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歌舞伎座『九月大歌舞伎』

20/8/21(金)

【第一部】『寿曽我対面』工藤館の場 【第二部】『色彩間苅豆』かさね 【第一部】『寿曽我対面』工藤館の場 歌舞伎には『〇〇曽我』など曽我と名の付く演目や踊りが多いのはご存じだろうか。この通称『対面』もそのひとつ。鎌倉時代、父を討たれた曽我五郎と十郎の兄弟が、顔も見知らぬ工藤祐経という仇に初めて対面するというドラマだ。 江戸時代はこの曽我兄弟を扱った「曽我もの」、いわば曽我シリーズを、毎年正月に各座とも上演していた。そして、五郎と十郎はその後も仇を探し続け、時に「助六」や「白酒売り」に身をやつし、ついに五月二十八日に父の仇を討つ。この「曽我祭」の日まで、各座とも延々とバージョンアップしながら曽我シリーズを上演していた。この傾向は幕末まで続いたとか。 この『対面』は河竹黙阿弥の補綴によるものだ。見どころのひとつが、さまざまな歌舞伎の役柄が織りなす歌舞伎の様式美だ。和事の十郎、荒事の五郎、座頭に工藤祐経、立女形の大磯の虎、それに続く化粧坂の少将、実事の鬼王新左衛門、道化の小林朝比奈、敵役の梶原景時・景高親子……。一座のスターが勢ぞろいする演目だった。また幕切れではそれぞれの役柄を鶴亀、富士の山に見立て、めでたく美しい絵面となり祝祭的な気分に包まれる。 中村梅玉の工藤、尾上松緑が曽我五郎、中村錦之助の曽我十郎、中村又五郎が朝日奈、中村歌六の鬼王、中村魁春の大磯の虎 という豪華な顔ぶれ。 【第二部】『色彩間苅豆』かさね 清元の舞踊『色彩間苅豆』と書いて「いろもよう ちょっとかりまめ」と読む。美しい腰元かさねと与右衛門の道行から、立廻り、殺し場、そしてかさねの怨霊が与右衛門を引きずり戻す「連理引き」へ。歌舞伎ならではの色艶から殺し、怨霊事への艶やかな一本だ。松本幸四郎の与右衛門、市川猿之助のかさね。

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