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歌舞伎座 壽 初春大歌舞伎

19/12/26(木)

世間一般的に「和」のアイコンとして歌舞伎が用いられる場合、頻繁に目にするものといえばこの絵柄ではないだろうか。 そう『連獅子』だ。 赤頭(がしら)、白頭の長い長い獅子の毛振り、親獅子が仔獅子を千尋の谷に蹴落とすというドラマチックな展開で、歌舞伎舞踊の中でもわかりやすく迫力満点の一本だ。 とはいえあの獅子たちは最初からあの姿で登場するわけではない。あくまで狂言師右近と左近が手に獅子頭を持って現れ、能舞台を模して松羽目の描かれた、一面に所作台の敷かれた舞台で踊っているという設定。天竺の清涼山とそこにかかる石橋の様子、さらに獅子の親は生まれた子供を谷底へ突き落とすという伝説を踊り描く。仔獅子が這い上がり、親子で再び会いまみえて踊るまでは狂言師の姿だ。 二人が一旦引っ込んだ後は、別の役者二人による間狂言。「宗論」と呼ばれている。念仏の僧と法華の僧が行き合い、念仏踊りと題目踊りで互いの宗教をPR合戦、というより相手の宗教をディスり合う。ところが白熱する間に次第に念仏と題目が入れ替わり入りまじってしまう。かなりユーモラスでシニカルだ。 さていよいよ法被大口という獅子の衣裳となった親子が再登場。髪洗い、菖蒲打ち、右巴に左巴という振りを見せる。 本当の親子同士や、同世代の役者同士、兄弟で踊ることもあり、役者同士の関係性もスパイスとなるのがこの踊りの楽しいところだ。この初春は、現猿翁が剪定した「澤瀉(ワ冠)十種」の一つとして、市川猿之助が親獅子、市川中車の息子の市川團子が仔獅子をつとめる。

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