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長塚圭史演出『近松心中物語』チケット一般発売スタート! 製作発表より田中哲司、松田龍平、笹本玲奈、石橋静河らのコメント紹介

ぴあ

『近松心中物語』製作発表より、左から 長塚圭史、笹本玲奈、田中哲司、松田龍平、石橋静河  撮影:阿久津知宏

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2021年9月~10月に神奈川を皮切りに全国で上演されるKAAT神奈川芸術劇場プロデュース公演『近松心中物語』のチケットが本日7月24日(土)10:00より発売される。

『近松心中物語』は、戦後を代表する劇作家・秋元松代の名作戯曲。近松門左衛門による人形浄瑠璃『冥土の飛脚』をベースに、いくつかの世話物を織り交ぜて描かれたふた組の男女の物語。蜷川幸雄の演出により1979年に帝国劇場で初演されて大ヒットを記録し、蜷川幸雄の名を全国に知らしめただけでなく、秋元松代は今作で菊田一夫演劇大賞を受賞。その後数々の演出家、キャストにより繰り返し上演されている演劇界の金字塔的作品だ。

今回は2021年4月よりKAAT神奈川芸術劇場の芸術監督に就任した長塚圭史が、同劇場のメインシーズン幕開けに自身の演出でおくる。

今作の上演を決めた理由について長塚は、秋元松代が横浜出身であり、神奈川県が誇る劇作家であること、2019年に同劇場で上演された秋元のもうひとつの傑作『常陸坊海尊』で演出を手がけた際に「簡潔でありながら非常に味わい深い台詞の魅力に惹かれた」と語り、『近松心中物語』は「身分制度が厳しくお金がものを言う元禄時代にどうしようもなくなって、行き場がなくなって死を選ぶ梅川と忠兵衛、ある程度裕福ながらも心中という物語に恋してしまうお亀と生の執着から逃れられない与兵衛という、ふたつのカップルの様は、今の格差社会においても非常に雄弁なのではないか。若者たちのこの刹那を一生だと思う、永遠だと思うエネルギーも大きく惹かれたところ。やはり死ぬということは生を照らすこと。このことが大きく響けば今の世の中では難しい肉体性みたいのものも大いに堪能できるのではないか」と作品の魅力を語った。

『近松心中物語』メインビジュアル

遊女・梅川と恋に落ちたことで金に追い詰められていく亀屋忠兵衛を演じる田中哲司は、「忠兵衛という役は本当に自分にとってハードルが高い役。(役の年齢が20代ということにふれ)これはヤバいぞと。もし稽古場でジジくさかったら注意してねと言っています(笑)」と笑いを誘った。

忠兵衛を助けるため店の金に手をつけ、家を出ることになった傘屋の婿養子・与兵衛を演じる松田龍平は、「(与兵衛は)すごく筋を通す人だな、と感じます。自分が本当にどうやって生きていきたいのかは分からないんだろうなと。ただ自分の周りにいる大切にしている人に対しての筋は通していて、心中するというのも、自分が死ぬ気はなくても大切な人がそうしたいなら仕方ない、そうしよう、という人なんだなあと。これからせりふを入れて芝居をしながら、役を噛みしめていきたいと思っています。」と意気込んだ。

忠兵衛と電撃的な恋に落ちる梅川を演じる笹本玲奈は「和物に挑戦することも初、共演者の方々もはじめましてで、長塚さんの演出も初めてご一緒するので初めてづくしですが、皆にしっかりついていきたい。梅川についてはあまり多くが語られていないですが、せりふの節々から彼女の人柄がうかがえるので、バックグラウンドをしっかりつくっていきたい」とコメント。

与兵衛に恋焦がれる妻・お亀を演じる石橋静河は「脚本を読み終わったあとになんてはかないんだ、という気持ちがすごく残って、その最初の印象を大事にしたい。お亀は本当に可愛い人。ただその可愛らしさが同時に危うさも生んでいて、そこが難しいだろうなと思いつつ、余計な事は考えずにただ真っすぐに演じられたらいいなと思います。」と、作品と役への思いを語った。

今期のメインシーズンのテーマ“冒(ぼう)”に相応しく、これまでの上演では80人規模の出演者で描かれてきた同戯曲を19人の出演者で描くという挑戦もあり、また、音楽は昨年デビュー30周年を迎えたラップグループ、スチャダラパーが担当(キャストも歌う予定!?)と、元禄時代のふたつの恋物語をどう現代に蘇らせるのか、注目が集まる。

『近松心中物語』の上演は9月4日(土)から20日(火)までKAAT神奈川芸術劇場 ホールにて。その後福岡、愛知、兵庫、大阪、長野を巡演する。福岡公演は8月1日(日)より、兵庫・長野公演は8月7日(土)、愛知公演は8/14(土)、大阪公演は8/17(火)よりそれぞれチケット一般発売開始予定。

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