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「Fukushima」佐藤浩市がコロナ後の未来語る、渡辺謙は「新しい1ページに」

ナタリー

20/7/9(木) 20:10

「Fukushima 50」カムバック上映舞台挨拶の様子。左から渡辺謙、佐藤浩市。

「Fukushima 50(フクシマフィフティ)」のカムバック上映舞台挨拶が本日7月9日に東京・丸の内ピカデリーで行われ、キャストの佐藤浩市と渡辺謙が登壇した。

3月6日に封切られた本作は、東日本大震災発生時、高い放射線量のもと収束作業にあたり、世界中のメディアから“Fukushima 50”とたたえられた作業員たちの姿を描いた物語。全国の劇場で上映延長・追加上映が決定し、このたびイベントが開催されることとなった。佐藤が1・2号機の当直長・伊崎利夫、渡辺が所長の吉田昌郎を演じている。

新型コロナウイルスの影響で、舞台挨拶が中止となっていた本作。「ようやくお客様の前に立てること、うれしく思います」と挨拶した佐藤は、「世界がこういう状況になってしまいました。向かう方向を間違えると取り返しのつかないことになってしまう。それはこの映画が語りたかったことと一緒です」と述懐する。

本日7月9日が吉田昌郎氏の命日であることを受け、渡辺は「厄災が起こったときに、何が一番大事か? それは現場の声だと思います。気持ちを新たに、この作品を今日届けられたことは、吉田さんも喜んでくれていると思います」と真摯に語り、「原発事故の対応も、今コロナの最前線で闘ってくださっている医療従事者の方々も、見えない敵を相手にする中で、人の命と向き合わなければいけない。緊張と恐怖との闘いでもあると思います」と続ける。佐藤は「この作品に出演して何を一番思ったか? それは原発事故に関して知らないことが多すぎたということでした。身近な問題なのになぜ知らないんだろう? なぜ届いてこないのか? この不可思議さでした」と回想し、「今回のコロナでも、医療従事者の方々が多少の偏見の中で生活を送らなければならなかった。我々がしっかり見聞きしていればそれは避けられたかもしれないことです」と言及した。

イベント中盤には、劇場で映画を観ることの魅力を2人が語る場面も。佐藤は「劇場で映画を観て、暗がりから出た瞬間に感じる何かですよね。劇場で映画を観た人にしかわからない」と話す。「こんなに長い間仕事をしなかったことはなかったし、こんなに毎日配信で映画を観る日々を送ったことはなかった」と外出自粛期間を振り返る渡辺は「でも、やっぱり映画のよさって体験だと気付きました。すごくいい音で、大きなスクリーンで今まで観たことのない世界を体験できる。映画館はお客さんを守るためにとても努力しているので、なかなか劇場に足を運びづらい中でも、少しずついい体験を増やしていってほしいなと思いますね」と願いを込めた。

最後に渡辺は「初日舞台挨拶はコロナで中止になってしまったんですが、2人で取材を受けているときに、劇場に10人ぐらい観に来てくださってることがわかったんです。その人たちだけにでもご挨拶しようということになって舞台に立ちました」と明かし、「あの日、いつか舞台挨拶ができたらいいよねと思いました。それが今日です。この映画にとって新しい1ページになると思います」と感慨をにじませる。続いて佐藤は「数年経って、普通に劇場に足を運んでいただける日々が戻ってきたときに、あの時代があったからこそ映画や仕事を大切にできる。そんなふうにみんなで言い合える世の中になる日を待っています」と語り、イベントの幕を引いた。

「Fukushima 50」は、全国で公開中。

(c)2020『Fukushima 50』製作委員会

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