしをきかせて締めくくっていた。

 続くPUFFYも超特急とは初共演。MCでは「今回はなんで私たちを呼んでくださったのか……」(吉村由美)といぶかしげだったが、この日のオープニングでリョウガやタカシが「(アニメ)『ティーン・タイタンズ』の主題歌の人たちですよ」と話しており、子供の頃にPUFFYの楽曲にふれていたという縁もあったよう。「アジアの純真」など往年のヒット曲で、序盤から8号車もヒートアップ。

 「愛のしるし」には、リリース当時の大貫亜美と由美のコスプレ(?)をした超特急が登場。PUFFYとともに同曲のキュートな振りを踊りつつ、先ほどのコロッケに触発されたのかユーキがランニングマン、リョウガはギターソロに合わせてギターを弾くポーズを盛り込んだりとアドリブ満載で盛り上げていた。ラストの「渚にまつわるエトセトラ」では、8号車もみんなでサビの振りを踊るなど、和やかなムードでステージが終了。

 そしてここから“超HOST”超特急のステージへ。1曲目「Kiss Me Baby」では、「路地裏でキスしよ?」(ユーキ)、「浴衣姿かわいいじゃん!」(ユースケ)、「花火よりキミがキレイだよ」(カイ)と、夏祭りテイストにアレンジされた曲中のセリフ部分に黄色い悲鳴が上がっていた。2曲目の「Booster」は音源化されていない新曲で、ダンサー全員がアグレッシブなラップを披露するというのもポイント。しなやかな動きの中に超特急ポーズやユーキのアクロバットなどが盛り込まれたダンスも特徴的だ。こういったスタイリッシュな楽曲では、タクヤのクールな表情がひときわ映える印象だ。

 ニューシングルのタイトル曲「Jesus」では、くるくるとテイストを変えるサウンドやダンスに合わせ、メンバーも笑顔やヘン顔、キメ顔と表情にもメリハリを付けていたが、こういった部分に役者も兼ねるメンバーを含む超特急ならではのカラーが強く出ていたようにも感じた。続く同シングル収録の「超越マイウェイ」については先日のインタビューでメンバーも語っていたが、ゆるい歌詞やサウンドに、世界的に活躍するs**t kingzのkazukiによる密度の濃い振付という“フェイント感”を楽しむ楽曲。音からは想像できないほどの運動量の多さにも驚かされた。メンバーがかわるがわるドナルドのまねを入れていた本編ラストの「超えてアバンチュール」では、ユーキが「お前ら! まだまだ恥じらいあるんじゃねえの!?」という熱い叱咤激励を浴びせつつ、約5,000人と一斉にヘドバン。この日もっとも爆発的なステージングを見せていた。

 アンコールでは「SAY NO」「Burn!」とギターサウンドをフィーチャーしたハイテンションな楽曲を連発。ラストの「浮つきWAVES」では超GUESTたちも全員ステージに登場し、超特急手ぬぐいを回して楽曲に参加。落ちサビで「捧げろーーー!!!」(ユーキ)の合図でゲストも一丸となってヲタ芸風に歌うタカシを盛り上げるという絵面が、この日一番のインパクトを残していたように思う。

 翌9日もオープニングに超特急が登場し、この日はテクノやヒップホップなどくるくると展開するエキセントリックなサウンドで魅せる「Jesus」で幕開け。2日目のオープニングでは、それぞれが好きな屋台を語り合ったりとややリラックスモードだった6人。「今日を人生で一番の祭りにしようぜ!」(リョウガ)とテンション高めに1組目の“超GUEST” FLYING KIDSへとつなぐ。

 今年で結成30周年を迎えるFLYING KIDSは、ド頭からファンキーなグルーブサウンドで8号車を圧倒。サックスなども含む厚みのあるプレイを聴いていて、生バンドを従えた一昨年の超特急のツアー『LIVE TOUR 2016 Synchronism ~Body & Groovin’~』の空気感を思い出した8号車もいたかもしれない。フェスの法被を羽織ったフロントマンの浜崎貴司の「どうですかこの法被。テキ屋のお兄さんみたいでしょ?」のコメントには客席も爆笑。

 曲がダンサブルな「ファンキースター」に移ると、超特急が参戦。各ダンサーが普段のパフォーマンスではなかなか見せることのないディスコ風のソロダンスで魅了した。ボーカルのタカシが参加すると、「僕もタカシくんなんだよ(笑)」(浜崎)とステージ上で自己紹介が始まり、“Wタカシ”に8号車が白のペンライトを振って盛り上がる図もこの日ならでは。「幸せであるように」「風の吹きぬける場所へ」などの代表曲を含め、爽やかかつ大人なサウンドに8号車も聴き入っていた。

