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大石昌良が振り返る「ようこそジャパリパークへ」のすべて 「すごいアニメドリームだった」

リアルサウンド

19/6/13(木) 18:00

 アニメ『けものフレンズ』のオープニング主題歌「ようこそジャパリパークへ」の各バージョン30曲をコンパイルしたベスト盤『ようこそジャパリパークへ〜こんぷりーとべすと〜』がリリースされた。星野源や平井堅など、数多くの著名人に絶賛され、どうぶつビスケッツ×PPPが音楽番組に呼ばれるなど、アニソンの枠を越えて、社会現象を巻き起こすほどの大ヒットとなったことを作詞・作曲・編曲を手がけた大石昌良は、今現在どう受け止めているのか。アニメ主題歌史に大きな“爪痕”を残した「ようこそジャパリパークへ」の裏側を語り尽くしてもらった。(永堀アツオ)

“ジャパリパークのテーマソング”がひとつの指針だった

けものフレンズ「ようこそジャパリパークへ ~こんぷりーとべすと~」PV

――CDとDVD合わせて全30曲の全てが「ようこそジャパリパークへ」というベスト盤がリリースされました。

大石昌良(以下、大石):これ言っちゃダメかもしれないですけど、やりすぎですよね(笑)。

――あはははははは。

大石:ちょっとおかしいクレジットになってますね。いろいろと調べたんですけども、これだけのクレジットがあるのはTM NETWORK「Get Wild」と松崎しげる「愛のメモリー」くらいじゃないかって言われてて。それで言うと「Get Wild」も「愛のメモリー」も素晴らしい名曲なので、その仲間入りができたなと非常に嬉しく思っております(笑)。

――壮観ですよね。最初にこの企画を聞いたときはどう感じました?

大石:ディレクターに聞きました、「本気ですか?」って(笑)。でも、確かに、たくさんのバージョンを録っていたし、作品に合わせていろんな用途があって、いろんな形でこの楽曲を使っていただいたりもしてたので、まとめていただけるっていうのはありがたいことなので、僕も「是非」とお答えしました。でも、びっくりはしましたね。自分のボーカルもボーナストラックで入ってるっていうのは、(けものフレンズファンの皆さんに対して)大丈夫かな…? って思ったところでした。

――大石さんのセルフカバーアルバム『仮歌』(オーイシマサヨシ名義)にも収録されていましたし、やっぱり、デモバージョンも聴きたいじゃないですか。

大石:でも、僕だけフレンズじゃないので(笑)。劇中に出てこないけど大丈夫かな、みたいなところはありましたけども、面白がっていただいたならよかったなと思います。

――では、改めて、楽曲の出発地点からお伺いできますか?

大石:2016年の夏にビクターのディレクターである内田峻さんから依頼があって。今だから言える話ですけど、内田さんからは「もしかしたら当たるアニメではないかもしれないですけど、この作品は大石さんに主題歌をお願いしたいんです。書いて頂けませんか?」って言われたんですよ。その場で僕は「ぜひ書かせてください。」とお答えしました。その後、初めて製作委員会に顔を出して。どういう物語なのかっていうリサーチをしたんです。

――製作委員会に顔を出すところから関わったのはどうしてでした?

大石:呼ばれたから行ったんです(笑)。僕も初めてのことだったんでマネージャーと「製作委員会に顔出すって珍しいよね」みたいな感じだったんですけど、フタを開けてみたら、それが結果的によかったって感じてて。ただ、当時、一番最初に製作委員会にお伺いした時には、まだプロットがしっかりとはできていない状態だったので、ふわっとざっくりとどういう物語なのかっていうのを聞かされたっていう感じでしたね。

――楽曲に関してのリクエストはありましたか?

