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『燃ゆる女の肖像』セリーヌ・シアマ監督が2人の主演女優について語る メイキング写真も公開

リアルサウンド

20/11/9(月) 18:00

 映画『燃ゆる女の肖像』のメイキング写真が公開され、セリーヌ・シアマ監督と主演を務めるアデル・エネル、ノエミ・メルランよりコメントが寄せられた。

 本作は、第72回カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィアパルム賞をW受賞した人間ドラマ。18世紀、フランス、ブルターニュの孤島を舞台に、望まぬ結婚を控える貴族の娘と、彼女の肖像を描く女性画家の一時の恋を描く。

 このたび公開されたメイキング写真は、撮影の舞台となったブルターニュの孤島の様々な印象的な光景を収めたもの。

 望まぬ結婚を控える貴族の娘エロイーズ(アデル・エネル)とその肖像画を描くことになった画家マリアンヌ(ノエミ・メルラン)。描き上げた肖像画を自らの手で消してしまったマリアンヌに対しエロイーズがモデルになると申し出たことをきっかけに、ふたりは急速に接近していく。ブルターニュ地方の孤島に実際に残っていた城を舞台にした本作はその島で実際に撮影が行われたが、メイキング写真からは、俗世から切り離されたような圧倒的な光景や、シアマ監督がロケーションに選ぶ上で気に入ったという荒々しい印象を与える岩や海など、物語を彩る印象的な光景の数々が捉えられている。

 シアマ監督は、元パートナーであるエネルと一緒に作品を作りたいと考え、脚本を執筆。「エロイーズの役柄は、アデルを念頭に書きあげたものです。ここ数年でアデルが実証してきた女優としての素質をこの役に反映させていますが、彼女に新境地を開拓してもらいたいという期待も込めています。まだ見たことがない、わたしも知らない彼女の一面を引き出せたらと思ったのです。撮影現場では、細部までこだわって仕事をしましたが、アデルの意見は特に重要でした。私たちのこの作業がこの映画の中核であり、“ミューズ”という概念に終止符を打ったのです。私たちの現場にはミューズはいません。私たちはお互いに刺激を与える協力者という関係でした」と振り返る。

 また、物語の中心となるマリアンヌを演じたメルランについては、「この映画で、恋人同士として象徴的で特別な印象をもつカップルを作りたかったのです。マリアンヌはすべてのシーンに登場するので、強い存在感の女優が必要でした。ノエミは毅然としていて、勇敢で情熱的な役者です。正確さと過度な部分がまじりあいながら、実在しない人物を作り上げていき、少しずつその姿が見えてきました。まるでマリアンヌが実在していたかのようでした。これは、ノエミのおかげです」と称える。

 本作は順撮りで撮影されていないにも関わらず、ふたりの内面に少しずつに変化が訪れる様子を繊細に描いていく。そのことについてエネルは、「私自身は、エロイーズを徐々に変化させるために時系列で考えることを意識しました。アーティストの観点としては楽しい作業で、普段人を観察するのと同じように、その人物の全体像ではなく内面を考えることに興奮しました。人物を感覚で捉え、研究するのです。エロイーズの変化と共に内面もどんどん進化していくので、人物の内面を移動撮影するかのように、演技を変化させていきました」と明かす。

 マリアンヌを演じるメルランは、自身が演じた役柄や本作で画家と被写体という関係から“愛”が生まれる過程について、「私がこの役を捉えるうえで新鮮に感じたのは、彼女が慎み深さのなかにある愛を受け入れる過程で大きく成長することです。エロイーズとマリアンヌは、それぞれの不満や困惑を相手とのコミュニケーション、つまり沈黙や視線とか息づかいなど様々なことから感じていきます。そしてふたりで愛の物語を作り出すのです。マリアンヌの感情を加減することなく、そのまま演じたことは私にとっては新しい経験で、とても実り多いものでした」とコメントを寄せている。

■公開情報
『燃ゆる女の肖像』
12月4日(金)TOHOシネマズシャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開
監督・脚本:セリーヌ・シアマ
出演:アデル・エネル、ノエミ・メルラン
配給:ギャガ
原題:Portrait de la jeune fille en feu/英題:Portrait of a Lady on Fire/2019年/フランス/カラー/ビスタ/5.1ch/デジタル/122分/字幕翻訳:横井和子/PG12
(c)Lilies Films.
公式サイト:gaga.ne.jp/portrait/
公式Twitter:@portraitmoviejp
公式Instagram:@portraitofaladyonfire_jp

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