そらるが7月22日に初のソロ配信ライブ「SORARU ONLINE LIVE 2021 -きみのゆめをきかせて-」を開催した。

7月22日はそらるの活動開始13周年となる記念日。全世界に向けて配信されたこのライブで、そらるは代表曲のほか、9月29日リリースのニューアルバム「ゆめをきかせて」に収録される新曲をいち早く披露し、ファンを楽しませた。

開演時刻を迎えると、公園を模したセットにスタンバイするバンドメンバーの様子が8mmフィルムを通したような映像で映し出される。ゆっくりとステージに向かうそらるの後ろ姿に続いてオープンニングムービーが流れ、ファンの期待を高めたあとは1曲目「銀の祈誓」へ。エモーショナルな歌声を響かせたあと、そらるは「個人としては初めてのオンラインライブで、目の前にみんなの顔が見えない不安もあって少し緊張しています」と素直な気持ちを語る。そして「最後まで心を込めて歌っていくので楽しんでいただければ。みんなも一緒に盛り上がってもらえたらうれしいです」と呼びかけた。

Neruが作詞作曲を手がけた新曲「ぽんこつ白書」を披露。孤独と絶望を歌った疾走感あふれるサウンドに歌詞を用いたエフェクトがかけられ、配信ライブならではの演出で視聴者を楽しませた。その後は「アイフェイクミー」を真っ赤な照明の中で歌い、さらにバルーンの「シャルル」を哀切に歌い上げる。モノクロの画面を通じて届けられたのは、6月にリリースした最新曲「ブルーパレット」。クールさと熱さを併せ持つボーカルラインで視聴者を魅了した。

MCでそらるは今回の配信ライブの狙いを「先日発表したアルバムはすごく豪華なクリエイターさんたちに曲を書いてもらっていて。その曲の先行お披露目みたいな形で歌わせていただきます」と語る。そしてバンドメンバーの清水“カルロス”宥人（G）、ゆーまお（Dr / ヒトリエ）、Kei Nakamura（B）、森谷優里（Key）、三矢禅晃（G）を紹介した。そらるは配信ライブならではの悩みを「お客さんの顔が見えないじゃないですか。どこを見たらいいのかわからない（笑）」と語り、「お客さんがいてすごく助けられてたんだな、と気付きました。手を振るだけで『ワーッ！』て言ってくれるの、ありがたかったんだな」と改めてファンの存在のありがたさを感じた様子を見せた。一方で「絶対にライブを観させてもらえないような中学生や高校生、遠くて観に行けない人にも観てもらえたり、いい部分もあるなと思っています」と配信ライブだからこそつながれるファンに対しても思いを馳せていた。

続く「ユーリカ」でそらるが直前の自身の言葉に沿うように手を振ると、視聴者も配信のチャット欄に手を振る絵文字を連投し、一体感を作り上げる。「嘘つき魔女と灰色の虹」のノスタルジックなアンサブルで楽しませたあとは、ガス燈に照らされながら、ナノウが手がけた新曲「ぼくを叱って」を披露。歌詞にも登場する鉄棒をバックに、そらるは優しくも力強い歌声を響かせた。

「夕溜まりのしおり」の温かなサウンド、「海中の月を掬う」の静謐な世界観でファンを魅了したあとは音符や五線譜をモチーフにしたセットをバックに、yukkedoluceによる新曲「五線譜のタイムマシン」へ。ストリングスをフィーチャーした壮大なアレンジとそらるの表現力豊かな歌声で、彼の新たな可能性を感じさせた。「最後まで楽しく歌うことができました。それが伝わっていたらうれしいです」というそらるの言葉に続き、ラストナンバー「ワンダー」へ。ここで公園や五線譜など、さまざまなセットがそらるを取り囲むように設置されていた会場全体が明るく映し出される。360°を囲むカメラに向けてそらるはパワフルなパフォーマンスを繰り広げ、初の配信ライブに対する手応えをその表情を通じてアピールした。

「SORARU ONLINE LIVE 2021 -きみのゆめをきかせて-」2021年7月22日 セットリスト

01. 銀の祈誓
02. ぽんこつ白書
03. アイフェイクミー
04. シャルル
05. ブルーパレット
06. ユーリカ
07. 嘘つき魔女と灰色の虹
08. ぼくを叱って
09. 夕溜まりのしおり
10. 海中の月を掬う
11. 五線譜のタイムマシン
12. ワンダー