大石:具体的なリクエストっていうのはそんなに多くなくて。逆に、僕から提案させてもらったっていう感じでしたね。ジャパリパークっていう、いわゆるテーマパーク的なものがアニメの世界で開いていくっていうところで、フレンズたちがみんなで楽しく賑やかに歌えるような楽曲、“ジャパリパークのテーマソング”っていうのがひとつの指針でしたね。で、一番最初のデモは、ピアノとベースとドラムとギターの4点で、僕が仮歌を歌っていたんですけど、たつき監督に「ちょっと都会的ですね」って言わてれたことをよく憶えていて(笑)。パークは動物たちがいるところなので、土臭さじゃないですけど、もっとサバンナ感が欲しいな、と。普通に考えたらあんまり入れない楽器だったり、動物を感じさせるようなものが欲しいっていうアイデアをいただいて。そこで思いついたのがクイーカっていう楽器で。

――アフリカのパーカッションですよね。

大石:クイーカはYouTubeで動画を2時間くらい見てやってみたら意外とできたんで、自分で演奏して入れて。あと、2番にホイッスルを入れました。体育祭のイメージなんですけど、サンバっぽい音ですよね。ド頭のホルンの音は、吉崎観音先生のアイデアだったと記憶してますけど、頭に何か欲しいよねってことを言われて。もちろん骨組みは僕が作ったんですけど、アレンジメントに関しては、本当に皆さんのアイデアの集合体みたいなところはあったかなと思いますね。

“SNS発信の偶然の塊”みたいなものが社会現象になっていった

――メロディは最初のデモからほとんど変わってないんですよね。

大石:そうですね。最初に「アップテンポで明るく、フレンズたちの元気が伝わってくる楽曲」というオーダーを頂きました。でも、だいたいのアニソンで「アップテンポ・明るく」というリクエストは頂くので(笑)。だから、ほぼほぼいつも通り書いた感じはあったんですけど、そういう力が抜けた感じが逆によかったのかもしれないです。仕掛けてやろうとか、自分のクリエイターアイデンティティをここにすべてつぎ込んでやろうみたいな、そういう気概めいたものはまったくなくて。まずその作品に合ったものを、みたいな感じで書いていったと思います。

――今となってはアニメ史に燦然と残る名曲になってます。

大石:手応えはありましたね。力まずにできたことが自分の中ではすごいことだなって思いましたし。そういう意味ではゾーンに入ってたというか、降りてきてる状態で、そのまんま肩の力を抜いて書けたのかなと思いますね。

――自然体で書けたっていうことですよね。ただ、この曲が話題になってからは、コード進行を分析して発表する人も数多く出てきました。

大石:いやぁ……ありがたかったです(笑)。結果的にそういうふうに分析していただいて。あれはもうただの結果でしかないので。

――作為的なものではなく?

大石:ないです。そのメロディと場面に合ったコード進行を使ったら、たまたまそれがたくさんの方々の興味を引いたっていうだけの話だとは思うんですけど、やっぱりアニメファンが好きなコード感や進行だったりはしたのかな。あと、当時、この曲が分析された時に話題になったのが構成ですよね。1分半、テレビサイズ89秒における構成の入れ方とか。

――「展開が多いけど破綻してないのがすごい。物語性を保ってる」っていう評価をよく耳にしました。

大石:僕が先駆者っていうわけじゃなくて、当時、界隈のクリエイターさんたちは割とみんなやってたんですよね。頭サビがあって、イントロがあって、A、B、サビがあって、大サビでアウトロのメロディで終わっていくみたいなことはいろんな方がやってはいたので、そのトレンドに乗っかったっていう感じが強いかな。だから、ぶっちゃけた話、僕が何か新しい斬新なことをしたかっていうと、そういう意識はまったくなくて。その時のトレンド感と、それまで自分が蓄積してきたグッドメロディをそのまんま出したら、たまたま作品のヒットもあって、皆さんに届いたっていう感じです。でも、ヒット曲って往々にしてそうなんじゃないかなって思いますよね。

――平井堅さんが「全部サビみたいな曲で一目惚れして買った」という趣旨の発言をしたり、星野源さんがラジオで「1日60回くらいは聴きました」とコメントしていたり、いわゆる同業者であるミュージシャンの方々からも評価が高かったことに関してはどう思いましたか?

大石:いや、もう青天の霹靂でした。たしか星野さんが一番最初に『オールナイトニッポン』でかけてくださって。しかも、シングルCDがリリースされてすぐの頃にかけていただいたと思うんですけど、あれがバズったひとつのきっかけだったと思うんですよね。一流アーティストの方がアニソンを評価してる。しかも、第1話では「このアニメはダメだ!」って言われてたようなものが、いきなり一発逆転の風が吹くっていう。その最大瞬間風速を作るためのひとつの立役者になっていただいた方なのかなというふうに思います。

——4話目くらいですかね。「わーい、楽しい!」っていうフレーズと曲の楽しさが合致して、みんなで曲を聴きながら「わーい、楽しい!」とか、「〜のフレンズだね」ってツイートするのがブームになっていました。

