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間宮祥太朗が語る、『半分、青い。』永野芽郁との夫婦役 「叱られながらも愛されるキャラに」

リアルサウンド

18/7/21(土) 6:00

 『半分、青い。』(NHK総合)は、いよいよ「人生・怒涛編」に突入。人生のシフトチェンジを図ったヒロイン・鈴愛(永野芽郁)を囲む人々の顔ぶれも大きく変化し、彼女の新たなパートナーとして森山涼次(間宮祥太朗)が登場した。

 今回リアルサウンド映画部では、愛すべきキャラクター・涼次を演じる間宮祥太朗にインタビューを行い、本作についての印象や、ヒロインを演じる永野とのエピソード、役への向き合い方について話を聞いた。

参考:間宮祥太朗が永野芽郁の“希望”に 『半分、青い。』鈴愛の恋愛遍歴を振り返る

●「朝ドラ向きの顔じゃないと思っていました(笑)」

ーー今回が朝ドラ初出演ですね。

間宮祥太朗(以下、間宮):自分が朝ドラに出る日が来るなんて考えてもみませんでした。僕の顔は朝ドラ向きではないと思っていたので、オファーをいただいたときはびっくりで。映画監督・元住吉祥平(斎藤工)の弟子で助監督という役どころですが、斎藤さんとは今年ずっと一緒に仕事をしているので、安心して撮影に臨めました。僕はもともと北川悦吏子さんの書かれる作品が大好きでしたが、『半分、青い。』を読んでみて、久々に台本を読んだだけで涙が出ました。一人ひとりの登場人物がとても愛らしく一生懸命に生きていて、僕が演じる森山涼次という役もまた、今まで演じてきたものとは違う、柔らかくて愛嬌のある人物なんです。

ーー「朝ドラ向きの顔じゃない」と思っていたということですが、出演してみて朝ドラの印象は変わりましたか?

間宮:『半分、青い。』も朝ドラの中でも特殊だと言われていますよね。それがもともとあるので、そこまで堅く考えずに入っていけた感じがあります。実際に出演してみると、ヒロインが本当に生きていて、出会いと別れがあり、成長していく。ヒロインの“人生”を描くのが朝ドラなんだと改めて感じました。

ーー永野さんとはこれまでにも共演されています。本作で主演を務める彼女の印象はいかがでしたか?

間宮:今回僕は、(永野)芽郁ちゃん演じる鈴愛と恋愛をして結婚をするという立場ですが、あるドラマに僕がゲスト出演した時に、その次の回のゲストが芽郁ちゃんだったことがあるんです。そして次に共演した映画『帝一の國』では、僕が演じた氷室ローランドの後輩の恋の相手を芽郁ちゃんが演じていて、さらに次に共演したドラマ『僕たちがやりました』(カンテレ・フジテレビ系)では、友人の彼女役で芽郁ちゃんが出演していました。なんだか徐々に近づいてきたなと。一歩ずつにじり寄っていって、ついに結婚までこじつけたなと感じています(笑)。今までの作品では撮影もそんなに被ってはいなかったので、どんな人柄かも全然分かっていませんでしたが、今回すごく助けられました。

ーー助けられたというと?

間宮:鈴愛と涼次はすごく心の距離の近い間柄で、お芝居もそれに準じたものでした。やっぱり目の前の相手を信じてお芝居に臨めるというのは大切なことだなと。それが芽郁ちゃんの場合、鈴愛として生きてきた長さや、鈴愛という役を考えてきた時間、あとは身体に馴染んでいる鈴愛というキャラクターがあるんです。そして彼女は、生の感覚を大切している。役を作り込んできてもいますが、実際に肌に触れたときの温度だとか、その場の呼吸とかを拾って演技する方なんです。そんな彼女の“生”な感情の揺らぎに、僕が引っ張られる感じでした。

ーー印象的なエピソードはありますか?

間宮:鈴愛が泣く場面でのことで、台本にも「泣く」とト書きがあって、監督と僕とで「芽郁ちゃん泣けるかなあ」みたいな話をしていたんです。そんな中、僕と握手するシーンで手を握り合った瞬間に、その肌の温度に反応して泣き出して。それも蛇口を捻ったかのようにボロボロボロボロ涙が溢れていたんです。僕も芝居中なのにびっくりしちゃって、本当に頼りがいのある女優さんだと思いました。きっと本当は朝ドラのヒロインとしてのいろんなプレッシャーやスケジュールの問題とかあって大変だと思うんです。だから僕が撮影に加わって、何か助けられたらと思っていたのですが、逆でした(笑)。

ーー間宮さんの思う鈴愛の魅力はどこでしょう?

