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『おちょやん』で朝ドラ3作目の出演 坂口涼太郎が特徴的な役どころで起用され続ける理由

リアルサウンド

21/2/8(月) 6:00

 『おちょやん』(NHK総合)第9週目「絶対笑かしたる」で、主人公の竹井千代(杉咲花)が新たに所属する「鶴亀家庭劇」の座員・須賀廼家百久利役として登場し話題になっているのが坂口涼太郎だ。

 個性的な顔立ちと独特な存在感で「クセメン俳優」と称される彼は、喜劇界のアドリブ王こと須賀廼家千之助(星田英利)の付き人役を務める。関西弁炸裂で、彼が得意とするちょっと嫌味でクセの強いキャラクターをもってして、威勢よく千代と言い合う様子はテンポも良く思わずクスリと笑わせてくれる。

 坂口は本作が朝ドラ出演3作目となる常連組だ。前作『エール』では、二階堂ふみ演じるヒロインのお見合い相手役として、そう多くはない登場シーンながら強烈なインパクトを残した。かなりの曲者ながらも心底憎み切れない唯一無二のキャラクターだった。

 また『なつぞら』では、メガネにサンバイザーがトレードマークの新人アニメーター役を演じ、主演の広瀬すずにとってなんだか放ってはおけない後輩役を好演した。

 坂口と広瀬すずは3度目の共演を果たしている。1度目は映画『ちはやふる』での主人公・千早(広瀬すず)のライバル校のかるた部主将「ヒョロくん」こと木梨浩役。原作の人気漫画の中からそっくりそのままと飛び出してきたかのようなあまりに高い再現度、実写度が注目された。2度目は映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』で、2人は兄妹という役柄だった。

 独特な風貌と出立ちというのはきっと役者にとっては強みにも弱みにもなり得る要素で、あまりにそのイメージが固定されすぎると演じられる役どころを狭めてしまう可能性につながりかねない。さらに彼の場合には、トレードマークでもあるおかっぱヘア、マッシュルームヘアでほぼ全ての役を演じのけている。

 そんな中、特徴的な役どころが多いとは言え、彼がそれぞれのキャラクターを幅広く演じ分けられているのは、きっと本人の屈託のなさにあるのではないかと思われる。「特徴的な役柄」というと「役の作り込み」が必要になりそうなものだが、彼にはその無理矢理な気負いは感じられず、むしろ役に隙を設けているようにも思える。だからこそ、役自体が自由に動ける幅や遊びを許容しており、よりリアルさを持って迫ってくるのかもしれない。

 また、ピアノ、歌、ダンスと多才で表現の引き出しを多数備えていることが、固定されがちな見た目のイメージに様々な表情を与え、それぞれの役の中でも機微となり現れ、生かされているのではないだろうか。

 本作では、これまでの朝ドラ出演とは違って、何週にも渡って坂口の姿を追えることも楽しみだ。

■佳香(かこ)
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで劇場鑑賞映画本数は年間約100本。Twitter

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おちょやん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45
※土曜は1週間を振り返り
出演:杉咲花、成田凌、篠原涼子、トータス松本、井川遥、中村鴈治郎、名倉潤、板尾創路、 星田英利、いしのようこ、宮田圭子、西川忠志、東野絢香、若葉竜也、西村和彦、映美くらら、渋谷天外、若村麻由美ほか
語り:桂吉弥
脚本:八津弘幸
制作統括:櫻井壮一、熊野律時
音楽:サキタハヂメ
演出:椰川善郎、盆子原誠ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/ochoyan/

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