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出色の新キャスト! ミュージカル『RENT』より平間壮一、甲斐翔真ら出演回をレポート

ぴあ

ミュージカル『RENT』ゲネプロより

1996年のニューヨークでの初演以来、世界中で熱烈な支持を集め続けているミュージカル『RENT』 の3年ぶりとなる日本公演が、11月2日(月)から12月6日(日)まで東京・シアタークリエで開催されている。貧困、エイズ、ドラッグ、同性愛……様々な生きづらさを抱えながらも、1年=525,600分を“愛”で測ろうとする、イーストビレッジの若者たちの群像劇。ほぼ全役Wキャストのうち、平間壮一がマークを、甲斐翔真がロジャーを、遥海がミミを、加藤潤一がコリンズを、RIOSKEがエンジェルを、鈴木瑛美子がモーリーンを、宮本美季がジョアンヌを、吉田広大がベニーを演じた11月1日(日)のゲネプロを取材した。

ミュージカル『RENT』ゲネプロより

音楽の力は、魔法のように強大だ。例えば「どんな闇夜もやがて朝が」という『レ・ミゼラブル』の歌詞は、言葉単体だと「いやどんな明るい昼にもやがて夜が…」という反論を生みかねないが、歌になると聴く者すべてに希望を与えてしまう。同じように『RENT』を象徴する歌詞である「No day but today(過去もない、未来もない、今日という日を精一杯生きる)」も、音楽に伴われることで「いや明日のことも少しは考えよう?」という冷静な大人の反論を封じ込め、誰しもを刹那的な若者の気持ちにさせてしまうのだ。ニューヨークでのプレビュー公演前日に35歳の若さでこの世を去った、脚本・作詞・音楽のジョナサン・ラーソン自身の経験が元になっている『RENT』では、その力はさらに強大と言える。

とはいえもちろん、誰が歌っても魔法がかかるというわけにはいかないなかで、今年の日本版『RENT』カンパニーは“魔法使い”の集まりのような印象。息を吸うように自然に歌うことのできるキャストが揃っているため、叫びのような歌声にも囁くような歌声にも、ジョナサン・ラーソンが音符に込めた魂と勢いがきちんと切実に乗っている。その上で一人ひとりがのびのびと、それぞれ役のキャラクターにも合った個性を発揮しているのは、“多様性の時代”の現れか。わけても遥海ミミと鈴木モーリーンは、観客の目と耳を釘付けにするに十分な出色のパフォーマンスを見せていた。

キャストの熱演によって、そのポテンシャルを存分に引き出された形の名曲たちだが、なかでもやはり「Seasons of Love」は鉄板中の鉄板。少なくとも筆者は、あれほど少ない音数で確実に涙腺を刺激してくるイントロを持つ楽曲をほかに知らない。コンサートやテレビCMなどでも度々使われているため、誰もが一度は耳にしたことがあるだろうが、ミュージカルのなかで、『RENT』の世界の住人たるキャストとバンドによって奏でられるそれはやはり、格別の味わいだ。

文:町田麻子

ミュージカル『RENT』ゲネプロより

ミュージカル『RENT』

脚本・歌詞・音楽:ジョナサン・ラーソン
演出:マイケル・グライフ
出演:
マーク:花村想太(Da-iCE) / 平間壮一(Wキャスト)
ロジャー:堂珍嘉邦(CHEMISTRY) / 甲斐翔真(Wキャスト)
ミミ:遥海 / 八木アリサ(Wキャスト)
コリンズ:加藤潤一 / 光永泰一朗(Wキャスト)
エンジェル:RIOSKE(COLOR CREATION) / 上口耕平(Wキャスト)
モーリーン:フランク莉奈 / 鈴木瑛美子(Wキャスト)
ジョアンヌ:宮本美季
ベニー:SUNHEE / 吉田広大
奈良木浚赫 / ICHI / コリ伽路 / 小熊綸 / 吉田華奈 /吉原シュート

【東京公演】
2020年11月2日(月)~2020年12月6日(日)
会場:シアタークリエ

【愛知公演】
2020年12月11日(金)・12日(土)
会場:愛知県芸術劇場 大ホール

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