大石:当時は、「IQが低くなるアニメ」って言われてて。要は説明がいらない作品だっていうことだと思うんですけど、お子さんたちにも受け入れられるアニメであると同時に、実は裏の設定があって、二重構造になってる深いストーリーが面白いっていうことでしたけど、ちょうどシングルの発売のタイミングで……朝起きたらTwitterのトレンド1位にカタカナで「フレンズ」ってなってたんですよね。でも、フレンズっていろいろあるし。その時にちょうどいろんなものが重なってて、レベッカさんが再結成後に28年ぶりのツアーを発表したタイミングだったのと、『けものフレンズ』派生のものと、『一週間フレンズ』が実写化されるタイミングでもあって。いろんな「フレンズ」が混ぜこぜになって、頭1個『けものフレンズ』が抜けちゃったんですよ。なぜかは分からないですけども、そういうSNS発信の偶然の塊みたいなものが社会現象になっていったと思うと、すごい渦の中にいたんだなというふうに思いますね。

 説明以上の情報を与えるのが音楽だと思ってる

――大人の胸に響いたのは、メロディやアレンジはもちろん、歌詞の部分も大きいですよね。〈けものは居ても のけものは居ない〉っていうフレーズにグッときた大人は多かったと思います。

大石:いろんなところで言われてますね。ありがたいです。これもいつもどおりマイペースに作ったんですけど、僕、この頃から歌詞のスランプがないんですよ。あと、この頃から、紙やワードに歌詞を書かなくなってるんですよね。それはどういうことかというと、ほとんど頭の中で全部考えてるっていうか、組み合わせていってて。〈けものは居ても のけものは居ない〉も運転中に思い浮かんで、ずっと覚えてたみたいな感じだったんです。そういうふうにパソコンとかに向かって作詞作業するっていうことがこの頃からなくなって、そこからスランプがなくなった感じだったんですよ。

――文字に起こさないってことですよね、仮歌を入れるまでに。

大石:これは僕の持論で文字にしちゃうとビジュアルでとらえちゃうんですよ。それはリリックじゃないっていうか。言葉として発した時、メロディに乗った時、音になった時に初めて力を発揮するのが歌詞だと思ってて。アニメの製作の方々に「この歌詞をこういうふうに変えてください」って言われることがあるんですけど、たまにリリックじゃなくて本当にワードというか、文章になってる時があるんですね。でもそれはきっと、音になった時に力を発揮しないし、つぶれちゃうんですよね。説明としてはいいけど、その説明がやぼったく感じたりするし、僕は説明以上の情報を与えるのが音楽だと思ってる。そこの整合性を説明するのはごい難しかったりするんですけど、僕は「文章じゃないんだよ。歌詞なんだよ」っていうことをこの20年くらいずっと主張し続けてきて。それが花開いたのが、もしかしたら「ようこそジャパリパークへ」なのかなって思ったりしますね。この曲、きっと字面で見た人はあんまりいないと思うんです。〈けものは居ても〉の〈居て〉は居住の居の字だって知ってる人はそんなにいない気がして。歌詞カードを見ていなくても、音で聴いてそういう印象を与えてるっていうことは、やっぱりキャッチフレーズとしてすごくよかったんだろうなって思います。音と言葉のシンクロの仕方でどれくらいのパワーが出るかっていうのを、ずっと歌うたいとして研究してきた、その成果が出たのかなって。

――シンガーソングライターとしては珍しいですよね。ジェイZとか、ラッパーの方では聞いたことはありますけど。

大石:そっちの感覚にもしかしたら近いのかもしれないです。言っちゃえばダジャレですからね。韻を踏んでると言うよりただのダジャレというか。でも、そういうキャッチコピーみたいなものがたくさんあるから、メロが全部サビみたいっていうだけじゃなくて、たぶん歌詞も全部サビっぽいのかなって。まあ、これは自己評価ですけど、それはあるかもしれないですね。

――〈ドッタンバッタン〉や〈すっちゃかめっちゃか〉のような擬音や〈がおー〉のような動物の鳴き声は確かに声に出してからじゃないと出てこないかもしれないですね。

大石:ですね。あと、絶対に文字に起こしてたらやらなかっただろうなっていうのは〈Welcome to ようこそ〉。これ二重の意味じゃないですか。なんで「ようこそようこそ」って言ってんの、みたいな。だから文字で見たら僕たぶん直しちゃうと思うんですよ。でも、音に出して、サビ頭はこれで正解だと思って出してる。音だから楽しかったっていう。

