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『麒麟がくる』織田信長と明智光秀に修復不能な亀裂が 長谷川博己が踏み出そうとする一歩

リアルサウンド

21/1/25(月) 6:00

 今や家康(風間俊介)までもが信長(染谷将太)を見限ろうとしていた。NHK大河ドラマ『麒麟がくる』の第42回「離れゆく心」では、光秀(長谷川博己)と信長の間に修復不能な亀裂が走る。

 天正六年、光秀の身に大きな事件が降りかかる。娘の岸(天野菜月)を嫡男に嫁がせている荒木村重(松角洋平)が信長を裏切り、城に立て籠もったのだ。荒木は、信長の理不尽な仕打ちの数々を上げ、今後は毛利側に付いて義昭(滝藤賢一)を再び京へ戻すための手助けをしたいと話す。

 光秀は、全ての争いは皆が義昭を慕っていることに起因すると気づき、意を決して義昭の元に走る。だが義昭自身は、毛利は自分を利用しているだけで上洛は実現しないだろうと考えていた。義昭が京へ戻ることで戦が収まると声をかける光秀。しかし、義昭は真っ直ぐに光秀の目を見て「そなたひとりの京であれば考えもしよう」と答えるのみ。その後、岸は離縁され、荒木の籠城は1年にも及んだ。

 そんな折、家康の妻と嫡男が敵に通じ、三河を乗っ取る企みがあると考えた信長は、家康に2人を殺せと命じてきたという。だがたとえそれが事実であろうとも、そこまで口出しされる筋合いはないと憤る家康。「今後、あまりに理不尽な事を申された時は、己を貫くしかありません」と口調を強めるのだった。

 光秀は、京の二条の館を訪れる。毛利を討つのもあと一息となった信長は、たいそう機嫌がよい様子。光秀が家康の一件をとがめるが「止む終えまい」と一蹴する。信長は三河の者を信用しておらず、家康を試そうとしていた。光秀は「それでは人は、ついて参りませぬ」と諭そうするが、信長は「ついて参らなければ成敗するだけじゃ!」と声を荒げる。その傲慢不遜な態度は光秀が言葉を失うほど。

 信長は、光秀が帝(坂東玉三郎)に拝謁したことを酷く気にしており、自分の話をしたのではないかと執拗に問いただしてきた。「御所でのことは、一切口外できない」と頭を下げる光秀に、疑心暗鬼の信長は「申せ! 申せ!」と、扇子で何度も執拗に顔を打ち付ける。そして、額から血を流す光秀を見つめながら、とうとう「帝を変えよう。譲位して頂こう」などと言い出す始末。光秀に1年以内の丹波平定を申し付け、不可能ならその時には考えがあると脅すのだった。

 光秀と信長の亀裂はどんどん深まるばかり。信長と強固な主従関係にある秀吉(佐々木蔵之介)に対しても荒木の説得に「来るな」と声を荒げるなど、光秀の信長方での立ち位置が変わりつつあるのは明らかだ。今や一番の足枷となる信長の心を変えることはできない。

 駒(門脇麦)から義昭が「十兵衛となら麒麟を呼んでくる事が出来るかもしれない」と思っていると聞かされた光秀。帝の言葉、松永の平蜘蛛、家康の気持ち、義昭の文、様々な人々の様々な思いに突き動かされ、光秀は一歩を踏み出そうとしている。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
大河ドラマ『麒麟がくる』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアムにて、毎週日曜18:00~放送
BS4Kにて、毎週日曜9:00~放送
主演:長谷川博己
作:池端俊策
語り:市川海老蔵
音楽:ジョン・グラム
制作統括:落合将、藤並英樹
プロデューサー:中野亮平
演出:大原拓、一色隆司、佐々木善春、深川貴志
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/kirin/
公式Twitter:@nhk_kirin

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