 超特急とは共演経験はないものの、8号車たちとの親和性の高さを見せ付けたのがDJ和だ。ステージで一番高いやぐらの上のDJブースからT.M.Revolutionの「HOT LIMIT」などの定番夏ソングや、事務所の先輩であるももいろクローバーの「行くぜっ!怪盗少女」など、幅広い世代に知られるキラーチューンを連投。さらに「夏色えがおで1, 2, Jump!」(μ’s)では、ヲタ特急(2013年の『BULLET TRAIN FAN MEETING Vol.06 ~【冬】僕らの全国制覇は、ここから始まる。1/47【TOKYO】なにげにクリスマスイブだよ!?追加公演~』などに登場したヲタク風キャラクター)姿のリョウガが登場。

 客席からやはりヲタ特急仕様のユーキが「帰り道」(八九寺真宵)で登場するくだりではリョウガが「帰り道」と書かれた本を持つなど仕込みもバッチリで、名曲「千本桜」(黒うさP feat. 初音ミク)では、2人が特大サイズのサイリウムでシンクロ感あふれるヲタ芸を打ち、8号車たちをハチャメチャに盛り上げていた。DJ 和自身もマイクで客席に語りかけつつ、「U.S.A.」(DA PUMP)ではシュートダンスを踊るなど、全力投球のプレイスタイルで5000人を踊らせていた。

 ラストの“超GUEST”となったベリーグッドマンは、先日北海道で行われたフェス『TOKACHI presents SUNNY TRAIN REVUE 2018』で超特急と初共演したばかり。ハイトーンのHiDEXら、声質のまったく違うメンバーが歌&ラップをしっかり聴かせつつ、曲間のトークやコール&レスポンスでは芸人ばりのテクニックで盛り上げるボーカルグループだ。額に“超”の字を描いて登場したMOCAは、「超フェスやっぱりNo.1!」などのワードを盛り込みながら、8号車たちとのコール&レスポンスをリードしていく。

 超特急は4曲目の「Vives UP!!」でタオルを振り回しながらコーラスでも参加。途中タクヤとユーキがブレイキンをキメるなどアドリブ風の要素も多く、曲中でユースケとMOCAがハイタッチをしたりと両者がともにコラボを楽しんでいたようだ。6人が去ったあとも人気曲「ライオン」などではしっかり聴かせ、“即興ソングコーナー”ではRoverがフリースタイルで<“超”超フェスめっちゃサイコー!>と盛り上げ、それに対して8号車がペンライトを振り回すという、あうんの呼吸が成り立っていた。

 コール&レスポンスの応酬が終わったあとは“超HOST”超特急の出番だ。「踊れ!歌え!今を楽しめーーー!!!」とユースケが叫び、フェスなどでの定番曲「バッタマン」へと突入。過去の『a-nation』など大型フェスでも度々パフォーマンスしてきた同曲だが、今回はホームということもあるのか、センターを担うユースケの表情にも確信犯的な強さが感じられた。

 この日の“超GUEST”たちのステージを振り返るMCでは、DJ 和のタイミングに登場したリョウガ&ユーキの話題に。勢いあまってサイリウムを遠くへ飛ばしていたユーキは「(頑張りすぎて)今日一番命削った」と告白。そして全員が口々に、ベリーグッドマンの流暢なステージングを「あれはパクりたい!」と羨望のまなざしを向けるひと幕も。

 爽やかなサウンドと6人でハートを作る組技がキュートな「up to you」などシングル収録曲に続けて、「fanfare」へ。8号車も一体となってシンガロングする部分では、タカシが「今日はもっとみんなの声を聴きたいんです! まだまだ足りないよ!?」と8号車を強めに煽りまくっていたのも印象的だった。本編ラストでは「最高を更新して始まり、最高を更新して終わる。つまりこの『“超”超フェス』が“神イベント”になるということです!」(ユーキ)と宣言し、前日の冒頭で披露した「SAIKOU KOUSHIN」の熱いパフォーマンスで締めくくった。

 アンコールでは「最後は一緒に騒いじゃおう!」(ユースケ)と、前日と同じく「SAY NO」「Burn!」という盛り上げ曲を連打。ラストの「浮つきWAVES」では“超GUEST”全員をステージに迎えつつ、ユーキ&DJ 和がそろってやぐらの上で踊るなど、初日よりもさらにヒートアップした形でエンディングを迎えた。

 共演経験のほとんどないゲストが大半だった2日間だが、この芸能界の百戦錬磨な先輩たちの芸を振りやMCにさっそく取り入れるなど、強心臓ぶりを見せていた超特急。以前のインタビューで超特急のレパートリーはフェスなどのステージを想定して制作されていると明かしたことがあったが、何よりもライブパフォーマンスに重きを置くグループとして第1弾、第2弾で学んだことは多かったに違いない。そしてMC中には「来年も超フェスを…9割やります(笑)。来年はおっきなお祭りしたいね!」(カイ)という予告めいたコメントも。次回の『“超”“超”超フェス(?)』は間違いなく第1弾、第2弾の“最高をも更新”するクオリティのものが期待できそうなので、早くも待ち遠しい気分だ。(古知屋ジュン)

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