――子どもが一番最初に真似する部分ですよね。早口ですし。

大石:やっぱり音になるからこそ面白いみたいなところはあるかなと思いますね。すごくメロディと密接で、なおかつ、ただの言葉じゃないっていうところを意識していつも作ってますし、この曲に関してはそういう意味ではよくできたかなと思います。

サーバルキャットの爆誕はひとつの魔法を生んだ

――では、言葉である台詞の部分はどう考えていましたか?

大石:僕がデモをキャストの皆さんに渡した時は、あそこは空欄だったんです。で、その頃は、まだ『けものフレンズ』のアフレコに入ってなくて、キャラクターがまだ決まってない状態だったんですよ。

――それはどうしたんですか? キャラソンとしてキャラクターになって歌える人と、地声に近い感じで歌っちゃう人がいるんじゃないかなって思うんですけど。

大石:それにはデメリットとメリットがあって。デメリットに関して言うと、おっしゃったとおり、地声で歌ったり、キャラを考えていかなきゃいけないっていうのはあったと思うんです。でも、メリットとしては、特にサーバル役の尾崎(由香)さんは、フレッシュな感じや天真爛漫な感じっていうのが、キャラクターのサーバルちゃんの性格と直結してるところがあって。とてもピュアな方なので、そのへんは逆にキャラを作りすぎる前にやってよかったかなというふうに思いましたね。ていうのも、後に、レコーディングをどんどん重ねるにあたって、他のキャラクターも演じ分けしてるので、たまに『けものフレンズ』に帰ってきてサーバルキャットの役でレコーディングしてもらう時に、ちょっとしたキャラブレが起きたりするわけですよ。それを、内田ディレクターと「ちょっとかわいすぎる。子どもっぽくなりすぎてるから、もう少しサーバルちゃんに寄せて」とかってディレクションしたりしたんですね。キャラがブレるとか関係なく、尾崎さん自身がサーバルキャットでいられた奇跡の瞬間が最初のレコーディングの瞬間だったのかな、と。サーバルキャットが爆誕した瞬間というか。あれがまたひとつの魔法を生んだのかなって思いますね。他のキャラクターもみんなそうでした。

――どうぶつビスケッツ×PPPの8人のディレクションは大変だったんじゃないですか。

大石:苦戦する方は苦戦していましたし、普通にすらすらとレコーディングされた方たちもいらっしゃいましたけど、このセッションがレコーディング初めてという方が圧倒的に多かったんですね。それもどこかのパークのオープニングキャストみたいな感じがあって、また良かったのかなって思いますね。

——アレンジのアイデアの話がありましたけど、レコーディングの現場でも、みんなでアイデアを出し合って作っていったんですね。

大石:そうですね。皆さん手探りのところを、この楽曲でたくさん試してくれたっていうのがひとつのパワーになったかなと思います。キャストの皆さんからも、こういうのどうですかっていうアイデアをたくさんいただいたりしたので、僕が全部決めるんではなくて、皆さんのアイデアありきの「ようこそジャパリパークへ」だったのかなと思います。しかも、それは作り手だけじゃなくて。たつき監督が提案した隠れた世界の終末論や吉崎先生の作品・動物愛、一見するとIQが低い曲のように見えて、意外と中身はインテリジェンスなことをやっているアレンジメントも含めて、ユーザーの方が深掘りして楽しんでくれた。手作りの中で生まれてきた流行り物、トレンドだったので、ユーザーさんと一緒にみんなで作り上げた感じがありますね。

『けものフレンズ』に携われたことが音楽人生の中で一番の変革期

——実際に社会現象を巻き起こすほどのヒットになって、大石さんには何か変化をもたらしましたか?

