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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

FUKIが語る、「Our Love Story」で得たものと「12 Sweet Stories」の充実

リアルサウンド

19/7/1(月) 19:00

 恋愛にまつわる記念日を毎月ピックアップし、そこに寄り添ったラブソングを12カ月連続で配信リリースしていくという、女性アーティスト初となるプロジェクト「12 Sweet Stories」を展開中のFUKI。第2弾として配信リリースされたのは、6月12日の“恋人の日”にインスパイアされて生まれた「Our Love Story」だ。カントリーを取り入れた耳馴染みのいいサウンドとナチュラルに響く歌声は、恋人たちの幸せな日常を彩る大切なBGMとなるはず。果たして彼女はどんな思いで本作を作り上げたのか? そこに込めた思いをじっくりと聞いていく。(もりひでゆき)

理想の恋愛像を書いていった 

ーー5月からスタートした12カ月連続ラブソングリリースプロジェクト『12 Sweet Stories』。SNSを見ているとファンから大きな反響が届いているようですね。

FUKI:「毎月、FUKIちゃんから届くプレゼントが楽しみ!」「1カ月が待ち遠しい!」というメッセージをたくさんいただけているので、このプロジェクトをスタートさせて良かったなっていう気持ちになっています。ファンのみなさんと今まで以上に、より密に繋がれている感じもしますし。

ーーFUKIさんからの発信も増えていますからね。

FUKI:そうそう。のんびりな性格だからけっこう忙しいんですけど(笑)、でも楽しんでやってます。Twitterでは前作「KISS.」の感想もたくさんもらえてるんですよ。私が曲に込めた思いがちゃんと伝わってて、それもすごく嬉しかったです。

ーー楽曲にインスパイアされたスイーツをパティシエが手がけるコラボレーションもスタートし、これもまた話題を呼んでいます。

FUKI:「KISS.」ではJACK松岡さんというパティシエの方が大きな円盤のようなケーキを作ってくださって。第1弾にしてこんなにすごいスイーツを作っていただいちゃって大丈夫なのかなって思うくらい、めちゃくちゃ“映え”でしたね。

ーーどんな味でしたか?

FUKI:メインはラズベリーなんですけど、グレープフルーツの隠し味が入ってるんですよ。それによって、恋心の甘酸っぱさも表現してくださっていて。ケーキの上に乗っていた飾りも全部食べられちゃうし、食べ終わった後に見えてくる台紙には「KISS.」のリリックが書いてあったりもして、本当に大満足でしたね。JACK松岡さんからの楽曲への愛を感じることができて、すごく嬉しかったです。

ーーそして、早くも第2弾となる「Our Love Story」の配信がスタートしましたね。今回は6月12日“恋人の日”をモチーフとした楽曲です。

FUKI:ブラジルでは6月12日に、恋人同士が相手の写真をフォトフレームに入れて交換し合う風習があって。それが由来となって“恋人の日”が生まれたそうです。そういった風習は日本にはまだあまり浸透してないけど、“恋人の日”自体はTwitterで日本のトレンドに入ったりもするし、私の作る楽曲的にもぴったりなテーマだと思ったのでコラボしようということになりました。

ーー楽曲のイメージはすぐに膨らみましたか?

FUKI:“恋人の日”だから明るい雰囲気がいいなっていう漠然としたイメージはありましたね。ただ、いざ制作をスタートさせてみたらなかなか形にすることができなかったんですよ。サウンドプロデューサーのEIGOさんとギターの乾(修一郎)さんと私の3人で、いろいろアイデアを出し合って3曲くらい作ってみたんだけど、どれも「ちょっと違うよね」っていうことになり。かなり煮詰まって、3人とも疲れ切っちゃったっていう(笑)。でも、そんなときにふとスタジオ内にテイラー・スウィフトの曲が流れてきて、それにスーッと導かれたんですよ。「あ、今回はこういう雰囲気でやってみよう」って。

ーー今回の曲はテイラー・スウィフトの初期のニュアンスに近い、カントリーな雰囲気を持ってますよね。

FUKI:そうそう。私は今のテイラー・スウィフトも好きだけど、初期のアルバム『Speak Now』が大好きなんですよ。カントリーも元々好きだし。だから今回は心地良くライトな感覚で聴けて、日常の中で邪魔にならないようなカントリーポップを作ろうという方向性になっていったんですよね。アレンジ面ではギターを中心としながら、今まで使ったことのなかったマンダリンとかバンジョーの音も多めに使ってもらったりして。それによって、ちょっと風が吹いているような涼やかさが出たんじゃないかなって思います。リリース時期としても、まだ真夏ではないのでちょうどいいなって。

ーー作詞作業はいかがでしたか?

