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草なぎ剛、クルミちゃんと子犬たちに注ぐ愛 小さな命の成長から感じた“温かな希望”

リアルサウンド

20/6/15(月) 6:00

 草なぎ剛の愛犬で、フレンチブルドッグのクルミちゃんに子犬たちが生まれたのが、3月27日のことだった。もうすぐ3カ月。草なぎは、月1回のレギュラー番組『ななにー』こと『7.2 新しい別の窓』(ABEMA)を始め、YouTubeチャンネル、Instagram、ラジオ、雑誌などで、子犬たちがすくすくと育つ様子を語っている。

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 6月5日にアップされた動画「【ご報告】クルミちゃんが赤ちゃんを出産しました!」では、久しぶりにクルミちゃんが登場。ファンからすっかり“女優”として愛されているクルミちゃんは、少し肌が荒れている様子で慣れない子育ての大変さが伺える。

 フレンチブルドッグは頭部が大きいことから帝王切開で出産することが一般的になっている。自然分娩とは異なり、人の手を借りての出産となることから、子犬たちを自分の子と認識するまでに少し時間がかかることも珍しくないようだ。

 クルミちゃんが見知らぬ子犬たちに戸惑う間、命を繋いだのが草なぎだった。雑誌『月刊ザテレビジョン』の連載コラムや、ラジオ『ShinTsuyo POWER SPLASH』(bayfm)では、より詳細に子育てに奮闘した日々が語られている。

 産まれたばかりの3日間は、40分おきのミルクとトイレのサポート。まさに不眠不休で子犬たちを見守らなければならない。草なぎは40分ごとに鳴る目覚ましをセット。断続的にしか眠れない日々を「もう罰ゲームだよね、僕としては」と笑いを誘いながら明かす。それでも「逃したら命に関わっちゃうから。1時間半とか2時間とか寝ちゃったら、もうヤバイわけよ」と責任感を持って対応してきた草なぎ。

 子犬たちの名前は、それぞれレオン(オス)、マチルダ(メス)、桃(メス)。メスのマチルダと桃に比べて、オスのレオンが弱く、スポイトで1滴ずつミルクを与えていた時期もあったという。しかし、子犬が息をしているか恐る恐る確認する日々に、草なぎは疲弊するだけではなかった。

 「それだけ成長してんだろうね。エネルギーを常に蓄えられない状態なのよ。最初って」という言葉にハッとさせられる。つい、大人からの視点で見てしまうと生まれたばかりの存在を「手がかかるもの」「思い通りにいかないもの」と考えてしまいがちだ。しかし、草なぎは生きるエネルギーを使いきるほどに成長しているのだと考える。そんなピュアな視点で、子犬たちを見つめていたのだ。

 クルミちゃんのお見合いを検討していた当初、舞台稽古と並行して子犬の世話も考えていたそうだが、この大変な作業を同時進行で進めるのはムリだった、と振り返る草なぎ。STAY HOMEの時期ではあったものの、考え方によっては、しっかりとクルミちゃんや子犬たちと向き合えるまたとないタイミングになったようだ。

「クルミはいつだって、僕を幸せに導いてくれる。今までも大事なタイミングで僕のところにやって来てくれたし、今回だって、赤ちゃんがちゃんと育つかどうか僕に大きな試練を与えてくれてるんだけど、余計なことを考えるヒマがなかったぶん、実はコロナの不安とか恐怖とかそういうものを和らげてくれたりしてたわけで。クルミは僕の神様だよね」(参照)

 クルミちゃんとの出会いも、そして新たな小さな命たちがやってきたタイミングも、草なぎにとって心が大きく揺れる時期だった。その心許ない時期を一緒に乗り越えてくれた、クルミちゃんたち。YouTubeでも「命を授かって、育てるというのが、結構僕の中で深いことになって、改めて“生きている”って素晴らしいことだなとか。あたりまえの日常がとても大事で尊いものなんだなとか。いろんな人生について考えさせてもらった」としみじみと語る。

 草なぎとクルミちゃんたちの姿を通じて、視聴者も改めて「生きること」について考えるきっかけをもらったSTAY HOME期間だったように思う。新型コロナウイルスの脅威も、新たな命が生まれる尊さも……いつだって私たちの人生は思い通りになんて進まない。だからこそ、一つひとつできることに懸命に取り組むしかない。そして、笑顔で過ごそうとする気持ちこそ、見失ってはいけない大切なものなのだ、と。

 いずれは何匹かを譲ろうと考えていると話す草なぎだが、これほど愛情をかけて育てた愛娘、愛息子を送り出すことができるのだろうか。想像するだけで切ないその子離れの経験も、おそらくその後の草なぎの表現に大きな刺激を与えるに違いない。生きていく中でぶつかる多くの苦みや痛みも、きっと何かに繋がっていくはず。草なぎとその家族から、そんな温かな希望をおすそわけしてもらっているように感じた。(佐藤結衣)

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