大石:単純に仕事が増えましたね。

——あはははは。

大石:たくさんお声がけをいただくことが増えましたし、テレビの音楽バラエティ番組にも作曲家として呼ばれたりもして。もうガラッと変わりましたね。自分の音楽人生の中で一番の変革期だったと思います。『けものフレンズ』に携われたことが。

——これまでと変わらないクリエイティブをしていても、周りの扱いは劇的に変わったわけですよね。

大石:そうですね。だからこそ、僕自身はマイペースを保とうってずっと心がけてて。でもまわりが変わるっていうことは、環境が変わるっていうことなので、環境が変わるとその人は絶対に変わるじゃないですか。だけど、僕は先生と呼ばれるにはまだ経験も全然ないですし、こそばゆい感じもするので、ちゃんと自分を保つために、自分のチームの環境だけは変えないように気をつけてて。これだけのヒットの後で、その次の作品が作れない、軽いイップス状態になるのが、クリエイターとして一番やっちゃいけないことなので、それだけは避けようと思って。だから、『けものフレンズ』がヒットした後に一番最初にしたのが、チームでのスケジュール管理についての打ち合わせだったんですよ。「この後仕事が増えていくと思うので、ちゃんとマイペースを保てるようなスケジューリングで、まずは、我々、断ることを覚えましょう」っていうガイダンスを打ち合わせの中でして。

——ヒットソングって重いですか。

大石:怖いですよ。その裏には恐怖の側面がありますね。ヒャダインさんに「大石さん、これって、ヒットソングを書こうと思って書いてないでしょ。勝手に出てきたでしょ。あと、すごいことしたって思ってないでしょ」って言われて。その言葉が一番印象に残ってるんですけど、確かにって思ったんですよ。それって自分を分析しきれてないっていうことだなって思ったので、その時に、自分の中で警鐘が鳴って。次のヒットソングを作るためのフォーマットがまだ準備できてないってことだから、まわりにちやほやされて、先生扱いされてると、多分、痛い目を見るなって思ったんですよね。だから、ヒットするっていうことは、自分の評価の的が絞られるっていうことでもあって。そこが100点の最高点として、次の楽曲が90点とか、みんな、勝手に点数をつけてくるけれども、それに一喜一憂していても仕方がないっていうのも、ちゃんと自分の中で意識しないといけない。なおかつ、いいものを作るっていう。自分のような者が言うのはおこがましいのですがそれはヒットを抱えた人の難しさかなって。今までは頭ではわかっていたけど、ちゃんと目の前に、その質量を持って自分が実感するって思ってなかった。ちょっと踏み違えたら、すぐに闇の中に落ちちゃうような綱渡りだなって、今でも思ってますね。だから、めちゃくちゃ嬉しかったけど、怖さもありましたね。

 『鳴り止まないシンフォニーなんだな』っていうのが伝わったらいいな

——そんなプレッシャーも感じる中で、続投となった『けものフレンズ2』の主題歌「乗ってけ!ジャパリビート」はどう考えてました?

大石:1期があれだけヒットして、「ようこそジャパリパークへ」もたくさんの方に聴いていただいたので、考え方は2パターンあるなと思って。「ようこそジャパリパークへ」をさらにブラッシュアップしたような楽曲がAパターン。もう1つは、全く別のアプローチで作っちゃおうっていうBパターン。実はAパターン、Bパターン、両方出してるんです。で、選んでいただいたんですけど、1対1で意見が分かれちゃった。最終的には僅差でBパターンになった感じですね。僕としては、2期も楽しんでいただけるようにっていう気持ちで、ひたむきに一生懸命に作りました。少しでも、作品のお力になれたらいいなっていう思いは今でも変わらないですね。

——別のアプローチの方ですよね。

大石:そうですね。2期のオープニングに関しても、パークのテーマソングを作るっていうところは一貫してイメージとしてあったので。それは1期とは全く変わらず、テーマパークのテーマソングが2〜3曲あってもいいじゃないっていう感じで作りつつ、『けものフレンズ』自体が社会現象になったっていうことは、お茶の間でもサーバルちゃんを知ってる人がいるっていう状態になったので、より一人一人のキャラクターをさらに紐解くようなテーマソングができたら面白いんじゃないかっていう着想で作りました。

——楽曲の後半には「ようこそジャパリパークへ」のイントロがうすーく入ってますよね。

大石:あえて入れました。同作曲者で、同アレンジャーだからこそ入れられる、1つの力技だと思ったので。悪戯心にちょっと毛が生えた感じですかね。よく聴いたら聞こえてくるし、ちゃんと、『鳴り止まないシンフォニーなんだな』っていうのが伝わったらいいなと思って。1つのエモい部分として、皆さんに捉えていただけたらいいなと思ってます。