FUKI:私は曲を作るときにけっこう思い詰めるし、内容的にも重くなりがちなタイプなんですよ。なので、今回はサウンドの方向性に合わせて、歌詞に関しても「ライトに、ライトに」っていうことを意識しながら、自分が素敵だと思える理想の恋愛像を書いていった感じでしたね。“気づいたらこんなに長く一緒にいたね”みたいな雰囲気で。

ーーささいな日常の中で感じる相手への思いが、日常に寄り添った言葉たちで綴られている印象ですよね。

FUKI:普段は歌詞をじっくり読んでほしいなと思いながら書くことが多いんだけど、今回はサウンドと共に、ほんとにさらっと聴けるようにしたかったんです。だからさらさらーっと書き進めていって、結果的にいつもより言葉数も多くなったんですよね。

ーー出てくる言葉を勢いよく歌詞に落とし込んで。

FUKI:そう。いつもは出てきた言葉を吟味して、削って削って仕上げていく感じですからね。それこそ一筆入魂、みたいな感じで(笑)。でも今回は思いつくことをぶわっと書いていった。そこが大きく違うところだったと思います。ただ、恋人に対しての特別感みたいなものは絶対入れたいなっていう強い思いはあって。

ーー特別感?

FUKI:前作の「KISS.」でも意識したところではあるんですけど、“君は私にとっての特別な存在なんだよ”っていうことをしっかり表現したかったんです。具体的に言うと、1コーラス目のAメロに出てくる〈三度目の映画も大好きに変わってく〉のところなんですけど。これって普通だったらけっこう耐えられないじゃないですか。“三回も同じ映画観るの?”っていう(笑)。

ーー確かにもうストーリーも結末も知ってるわけですからね。作品によっては苦痛に感じることもあるかもしれない。

FUKI:でも君とだったら何度でも観られるよっていう。そういう具体的な情景描写を入れることで、特別感を表現してみたりして。特別な恋人とは何でも楽しくなるものですからね(笑)。

ーー〈ねぇ〉というワードをリフレインしているのもいいですよね。相手との親密な距離感が伝わってくる気がしました。

FUKI:私は歌詞を書くときに、Aメロの頭に〈ねぇ〉をつけるのがけっこうクセなんですよ。過去の曲にもいくつかあったりするし。それはきっと、対象に向けた手紙を書くような気持ちで歌詞を書いているからだとは思うんですけど。

ーーなるほど。それは言い換えると、FUKIさんの曲は思いを向ける対象が明確であることの表れでもありますよね。

FUKI:そうですね、うん。そうしないとうまく書けないというか。思いを向けるべき人物像をちゃんと固めて、しっかり想像しながら書かないと、言葉があっちこっちいろんな方向に行ってしまいますからね。で、その人物を明確にすると、つい〈ねぇ〉と話しかけてしまうっていう(笑)。曲によっては〈ねぇ〉をボツにすることもあるんだけど、今回の曲では上手くハマった気がします。

FUKI – Our Love Story (Music Video)

1年後にはもっとストロングな自分になってる 

ーーボーカルのレコーディングはいかがでしたか?

FUKI:「KISS.」のときは、「ここはちょっと優しさを表現するために抑えて歌おう」とか、「ちょっと大人っぽい雰囲気で歌ってみよう」とか、いろいろ考えて臨んだところはあって。でも今回は細かい歌い方をあまり意識することなく、元々の自分っぽい感じで歌えたような気がしますね。デビュー当時まではいかないけど、それに近いくらいのテンション感というか。けっこう思い切り声を出しながら歌いました。

ーーあまり時間もかからず?

FUKI:そうですね。現場で歌詞を変えたところもあったから、そういった意味でちょっと時間はかかりましたけど、本チャンのレコーディングはささっと終わりました。ライトに聴いてもらいたいっていう思いから、今回は難しいコードもあまり使ってないし、メロディもけっこうシンプルだと思うので。コーラスもいつもはいくつもラインを考えたりするけど、今回は3度上の1本だけでしたからね。悩むことなく、ハッピーに終われました(笑)。

ーーサビの最後に出てくるフェイクはご自身でも気に入っているそうですね。

FUKI:そうなんですよ! コーラス録りが全部終わったタイミングで「なんか足りないね」っていう話になり。急遽、現場で最後につけ足したのがあのフェイクなんです。いくつかのパターンを試してみたところ、「今のが良かったね」ってみんなに言ってもらえたものが採用になりました。個人的に好きなフェイクのメロディになったので、聴いてくださる方にはそこも鼻歌で一緒に歌ってもらえたらうれしいです(笑)。

ーー本作はまさに“恋人の日”にふさわしいハッピーな聴き心地の曲だと思います。

FUKI:良かった! どんなときに聴いても心が軽くなるような、気持ちがホップステップしちゃうような曲になればいいなと思いながら作っていましたからね。6月は雨も多いので、これを聴いて明るいテンションになってくれたらうれしいです。私自身、最近はこの曲を聴きながら走ってるんですけど、めちゃくちゃハマります。自然と走るスピードも上がって、どこまでも走っていけそうな気がしますから(笑)。

