Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

ぴあ

いま、最高の一本に出会える

『時効警察』『シャーロック』『相棒』……バディドラマ、ファンが定着するキャラクター作りの秘訣は?

リアルサウンド

19/12/6(金) 6:00

 長きに渡ってテレビドラマファンに親しまれる設定と言えば、バディモノの作品を忘れてはいけない。近年急増している刑事モノの作品では、さらにその魅力がふんだんに発揮される。男性×男性のコンビから男性×女性まで幅広い“バディ”たちがいるが、彼らは自分のバディとなる相手に、時にぞんざいに、時に最大限のリスペクトを込めて接している。そこにラブがある作品から、完全に恋愛と関係のないものまで多岐にわたるが、敬愛に満ちたやり取りに胸が熱くなることは間違いないだろう。

【写真】山崎賢人が『時効警察』オダギリジョーと再タッグ

■精神科医×探偵! 異色のコンビの魅力が光る『シャーロック』若宮×獅子雄

 今期の作品で言えば、やはり月9の『シャーロック』(フジテレビ系)は忘れてはならないバディモノだろう。誉獅子雄(ディーン・フジオカ)と若宮潤一(岩田剛典)が反発し合いながらも距離を縮め、バディとして成立するまでのエピソードも描かれている。さらに本作のバディが異色なのは、この二人の出会いである。初回放送時の事件で獅子雄が容疑者としてマークしたのが若宮であった。事件の容疑者がのちのバディになる展開は、かなり異色なケースだ。現在、二人の解散が示唆されるシーンもあったが、このバディが今後どのように歩むのかにも注目が集まる。

■密かな(隠しきれてない!?)恋心がスパイス『時効警察はじめました』霧山×三日月

 人気シリーズ『時効警察』の続編『時効警察はじめました』(共にテレビ朝日系)では、長年のファンにとってはたまらない、時を超えた霧山(オダギリジョー)×三日月(麻生久美子)のバディぶりが光る。12年経ってもキャストが続投でキャラクターも変わっていないところにロマンを感じた。三日月と霧山は、何と言っても恋心を孕んだバディだというところが魅力だろう。最近だと、男女のバディでも女性側が素っ気なく恋愛に発展しないケースも多い。しかし三日月は霧山が書いた婚姻届をこっそり持っているなど、かなり心酔している様子だ。こうした密かな恋心は、バディを描く上で重要なスパイスになる。

■お茶の間の定番『相棒』シリーズの右京×亘

 長く続くバディもので忘れてはならないのが『相棒』(テレビ朝日系)だろう。シーズンごとに杉下右京(水谷豊)の“相棒”が変わるのも話題になり、次の相棒が決まると必ずニュースになる人気作品だ。かつて右京のバディには亀山薫(寺脇康文)、神戸尊(及川光博)、甲斐享(成宮寛貴)がおり、現在は冠城亘(反町隆史)がバディが務めている。今まで亀山を除いたバディたちは、3シーズンごとの交代がお約束であったが、現在のバディ・亘は異例の5シーズン目に突入。さらにアツくなる二人の絆に目が離せない。

 さらに過去の作品では、『トリック(TRICK)』シリーズ(テレビ朝日系)の阿部寛と仲間由紀恵や、『THE LAST COP/ラストコップ』(日本テレビ系)の唐沢寿明と窪田正孝、『SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~』(TBS系、以下『SPEC』)の戸田恵梨香と加瀬亮などが放送後もファンの多いバディたちとして挙げられるだろう。それぞれ現在も連ドラで主演を張るような役者に成長していることもあり、バディもので輝くこともまた、役者としての登竜門に一つになっているのではないだろうか。また、バディものでキャストが刷新され、続編が生まれた作品もある。『ストロベリーナイト』(フジテレビ系)で竹内結子と西島秀俊が演じた姫川×菊田バディは、時を超えて『ストロベリーナイト・サーガ』(フジテレビ系)で二階堂ふみと亀梨和也が演じ話題になった。同じ人物を別のキャストが演じることで、その雰囲気が大きく変わっているのがポイントの本作。二階堂が演じる姫川と亀梨が演じる菊田の時は、恋愛要素がかなり色濃く反映されていた。二階堂は菊田の想いを受け入れられなかったため、結果的に悲恋で終わる二人の関係だが、二人の間にはバディとしての特別な絆が結ばれていることは一目瞭然である。恋愛を超えた信頼関係を築くバディと言えよう。

 これらの作品が魅了的なのは、何と言ってもバディ同士の掛け合いである。『SPEC』の当麻紗綾(戸田恵梨香)と瀬文焚流(加瀬亮)は、変わり者の当麻に、坊主頭で無表情な瀬文がきついツッコミを入れるのが定番だ。『THE LAST COP/ラストコップ』の望月亮太(窪田正孝)と京極浩介(唐沢寿明)のようなハードなボケとツッコミが多用された掛け合いまで、それぞれのキャラクターに合わせた温度感でのトークが持ち味である。さらに『時効警察はじめました』では麻生久美子演じる三日月しずかはオダギリジョーが演じる霧山修一朗に好意があるという設定であり、ジワジワアプローチしようと手をこまねいている様子がなんとも可愛らしく笑いを誘う。

 これらの芝居には、シリアスなシーンとはまた違ったコメディ要素のある演技が求められることもしばしばあり、実力のある俳優ほど息のあった掛け合いになり、よりバディとしての魅力も増すのだ。こうした独特の魅力は、作品のファン定着にも大きく影響している。実際、バディものは作品そのものの熱烈なファンである視聴者が多い。作品が終わってからも定期的に見返して応援したり、ファンアートを描いたり、ファンサイトを開設したりなど、長く楽しむ傾向にあるだろう。こうしたファン作りは作品の成長にも繋がり、シリーズ化しやすい。そのため、上記に挙げた作品も多くは1作だけではなく、スペシャルドラマや劇場版として息の長い作品となっている。

 今期の作品でも『シャーロック』や『時効警察はじめました』などバディものの作品がある。今こそバディものの魅力を堪能してみてはいかがだろうか。

(Nana Numoto)

アプリで読む