間宮:絶妙なのが、北川さんの本の持つリズムと、永野芽郁という役者の持つリズムがブレンドされているんです。芽郁ちゃんって他の役者の方以上に、自分の持つリズムが作品に出る人だと思うんですよね。そのブレンドされたリズムがすごく魅力的だと思っていて、これまでの朝ドラのどのヒロイン像とも似つかないものになっている気がします。そして芽郁ちゃんは独特な心地よさを持った人です。“可愛い”、“きれい”、“演技が上手い”とかだけじゃなく、彼女のキャラクター性が、周囲に元気を与えるような何かを放っている気がします。つねに跳ねていて、あまり沈むことがない部分は、鈴愛の魅力でもありますが、芽郁ちゃん自身の魅力でもあると思います。芽郁ちゃんの持つ特別な雰囲気というのが、本作が他の朝ドラと比べて特殊だと言われている要因のひとつなのではないかと思ってます。

●「北川さんは表現者に愛がある」

ーー先ほど、北川さんの作品がもともと好きだったと聞きましたが、どんなものがお好きですか?

間宮:北川さんの監督作『ハルフウェイ』がすごく好きです。この『半分、青い。』の台本でもそうですけど、登場人物たちはとてもリアルで共感できる。そしてその奥に、北川さん自身の愛情が見えるんです。作品を通してこそ見える“北川さんの愛”が。それは他の作品を観ていても感じていましたが、今作の台本を通してより強く感じました。北川さんから言葉を投げかけられているように感じるんですよね。“生きたセリフ”だなと。鈴愛も漫画家という表現者であり、涼次も映画監督を目指す表現者。その表現者というものに対する愛情や、覚悟みたいなものを台本からすごく感じるんです。その部分が一番胸に迫ってきます。表現をするために背負う苦悩や葛藤、そしてそれを超える表現への喜びが伝わってくるんです。

ーー北川さんは間宮さんと実際にお会いした後に、涼次の役を当て書きしたと聞きました。

間宮:僕が読んだ文章の音声とかを北川さんに送ったりもしたのですが、そんなやりとりの中で、僕の声や、言葉、纏っている雰囲気、目や顔、そのすべてを涼次の素材にしてくれているという嬉しい実感がありました。

ーー涼次は台本上だけでも本当に魅力的ですが、台本を読んだだけで間宮さんが涼次としている姿が映像として浮かんできました。

間宮:本当ですか。自分の顔立ちやイメージは別にして、演技として台本にある魅力を余すことなく表現できれば、上手くいくと思いました。台本の時点でかなりの魅力が凝縮されていて、「あとは枠内にゴールを決めるだけ」という気持ちだったんです。なので、自分が枠を外してしまわないかという想いがありました。例えば、ドキドキするような、女性が観たときに「いいな」と思えるようなシーンやセリフだったら、それをちゃんとど真ん中に当てていけるかという。役に向き合う上での「素直さ」みたいなものが求められているなと思いましたね。自分の中にある、「こんな風に見せたい、こんな演技をしたい」というものではなく、ただただ素直に、役に向き合っていけるかが重要だと考えていました。

ーー逆に、作品によってはそういった部分が必要な場合もあると。

間宮:自分のアイデアとかで役を膨らませていくことがいい場合もあります。好きにアドリブを入れていいものもありますが、この作品はそうじゃなくて、書かれていることを体現していくだけで膨らんでいくものがあると思いました。

ーー間宮さん自身が涼次に共感できるところや、似ていると思うところはどこでしょう?

間宮:何よりも僕は、雨の中での鈴愛への告白シーンのセリフが彼のすべてを表していると思ってます。律(佐藤健)も同じような場面で素敵なセリフを言っていますが、僕は涼次の感覚に近いですね。そして彼は、物事を「こうだ」と決め込むと頑固な部分もあって柔軟性に欠けるんです。でも自分が信じたものをちゃんと信じられるというのは、僕は好きです。少し子供っぽいですが、未熟ながらも自分で自分の決断をして、覚悟を持とうとしている。出会って6日でプロポーズしちゃうような人ですが、僕自身も好きなものには「好きだ」と素直に表現したいです。演じる上では、母性本能をくすぐるような愛嬌と、叱られながらも愛されるというところを大切にしたいと思っていました。それは涼次の1番の魅力で、叱られながらも愛される人って強いなと思うんです。周囲から「お前は!」って言われながらも可愛がられる人って1番魅力的で、やっぱり愛すべき存在ですよね。

ヘアメイク/三宅茜 スタイリスト/津野真吾(impiger)

(取材・文・写真=折田侑駿)

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