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布袋寅泰 GUITARHYTHMという人生

百点満点のツアーを終えロンドンへ チャレンジ精神を忘れず前に進む

毎週連載

第16回

19/9/8(日)

全国ツアー「HOTEI Live In Japan 2019 ~GUITARHYTHM VI TOUR~」ならびに最新作『GUITARHYTHM Ⅵ』の世界観をより深く理解するために、この連載ではGUITARHYTHMシリーズ6作品を読み解いてきた。最後に、怒涛のツアーを終え、ロンドンに戻った布袋寅泰からのメッセージをお届けする

── 全国24ヵ所を巡ったツアー「HOTEI Live In Japan 2019 ~GUITARHYTHM VI TOUR~」を終えての感想、手応えを教えてください。

布袋 ひとことで言うと「百点満点超えの過去最高のツアー」でした。パフォーマンスにおいて集中力を欠くことなく、バンドやスタッフとの息もぴったり合っていたし、オーディエンスの反応も素晴らしかった。途中、体調を崩しかけたときもあったけど、すべてのステージで自分を出しきったし、1本たりとも不満の残るライブはなかった。現在の布袋寅泰がすべてにおいて充実していることを証明できたと思います。夏のツアーは久しぶりで、ここ数年の日本の猛暑ぶりに当初はビビっていたけど、どうにか乗り越えました。クーラーがキツイよね。

── ライブにおける『GUITARHYTHM Ⅵ』収録曲の鳴り具合、セットリストにおけるハマり具合はどうでしたか。それは事前の予想どおりでしたか。違っていましたか。

布袋 完璧だったと思うよ。最新作から9曲やったわけだけど、GUITARHYTHMシリーズの曲にBOØWYやCOMPLEXのナンバーも交えて、古くからのファンにも新しいファンにも、音楽的な部分も、またエンタテインメントとしても、十分楽しんでもらえたと思う。『GUITARHYTHM Ⅵ』の曲はストーリー性があるし、サウンドも照明、演出も斬新なアプローチができたと思う。毒もあり華もあり、攻撃的でロマンチック。ロンドンから呼んだリズム隊も素晴らしかったしね。「最新の布袋が最高の布袋」でありたいという目的を更新できたし、オーディエンスの期待や予想を超える内容だったはずだよ。

── 印象的な会場、土地のエピソードをお聞かせください。

布袋 10年以上訪れていなかった街や、初めて行った街もある。大都市から少し離れた場所に足を運ぶのはとても新鮮だった。どこの会場も満員で熱狂的だったのはうれしかったよ。英国暮らしで募った望郷の思いもあって今回の滞在では日本の美しい自然や歴史や文化に触れたくて、ずいぶん観光もしたよ。最近ちょっと城にハマっていて、岩国城、弘前城、熊本城にも行ったよ。そんな様子をインスタグラムにアップしたりして楽しかったね。

── 12月に行われる「HOTEI GUITARHYTHM Ⅵ TOUR 2019 “REPRISE”」では今回の手ごたえを糧に、ひと味違った演出、アイデアで楽しませていただけそうですね。

布袋 マンウィズ(MAN WITH A MISSION)も参加してくれたファイナルの神奈川公演は、自己最高のライブだったと思う。ロンドンに戻ってもうすぐ1週間が経つけど、いまだ放心状態だよ。こちらは街の木々も色づき初秋の風が吹いているけど、僕の心ではまだ真夏の炎が消えないんだよ。“REPRISE”については正直まだ何も考えていない。しかし、この「GUITARHYTHM Ⅵツアー」を観ていない人もたくさんいるし、もう一度観たいと思っている人も多いと思う。基本的には同じコンセプトでバージョンアップされたものを見せたいと思ってるよ。大いに期待してほしい。オーディエンスの期待を超えるのが僕の楽しみだからね!

── GUITARYHTHMシリーズを継ぐアルバムをリリースし、全国ツアーを行った2019年はどのような1年でしたか。そして、きたる2020年はどのような活動を予定していますか。

布袋 来週にはクイーンのキーボードプレイヤーのスパイクのギグに参加したり、10月にはロンドンの小さなクラブでのギグもある。11月はファンクラブライブ、そして12月には“REPRISE”がある。あっという間に2019年も終わってしまうけど、実に意義のある1年だった。こうして長いキャリアを踏まえながら自己更新してゆくのは至難の技なんだよ。自分に退屈したらおしまい。来年は海外のライブを増やしたいし、ワールドワイドでのチャンスを狙っていくよ。東京オリンピック・パラリンピックがあるし、そして5Gの時代ももうすぐ到来する。立ち止まらずに常にチャレンジ精神を忘れず前に進んでゆくしかないよね。

── 最後に、連載を読んでくれた読者へメッセージをお願いします。

布袋 こうして『ぴあ』で短いながらも連載ができたことをとてもうれしく思います。これからも『ぴあ(アプリ版)』を末長くよろしくお願いします!(笑)

構成/編集部 写真/山本倫子

布袋寅泰「GUITARHYTHMという人生」、今回で最終回となります。GUITARHYTHMというライフワークに込めたメッセージ、貴重なエピソード、布袋寅泰が刻んできた足跡の革新性と普遍性、あらためて味わっていただけたらと思います。ご愛読ありがとうございます。

プロフィール

布袋寅泰

伝説的ロックバンドBOØWYのギタリストとして活躍し、1988年にアルバム『GUITARHYTHM』でソロデビュー。プロデューサー、作詞・作曲家としても高く評価されており、クエンティン・タランティーノ監督の映画『KILL BILL』のテーマ曲となった「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY(新・仁義なき戦いのテーマ)」が世界的に大きな評価を受ける。2012年より拠点をイギリスへ。2014年にはThe Rolling Stonesと東京ドームで共演を果たし、 2015年10月にインターナショナルアルバム『Strangers』がUK、ヨーロッパでCDリリースされ、全世界へ向け配信リリースもされた。2017年4月にはユーロツアー、5月には初のアジアツアーを開催。12月7日から「HOTEI GUITARHYTHM Ⅵ TOUR 2019 “REPRISE”」がスタート。


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