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雨宮天、初のバンドスタイルに挑戦した幕張公演2DAYS

ナタリー

20/1/26(日) 12:30

雨宮天(撮影:江藤はんな[SHERPA+])

雨宮天が1月18、19日に千葉・幕張メッセ 幕張イベントホールでワンマンライブ「LAWSON presents 雨宮天ライブ2020 "The Clearest SKY"」を開催した。この記事では19日公演の模様をレポートする。

これまでもライブでさまざまな挑戦をしてきた雨宮だが、今回は初めてバンドを携えてパフォーマンスを展開。過去最大キャパシティとなる会場にて、より深く濃厚な形で“雨宮天の世界”を届けた。

スモークの中から姿を現した雨宮は、凛とした佇まいで「Defiance」を歌唱。芯の強い歌声と迫力のあるバンドの生演奏が合わさり、すさまじいエネルギーが場内に満ちていった。その勢いを加速させるように、雨宮はダンサーのダイナミックなパフォーマンスをバックに「Eternal」を披露する。「チョ・イ・ス」では満面の笑顔で客席の隅々まで手を振ったり、ダンサーと共に花道を走ったりと、元気いっぱいのステージングで会場を盛り上げた。雨宮は「今日はぶち上げていくので、皆さんご覚悟のほどよろしくお願いいたします!」と気合いたっぷり。「Regeneration」ではシンフォニックなロックサウンドに乗せて透明感のある歌声を響かせ、オーディエンスを力強くも美しい世界観へと引き込む。そしてジャジーなサウンドをバックに「irodori」をつややかに歌い上げたかと思えば、続く「Abyss」では重厚なサウンドに乗せて切迫感のある歌声を届け、幅広い表現でオーディエンスを圧倒した。

その後、雨宮は「月灯り」「誓い」といったバラード曲をドラマティックなサウンドに乗せてたおやかに歌唱し、一度ステージを離脱。そして雨宮が読み上げるシリアスな朗読が流れ、怪しげな空気が会場に広がっていく。オーディエンスが息を呑んで朗読に聞き入っていると、手を拘束され、目隠しをされた状態の雨宮が王座に座って登場。妖艶に踊るダンサーに囲まれながら、雨宮は「メリーゴーランド」「羽根輪舞」を演じるように歌い上げ、その危うげな美しさでオーディエンスを魅了した。さらに雨宮は王座を離れて階段を降り、歌謡テイストの強い「VIPER」をパフォーマンス。雨宮は朗読を交えたパートについて「ライブでも声優っぽいことをしたいなと考えて、怪しげな朗読をしようということになりまして。自分で朗読の文を考えて、読むときも『ここを溜めよう』と考えたので、皆さんに少しでも『何が起こるんだろう?』と感じてもらえていたらうれしいです」と目を輝かせた。

白い衣装にチェンジした雨宮が続いて披露したのは、自身で作詞作曲した「火花」。9月に行われた「LAWSON presents 第2回 雨宮天 音楽で彩るリサイタル」大阪・Zepp Namba公演でワンコーラス分歌い、ファンの期待を集めていたこの曲を、今回はフルバージョンでバンドの生演奏をバックに歌い上げた。その後は「RAINBOW」「Lilas」とさわやかなナンバーが続き、シンガロングやコールで会場の一体感が高まっていく。雨宮はセンターステージで「こうやって間近でみんなの笑顔を見ながら、一緒に楽しい時間を過ごしていると、これまでがんばってきてよかったなと思います」と顔をほころばせ、「この“真っ青な時間”を笑顔で作れているのは、みんなのおかげだと思います。いつもありがとうございます!」とイメージカラーの青に染まった客席を見渡した。そして雨宮は1月15日にリリースしたばかりの記念すべき10thシングル曲「PARADOX」をパフォーマンス。これまでシリアスな世界観を持つ楽曲を歌うことが多かった雨宮だが、ポップなこの曲をキュートに歌い、新たな表情を見せてファンを喜ばせた。

ライブ終盤を迎え、雨宮は「Velvet Rays」や「Silent Sword」といったロックナンバーを連投。観客のペンライトを握りしめる手にも力がこもり、場内は熱気に満ちていった。「Trust Your Mind」を力強い眼差しで歌い上げた雨宮は「まだまだそんなもんじゃないでしょー!」と観客をさらに煽り、「VESTIGE」を熱唱。重厚なバンドサウンドに乗せて、パワフルな歌声を響かせた。そして「みんなが背中を押してくれる限り、絶対に進み続けていくという決意を乗せて歌いたいと思います!」と、雨宮が最後の1曲に選んだのはデビュー曲「Skyreach」。デビュー当時の5年前にも見せていた青いスタンドマイクを使いながら力強い意志を歌い上げ、大歓声を浴びながらステージを去った。

熱いアンコールに呼ばれて再び登場した雨宮は、センターステージで「GLORIA」をじっくりと歌唱した。この日のライブが映像化されることも発表され、会場は大盛り上がり。ここで雨宮はそっと言葉をしぼり出すように「この幕張の大きいステージに立つのは怖かったんです。今まで私はずっといろんなことに挑戦してきたけど、毎回すごく怖いんですよ。自分に自信がなくて……『今までやってこられたけど、今回は無理かもしれない』って何度も思うんです」と本音を吐露する。しかし自身を囲む観客を見渡しながら「でも、これからまだまだ負けたくないわけよ! 挑戦していきたいんです! 絶対そのたびに足も手も全部震えて『無理かもしれない』と思うだろうけど、みんなのことを考えたら、どんな壁も乗り越えていけるんじゃないかなと思います。それが“雨宮天のスタイル”なんだなって、5年を経て思います!」と力強く宣言。そして「1人じゃこわくて無理なんです。私は強くないから、心が折れてしまう。でも、みんながいてくれるから乗り越えていけるし、初めてのことも、緊張する瞬間も絶対に最高の時間に変えていける。だからこれから先も、私に力を貸してください。よろしくお願いします!」と深くおじぎをして、その思いに応えるファンの大喝采を浴びた。

最新シングルのカップリング曲「一番星」を元気いっぱいに披露した雨宮は、最後に「Song for」を晴れやかな笑顔で歌い上げた。金テープが舞う華やかな光景の中ライブを終えた雨宮だったが、終演後もダブルアンコールを求める声が鳴りやまない。最後にもう一度ステージに現れた雨宮は「今日のライブは5年間の集大成で、今の雨宮天にできることをすべて詰め込みました。これがみんなが応援してきて作ってくれた“雨宮天”です! ありがとうございました!」と涙をこらえながら叫び、初のバンドスタイルでのライブを充実した表情で終えた。

雨宮天「LAWSON presents 雨宮天ライブ2020 "The Clearest SKY"」2020年1月19日 幕張メッセ 幕張イベントホール セットリスト

01. Defiance
02. Eternal
03. チョ・イ・ス
04. Regeneration
05. irodori
06. Abyss
07. 月灯り
08. 誓い
09. メリーゴーランド
10. 羽根輪舞
11. VIPER
12. 火花
13. RAINBOW
14. Lilas
15. PARADOX
16. Velvet Rays
17. Silent Sword
18. Trust Your Mind
19. VESTIGE
20. Skyreach
<アンコール>
21. GLORIA
22. 一番星
23. Song for

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