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深田恭子、こじらせ女子役はなぜハマる? 唯一無二のコメディエンヌとしての地位を考察

リアルサウンド

18/12/30(日) 6:00

 1月15日からスタートするTBS系火曜ドラマ『初めて恋をした日に読む話』で、『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)以来1年ぶりに連続ドラマに主演する深田恭子。『ダメな私に恋してください』(TBS系)で脚本を担当した吉澤智子と再びタッグを組み、信念はあるのになぜか人生がままならないアラサー独身塾講師を演じる。

参考:中村倫也、32歳の誕生日を迎えて意気込み明かす 「電球のように日本を照らす作品に」

 今作で深田が演じるのは、幼いころから優等生で母娘2人3脚で東大合格を目指してきたが、夢に破れて生きる目的が見出せなくなってしまった春見順子。勤めている学習塾は結果を出せずにクビ寸前で、男慣れしておらず婚活も成果なし。さらに、どうしても娘を東大に入れたかった母親との関係も最悪。東大不合格以降何もうまくいっておらず、ずっと人生低迷中という32歳だ。

 持田あきの原作コミックの順子は、3人のイケメンから愛されているのに、元ガリ勉の気質と恋愛経験ゼロのせいで彼らのアプローチを気づかずにスルーしたり、不意に気づいて動揺したりとアップダウンの激しいヒロイン。現実世界にこんな鈍感な女がいるはずない! とツッコミたくなる天然系の超鈍感女子だが、コミックではそこがとてもキュートに描かれているので、それを深田がどう再現してくれるのか注目したい。

 10代でデビューして以来、もはや数えきれないほどのドラマや映画に出演しているため、「深田恭子の代表作は?」と訊かれて思い浮かぶ作品は人によってそれぞれだろう。

 金城武の相手役を務めた『神様、もう少しだけ』(フジテレビ系)では援助交際でHIVに感染した女子高生を、『ハコイリムスメ!』(フジテレビ系)や森田芳光監督作『阿修羅のごとく』では姉妹の末娘を、『セカンドバージン』(NHK)や映画『夜明けの街で』では大人の女性を、三池崇史監督が実写化した『ヤッターマン』ではセクシーなコスチュームでドロンジョを、そしてNHK大河ドラマや『超高速!参勤交代』シリーズといった時代劇にも出演してきた。

 このように幅広いジャンルの作品で活躍してきた深田だが、今日の彼女のエイジレスなかわいさの土台となったのはやはり、2004年に公開された中島哲也監督作『下妻物語』のロリータ少女・桃子役だろう。

 ボンネットをかぶり、フリルたっぷりのミニドレスという完璧なロリータファッションで農道を優雅に歩く桃子は、圧倒的な存在感で、それまでアイドル女優と認識されていた深田恭子のイメージをガラリと変えた鮮烈な登場だった。

 ふわふわした見た目とは裏腹に毒を吐き、周囲の視線などお構いなしに堂々とわが道を突き進む桃子。土屋アンナ演じる心優しいヤンキー娘・イチゴとの対比によって双方の魅力が際立ち映画は大ヒット、深田は毎日映画コンクール等で主演女優賞を受賞した。

 その後も『富豪刑事』シリーズ(テレビ朝日系)で桁外れの超お嬢さま刑事、2016年放送の『ダメな私に恋してください』では恋愛下手なアラサー女子、とコミカルな役柄を演じるたびに深田恭子のハマり役と評されてきた。特に『ダメな私に恋してください』ではお金がないのに年下男子に貢いでしまい、ディーン・フジオカ演じる元上司の黒沢に罵倒されるダメキャラが実にマッチしていた。

 こじらせ女子と言えるこのタイプの役が深田にしっくりくるのは、ともするとあざとすぎて痛々しくなりそうなオトナかわいいファッションが難なく似合う容姿とおっとりした口調に加え、長年第一線で活躍している人気女優なのに気の強さや野心が感じられず、その一方で、中心には真っ直ぐに芯が通っていて泰然としているように見えるからではないだろうか。

 深田自身が持つそのブレなさが回を追うごとに現れ、頼りなかったヒロインがたくましく成長していく様にリアリティが生まれる。一挙手一投足がかわいく、そしてかわいさのリミッターが振り切り、かっこいいとすら思える。そこに同性が共感を覚え、彼女のことが「好き」という気持ちが芽生える。

 現実と非現実の狭間のキャラクターを彼女にしかできない方法で演じきり、もはや唯一無二のコメディエンヌの地位を確立した深田恭子。2019年も突き抜けたかわいさで大いに視聴者を楽しませてくれるだろう。(古閑万希子)

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