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櫻坂46と平手友梨奈は、互いに刺激し高め合える関係に? 欅坂46から派生した2組の行方

リアルサウンド

20/12/16(水) 6:00

 先日、1stシングル『Nobody’s fault』を発売した櫻坂46。その前日には全国の映画館で生中継された公演『デビューカウントダウンライブ!!』も成功し、いよいよ本格的な活動がスタートした。楽曲ごとに3人がセンターを務める新体制から伝わるのは、“全員で成長していく”という強い意思だ。一方で、今年1月に同グループを脱退した平手友梨奈は、先週放送された『2020 FNS歌謡祭 第2夜』(フジテレビ系)でソロ活動開始後初のオリジナル曲「ダンスの理由」をサプライズ披露。その圧巻のパフォーマンスに、全国に衝撃が走った。もともとは欅坂46として同じチームであった両者。楽曲もどこか意識し合ってるようでつい深読みしたくなるものがある。両者は今後どのような活動を見せていくのだろうか。

 「サイレントマジョリティー」でデビューし、その後も「不協和音」や「ガラスを割れ!」など、メッセージ性の強い楽曲をリリースし続けた欅坂46は、全シングルでセンターを務めてきた平手友梨奈のカリスマ性に加え、センターポジションの重要な楽曲の路線も相まって、彼女以外のメンバーが存在感をやや発揮できなかったのが正直なところ。もちろんファンからすればたくさんの魅力に溢れたグループだっただろうし、実際筆者もそう思っているのだが、それは世間にとってなかなか見えにくい部分だったかもしれない。

 しかし、櫻坂46になって前面に押し出されているのが、チームワークを大切にする姿勢や、積極的に新しいことに挑戦していく賑やかな空気感だ。以前は発信するメッセージにもどことなく戸惑いがあったように思う(なにせ楽曲が“不協和音”だったのだから)。だが、改名を機に伝えたいことや見せるべきことがはっきりしてきた印象がある。重さや複雑さがなくなり、発する言葉もスッキリとしている。“笑わないアイドル”とも言われてきた彼女たちの表情にも、最近は笑顔が戻ってきているようだ。

 同様に平手についても、これからはなんのためらいもなくやりたいことに集中できるのではないか。在籍中は、彼女を応援するということがグループのためになるのかという、ある種の推しにくさがファンの心中にあったように思う。彼女が評価されればされるほど他のメンバーの影が薄くなっていくというジレンマ。まさに「あっちを立てればこっちが立たない」という個人とグループの板ばさみ。しかし、今はそれがない。気兼ねなくそれぞれの活動に注力すればいい。

 思うに、両者は互いに刺激し高め合える関係になるのではないか。櫻坂46のメンバーたちも今回の平手のパフォーマンスに刺激を受けただろうし、平手も櫻坂46の作品に刺激されているはず。両者の方向性がぶつかり合っているということもない。たとえば、平手のアーティスト性が完全に“孤高”なのかと言うとそういうことでもない。「ダンスの理由」のパフォーマンスはダンサーたちとのれっきとしたチームワークで成り立っている。逆に、櫻坂46に“個人の輝き”がないかと言われれば、それもまったく違う。今作の3人のセンターはそれぞれ独特のオーラと個性的な魅力を放っている。どちらも同じグループから派生した、クリエイティブに真剣なアーティスト同士である。

 なので、両者はこれからも、お互いに成長して坂を駆け上がっていけばいい。登った先のどこかでまた共演できるような、ポジティブな相乗効果に期待する。

■荻原 梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
Twitter(@az_ogi)

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