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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

アヴリルはまだデコりが足りない!? 洋楽優勢のアルバムチャートを斬る

リアルサウンド

13/11/20(水) 17:12

2013年11月12日~18日のCDアルバム週間ランキング

1位:GENERATIONS from EXILE TRIBE
2位:アート・ポップ(レディー・ガガ)
3位:オン・エア~ライヴ・アット・ザ・BBC Vol.2(ザ・ビートルズ)
4位:アヴリル・ラヴィーン(アヴリル・ラヴィーン)
5位:浮き名(椎名林檎)
6位:蜜月抄(椎名林檎)
7位:gene(Pay money To my Pain)
8位:LOVE(嵐)
9位:NEW(ポール・マッカートニー)
10位:ROCK(木村カエラ)

 男性アーティストと女性アーティストが半分ずつ。うち、男性はみなグループやバンド所属(ポール・マッカートニーは今も一応8位のグループ内と考えさせてもらいます!)、女性はみな個性派ソロ・アーティストで、簡単に真似できない音楽性やファッションが魅力。男性から見れば「そりゃ美人だけど、萌えない、付き合える気がしない」と尻込みするタイプであろう。

 ドアップのジャケが強烈なアヴリル・ラヴィーンだが、肝心の内容が……なんというか、一体どこに向かっているのかよくわからない印象だ。起爆剤としてマリリン・マンソンと共演した曲も想定内だし、「カワイイ」を連呼した親日ソングも微妙。きゃりぱみゅのいる我が国に、アヴリルの「カワイイ」はまだまだまだデコりが足りない。結局この人は、ダンナ(ニッケルバック)と共演したカントリー・ロックみたいなバラードに落ち着いていくのだろうか。いろいろトガッてみたけど結局カントリーが好きよ、みたいな。一番つまんない結論だなぁ。

 いろいろやるけど結局こういうのが好き、という出自に戻るのであれば、カエラのそれは「コラボ人選」と「選曲」の新鮮味があり、オリジナルよりも語るべきところが多いくらいだ。ガールズロックのアイコンという肩書を外してみれば、カエラもアヴリルも「透明感のある声を持つ、歌の上手な女の子」なのだが、80’sの徒花といえるエレポップが大好きという奇特(失礼!)な趣味が、カエラの最も強い武器なのかもしれない。至極まっとうなカバー集なのにまったく保守的に聴こえないというのも珍しい。

 レディー・ガガの『アートポップ』は、ファンの評価も「最高傑作!」と「うーん…」に二分されている模様。後者の意見としては、存在自体が現代アートだったガガ様に、今さら「アート」と「ポップ」の関係性をご教授されてもなぁ、というものだ。欲しいのは高尚な芸術論じゃない。笑えるほど過激なガガ、何がしたくてそうなったのかよくわからないガガ、というものに魅せられていたリスナーは、ちょっとした「保守」に敏感だ。守りに入るんじゃない!

 かつての椎名林檎は、過激で扇情的な話題を振りまく自作自演シンガーだった。だが今の彼女にそれを求める人はいないだろう。相変わらず強烈な音楽性と、安定した人気を保ちながら自由なフィールドを闊歩できる活動内容。「個性派」「ワン&オンリー」として注目されたアーティストが、どんな転換期でどう舵を切るのがベターなのか。そんな裏テーマを考えた今週でした。

■石井恵梨子
1977年石川県生まれ。投稿をきっかけに、97年より音楽雑誌に執筆活動を開始。パンク/ラウドロックを好む傍ら、ヒットチャート観察も趣味。現在「音楽と人」「SPA!」などに寄稿。

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