ーーオフィシャルホームページではMVも公開されていますね。

FUKI:いつもMVを撮ってくださるカメラマンとEIGOさんと私の3人で撮影したんですよ。「どうする? まず公園行ってみよう」「ご飯食べるところもいちおう撮っとこうか」みたいな感じで、ものすごく緩~いラフな撮影なんですけど(笑)。

ーーだからこそリラックスしたFUKIさんの表情が引き出せているんでしょうね。

FUKI:そうそう。気心の知れた人たちとの撮影ですしね。私が車の助手席に座り、カメラマンが後ろから撮ってくれたりもしたんですけど、知らない人とだったら絶対緊張した表情になってたと思う(笑)。今回は彼氏が私のことを撮影しているというコンセプトなので、日常の出来事やしぐさをたっぷり詰め込みました。その雰囲気が、ライトに聴ける楽曲にもマッチしてるんじゃないかな。

ーーちょっと粗いフィルムのような映像になっているのも素敵ですよね。

FUKI:あの雰囲気はかわいいですよね。カメラマンが新しく買った8ミリを使って撮影したからああいう画質になってるんですけど。8ミリって現場では映像をチェックすることができないじゃないですか。だからその分、いつもよりもたくさんカットを撮ったんですよ。いちいち映像をチェックできないからこそ、自然と素の自分を出せた気もするし。そういうやり方も仲のいいチームだからできたことだと思うので、すごく楽しかったです。楽曲同様、MVも12作のシリーズにしていきたいなって気持ちもありますね。

ーーそして今回のスイーツコラボは、東京・茗荷谷のパティスリー「L’essentielle」のオーナー牛島源希さんが手がけているそうですね。

FUKI:はい。今回もとてもかわいいケーキを作っていただけました。小さなシュークリームをいくつも積み重ねることで恋人同士のちょっと不安定な関係を表現しつつ、でも見た瞬間、食べた瞬間にときめいてしまうっていうイメージだそうです。“恋人の日”からそこまで発想できてしまうって、ほんとにすごいなって思いましたね。季節の花であるバラの香りや味を楽しめるところもポイントですね。口の中にバラの香りがふわっと広がるのは初体験でしたけど、めちゃくちゃ美味しかったです!

ーー今回のスイーツは期間限定で販売もされているとか。

FUKI:そうなんです。シュークリームはシェアして食べることができるので、カップルで来てほしいとおっしゃっていました。すごくかわいいお店だし、お茶とかコーヒーもいろいろな種類が用意されているので、ぜひ足を運んでみてください!

ーー次回、「12 Sweet Stories」の第3弾は7月7日の“七夕”とのコラボです。予告をお願いします。

FUKI:次回も今までのFUKIにはなかったタイプの曲になっています。サウンド的にも歌い方的にも自分なりの挑戦をしたので、誰も予想していなかったであろう新しい雰囲気を感じてもらえると思います。もちろんね、“七夕”ならではのロマンチックな要素も込めたので楽しみにしていてください。

ーー今のところ毎回、新たな表情がしっかり提示されていますよね。

FUKI:はい。「KISS.」ではFUKIラップをやりましたし、今回はカントリーですしね。せっかく毎月リリースするからには、みなさんをびっくりさせていきたいので。ハードルを上げて待っていてください(笑)。

ーーハードルを上げ続け、それを飛び越え続けたら、1年後のFUKIさんはどんなことになっちゃうんでしょうね?

FUKI:音楽的にも、自分の心の面でも、きっといろいろ変わってるんじゃないかなって思いますね。実際、2作目を作り終えただけで、音楽に向き合う意識はすでに変化してきたような気もするし。

ーーどんな変化を感じます?

FUKI:単純なことですけど、あんまりへこたれなくなった(笑)。今までは落ち込んだらずっと落ち込みっぱなしなタイプだったけど、最近は切り替えが上手くできるようになったんですよ。

ーー12カ月連続リリースともなると、落ち込んでる暇がないですしね。

FUKI:そうそう(笑)。時間がないからこそ、「これがダメなら、はい次!」ってすぐ動けるようになったんですよね。このまま行けば1年後にはもっとストロングな自分になってるんじゃないかな(笑)。正直、もう2作作り終えたと思うとちょっと寂しい気持ちもあったりするんですよ。「このプロジェクトはあと10作か……」って。だからこそ残りの曲たちにも全力で向き合い、しっかり思いを込めて作っていきたいなってあらためて思ってますね。

(取材・文=もりひでゆき/写真=竹内洋平)

■リリース情報
『Our Love Story』
発売:2019年6月12日(水)
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