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阪本順治監督『半世界』&今泉力哉監督『愛がなんだ』が『TIFF』コンペ出品

CINRA.NET

18/9/21(金) 12:00

©2018「半世界」FILM PARTNERS

阪本順治監督の『半世界』と、今泉力哉監督の『愛がなんだ』が『第31回東京国際映画祭』コンペティション部門に出品されることがわかった。

10月25日から東京・六本木ヒルズ、EX THEATER ROPPONGI、東京ミッドタウン日比谷、日比谷ステップ広場で開催される『第31回東京国際映画祭』。2018年1月以降に完成した長編映画を対象とした今年のコンペティション部門には、109の国と地域から1829本の応募があり、16本が選出された。そのうち日本映画の出品は2作品。そのほかの選出作品の発表は9月25日を予定している。

2019年2月に公開される『半世界』は、地方都市で炭焼き職人として生計を立てる男・紘が、田舎に帰ってきたかつての同級生・瑛介との再会や、もう1人の同級生・光彦の言葉をきっかけに仕事や家族と向き合っていくというあらすじ。仕事を理由に家庭を妻に任せ、反抗期の息子にも無関心だったことに気づく主人公の紘役を稲垣吾郎、元自衛官の瑛介役を長谷川博己、光彦役を渋川清彦、紘の妻・初乃役を池脇千鶴が演じる。

『愛がなんだ』は、角田光代の同名小説が原作。一目惚れしたマモルを一途に追いかけ、自分の時間を全てマモルに捧げるも、都合のいい女だと思われていることを自覚している28歳のOL・テルコと、彼女を取り巻く様々な人物を描く恋愛群像劇だ。テルコ役を岸井ゆきの、マモル役を成田凌が演じる。公開は2019年春。

阪本順治監督のコメント

『半世界』は、私が以前から書き溜めていた異なる2本のあらすじを融合させ、さらに換骨奪胎に臨んで作り上げた物語です。ある地方都市の同級生3人と、その家族や背景を淡々と紡いだものです。グローバリズムが叫ばれて久しいけれど、世界の一体化なんぞ、たかが経済のため。紛争も経済のひずみから。飯喰って働いて子孫を作って、こっちも世界じゃないのかよ。そんな想いが、この作品への動機となりました。そして、製作過程において、映画作りは自分の居場所を見つける作業ではなく、自分の中に他者の居場所を見つける作業だということを、あらためて知ることができました。新しい地図を携えて、未知なる土地へと。そんな私たちの新たな道行きを、ぜひご堪能ください。

今泉力哉監督のコメント

誰かを心から好きだ、という感情を持ちながらも、それを伝えずにいる、という人はたくさんいると思う。それはやはり伝えないからこそ保たれている関係性が壊れるのを恐れているからだ。「好き」という言葉から逃げながら、それでもマモちゃんのそばにいたいテルコ。それは角度によってはストーカーやサイコパスに見えるかもしれない。でもストーカーやサイコパスになる可能性がない恋愛なんて存在するのだろうか。それを愛と呼べるのだろうか。テルコをはじめとした、〈誰かを思いきり好きな登場人物たち〉に嫉妬しながら、また、その好意が持つ温度に気をつけながら、この映画を作りました。みなさまにも楽しんでもらえれば幸いです。

プログラミングディレクター矢田部吉彦のコメント

『半世界』は阪本順治監督のオリジナル脚本が素晴らしく、3人の友情物語を軸に、複数のエピソードを交えながらやがて命の通った夫婦のドラマとしても見事に結実していく。家族は少し面倒だなと思いつつ父から継いだ仕事に意地で向き合う主人公の姿には崇高なリアリティーが備わっている。自然な佇まいの稲垣吾郎は天性の映画俳優としての演技力をいかんなく発揮し、池脇千鶴が絶品の存在感で脇を固める。『愛がなんだ』は、ロマンティック・コメディー群像劇でキャリアを築いてきた今泉力哉監督が角田光代の原作を映画化した。恋愛ゲームは基盤にあるが、好きな相手に対する想いが究極の形を取るに至り、『愛がなんだ』は並の恋愛映画の枠を超えてゆく。女性作家の視点を得て、今泉ワールドが深化した。コケティッシュな魅力が溢れる岸井ゆきの、ふてぶてしい説得力の成田凌の演技も特筆に値する。両作品ともに本年の日本映画を異なる形で代表する作品である。

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