——2期のオンエアが終わりました。

大石:けものフレンズ2はもちろん、どの作品に対しても愛を持って楽曲を作っているので、いずれ、正しい評価がされたり、「やっぱりよかったんだ、この曲」って思っていただけることがあるといいな。そういうことを信じて、音楽人としてやっていけたらいいなと思いますね。でも、良くも悪くも、すごいアニメドリームだったなって思います。もちろん、これからも続いていくし、僕も発注があればいつでも出動したいなと思います。

——セルフカバー第2弾となる『仮歌Ⅱ』には「乗ってけ!ジャパリビート」が収録されてますね。

大石:デモバージョンじゃなく、自分なりにちょっと変えてます。「オーイシ、またひとり芝居するの?」みたいな雰囲気になってるんですけど、聴いたらわかります。すごくジャズっぽくなってますし、台詞にメロがついて、よりミュージカルっぽい感じになってます。また別の曲を聴く感じで聴いていただけたらと思いますし、7月にはソロツアーもあって。カタカナのオーイシが『仮歌』シリーズでZeppをやるっていう、とんでもない冒険に出てますので、フレンズの皆さんに集まってもらえたらいいなと思いますね。


(取材・文=永堀アツオ、写真=はぎひさこ)

■リリース情報
『ようこそジャパリパークへ ~こんぷりーとべすと~』[生産限定]
アーティスト:けものフレンズ
発売日 :2019年5月29日(水)
発売元:株式会社JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント
価格:¥3,000+税 品番
CD特設サイト
<CDトラックリスト>
01.ようこそジャパリパークへ
02.ようこそジャパリパークへ(TV size ver.)
03.ようこそジャパリパークへ(PPP ver.)
04.ようこそジャパリパークへ(サーバル ver.)
05.ようこそジャパリパークへ(アラフェネ ver.)
06.ようこそジャパリパークへ(プリンセス ver.)
07.ようこそジャパリパークへ(コウテイ ver.)
08.ようこそジャパリパークへ(ジェーン ver.)
09.ようこそジャパリパークへ(イワビー ver.)
10.ようこそジャパリパークへ(フルル ver.)
11.ようこそジャパリパークへ(Xmas ver.)
12.ようこそジャパリパークへ(PPP with マーゲイ)
13.ようこそジャパリパークへ(with かばん)
14.ようこそジャパリパークへ ~もりのおんがくかい~
15.ようこそジャパリパークへ ~orgel ver.~
16.ようこそジャパリパークへ -off vocal ver.-
17.ようこそジャパリパークへ(ただいま ver.)

BONUS TRACK
18.ようこそジャパリパークへ(おーいしおにいさん仮歌 ver.)
※おーいしおにいさん仮歌 ver.はカバーアルバム『仮歌』収録音源。

<DVD収録映像>
01.ようこそジャパリパークへ -TVアニメ「けものフレンズ」アニメOP映像-
02.ようこそジャパリパークへ -TVサイズショートPV-
03.ようこそジャパリパークへ -カラオケDAMオリジナル映像-
04.ようこそジャパリパークへ -Xmas ver.PV-
05.ようこそジャパリパークへ -どうぶつビスケッツ×PPPとフレンズキッズダンサーズ-
06.ようこそジャパリパークへ -舞台「けものフレンズ」-
07.ようこそジャパリパークへ -「ビクターロック祭り2017」2017.3.18 @幕張メッセ-
08.ようこそジャパリパークへ -「ブシロード10周年ライブ」2017.4.30 @横浜アリーナ-
09.ようこそジャパリパークへ -「けものフレンズ LIVE」2017.9.16 @豊洲PIT-
10.ようこそジャパリパークへ -「ニコニコ超パーティー2017」2017.11.3 @さいたまスーパーアリーナ-
11.ようこそジャパリパークへ -「ニコニコ超会議(超音楽祭)2018」2018.4.28 @幕張メッセ-

BONUS MOVIE
12.ようこそジャパリパークへ -初リリースイベント 2017.2.25 @お台場-

※BONUS MOVIEは映像のみ・音声はCD音源。

(C)けものフレンズプロジェクト

※各配信サイトはこちら

■関連リンク
『けものフレンズ』公式ホームページ
『けものフレンズ』公式Twitter
TVアニメ『けものフレンズ2』公式Twitter

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