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『半沢直樹』賀来賢人や今田美桜ら新キャストに注目 吉沢亮の再登場はあるのか?

リアルサウンド

20/7/18(土) 6:00

 7月19日から放送がスタートする『半沢直樹』(TBS系)7年ぶりの続編は、舞台を銀行から東京セントラル証券に移し、半沢直樹(堺雅人)の逆転劇を描く。すでに公式サイトでは相関図も公開されており、前作の主要キャラクターが続投するほか、ドラマオリジナルを含む新キャストも登場する。

参考:『半沢直樹』特大ヒットの背景にあったもの 堺雅人の「倍返し」を支える同期と家族

 原作は池井戸潤『ロスジェネの逆襲』と『銀翼のイカロス』。小説版『半沢直樹』シリーズは、それぞれが独立したエピソードになっている。シリーズを通して、原作とドラマの両方に登場するのは、頭取の中野渡謙(北大路欣也)と同期の渡真利忍(及川光博)のみ。妻の花(上戸彩)と半沢の宿敵・大和田暁(香川照之)は『ロスジェネ』『銀翼』に登場しないが、ドラマ版では顔を見せる。前シーズンで熾烈なバトルを繰り広げた金融庁の主任検査官・黒崎駿一(片岡愛之助)も再び半沢の前に現れる。

 半沢を取り巻く人間関係は、銀行を中心とする企業社会の一断面だ。前作最終話で中野渡から出向の辞令を受けた半沢の新たな肩書は、証券の営業企画部部長。出向先の証券は東京中央銀行の子会社であり、両者の間には明確な力関係が存在する。

 証券のプロパー社員で半沢の部下になるのが、森山雅弘(賀来賢人)と浜村瞳(今田美桜)だ。原作でロスジェネ世代として登場する森山は、バブル世代で出向組の半沢に厳しい目を向ける。『今日から俺は!!』(日本テレビ系)や『スーパーサラリーマン左江内氏』(日本テレビ系)など福田雄一監督作品で人気を博す賀来は、最近では『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』(日本テレビ系)のアウトロー刑事や、『死にたい夜にかぎって』(MBS・TBS)の情緒不安定な彼女に振り回されるダメ男など役柄の幅を広げており、今作が待望のTBS日曜劇場初出演となる。半沢の右腕として、銀行を相手に倍返しの一翼を担う。

 今田演じる瞳はドラマオリジナルのキャラクターだ。今年1月3日に放送されたスペシャルドラマ『半沢直樹イヤー記念・スピンオフ企画~狙われた半沢直樹のパスワード~』(TBS系)では、新入社員として新システム導入プロジェクトに関わり、半沢の倍返しのスピリットを継承した。今田は、2015年のドラマデビュー以来、『僕たちがやりました』(カンテレ・フジテレビ系)、『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)、『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)など話題作に出演。意思を秘めた目力が強い印象を与える若手女優の一人だ。8月からは『親バカ青春白書』(日本テレビ系)に、永野芽郁演じる小比賀さくらの親友役での出演も決まっている。

 半沢と同じ出向組では、角田晃広(東京03)が三木重行役で登場する。東京03のステージでもサラリーマンを演じ、バラエティ番組で自作曲を披露する角田は俳優としても活動中。『もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~』(日本テレビ系)のラーメン店主や『これは経費で落ちません!』(NHK総合)の経費で落としまくる営業部長など、独特の味わいで異彩を放ってきた。今作の三木は出向組の上司の「腰巾着」という役どころだが、ペーソスとおかしみを感じさせる角田の演技が、どんな波乱を巻き起こすか注目だ。

 「片道切符」とも呼ばれる銀行からの出向だが、プロパー組から見れば出向組はあくまで銀行の人間。籍を置いている以上、銀行の利益を損なうわけにいかず、うまくすれば銀行に戻れる可能性もある。この辺りの微妙なサラリーマン心理と、出向組とプロパー社員の温度差が物語の帰趨にも影響を与える。

 今回、半沢が手がけるのは企業買収。IT企業「電脳雑伎集団」社長の平山一正(土田英生)と美幸(南野陽子)夫妻から、検索システムを開発する「スパイラル」の買収を持ちかけられる。『ロスジェネの逆襲』のポイントは世代間の対立だ。バブル世代の平山と就職氷河期世代であるスパイラル社長の瀬名洋介(尾上松也)の対立は、ITの覇権をめぐる世代間の争いでもある。

 前作で、半沢はバブル入行組の渡真利や、近藤直弼(滝藤賢一)と連携することで、銀行内の不正に立ち向かった。ロスジェネを含む若い世代と半沢の共闘は、あらためて「誰の、何のための倍返しか」という命題に目を向けさせる。銀行からは、中野渡の失脚を狙う副頭取の三笠洋一郎(古田新太)や、大和田の“愛弟子”で証券営業部部長の伊佐山泰二(市川猿之助)たちが、半沢の前に立ちはだかる。半沢は銀行の外からの倍返しに挑むことになる。

 最後に、スピンオフで主役の高坂圭を演じた吉沢亮についても触れておこう。スパイラルの若手プログラマーとして、あっと驚く奇策で社内の不正を見破った高坂が、ここぞという場面で半沢の前に姿を見せることを期待したい。吉沢は2021年大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合)の主人公に決まっており、『真田丸』(NHK総合)で主演を務めた堺との共演が実現すれば大きな話題になるだろう。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。

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