大晦日、12月31日（火）に東京・上野の東京文化会館で、「ベートーヴェンは凄い！　全交響曲連続演奏会2019」が行われます。楽聖・ベートーヴェンが遺した第1番から第9番までの交響曲のすべてを、1人の指揮者、1つのオーケストラで、1日で演奏してしまおうという試みで、私が企画の一端を担い、2003年から行っています。最初は無謀な試みだと言われましたが、早いもので今年で17回め。お客さんにはリピーターも多くおられ、「これを聴かないと一年が終わる気がしない」という嬉しい声もいただきます。 最初は3人の指揮者が3曲ずつで始めましたが、そのなかのお一人でいらした故・岩城宏之さんが「全曲を自分だけで振りたい」とおっしゃってから、いまのスタイルになりました。 オケはＮ響コンサートマスターの篠崎史紀さん率いるピックアップ・メンバー。岩城さんが亡くなられた年は、ゆかりのある指揮者9人に1曲ずつを振っていただきましたが、それ以来、一年にこの日だけの「イワキ・メモリアル・オーケストラ」と名乗っています。そして、9人のうちのお一人の小林研一郎さんが、いまでは毎年オケと息ぴったりの力あふれる指揮で全曲を演奏して下さっています。 さらに今年はスペシャル・ゲストとしてピアニストの横山幸雄さんが、リスト編曲の「第9」の第4楽章を披露して下さいます。9つの曲は独立して聴いても素晴らしいのですが、こうして一気に聴くと、ほんとうの凄さがわかります。13:00から23:55までの長丁場（もちろん休憩は長短数回あります）で、なおかつ手前味噌ではありますが、ベートーヴェンの凄さを味わっていただくのに、ぜひおすすめしたいコンサートです。